騎士団と従魔達
メトリシアがシルフィード号から降りてくる
『副団長！ 何ゆっくり来ているのですか！！ 師匠達が終わらせてからくるなんて、何考えているのですか！！』
メトリシアが大声で言うと、騎士達が苦笑いする
『これでも急いで来ました』
副団長が慌てて言う
『副団長は何しに来たのですか！』
メトリシアが副団長を睨みながら大声で言う
『え！ 魔獣師団の捕縛ですが・・・』
『捕らえられましたか？ 師匠達が捕らえた、人を護送するだけなのですか！』
『それは・・・』
『副団長！！しっかりしなさい！！ それで国を守れるのですか！』
『それは・・・』
副団長が苦笑いしていると、騎士達が見ている
『あ！ 騎士の皆さんは、従魔の解体を始めておいてください』
メトリシアが笑顔で言う
『騎士はついてきてね』
マルスが笑顔で言うと、グラノちゃんに乗って、南側に向かい、従魔の山の解体の説明をしてから、シルフィード号に向かう
『解体の為に・・・それも従魔の食料作りなんて・・騎士の仕事か？』
騎士がマルスの後ろ姿を見ながら呟く
『まだ良いのか？ 前は、連行係だったから』
『俺は、輸送係だったぞ！』
『お仕置済みの監視係だった』
騎士達がそれぞれ言い始めると、笑いだす
『解体係なら、訓練だな！』
騎士が笑いながら言う
『英雄殿の訓練の相手より良いか！』
騎士が笑顔で言うと、それぞれ解体を始める
夜になり、キリシアとリリシャ達が戻ってくる
『マルス、ガベラス王国に行くよ！』
キリシアが笑顔で言う
『今日は楽しかった』
リリシャが微笑みながら言う
『リリシャ楽しみすぎ！ 一人で何人取っているの！』
『キリシアだって、何人取っているの？』
『回復魔法はエレーヌがしていたから、２人だよ』
キリシアが笑顔で言う
『エビリアとクレスタも４人使っていたから、独り占めでは無いですよ』
リリシャが真剣に言う
『キリシア、リリシャ、従魔達が怯える筈です。お仕置し過ぎですね』
フローネが２人の会話を聴きながら、真剣に言う
『え！フローネ先生何故ですか？』
リリシャが真剣に言う
『グラノちゃんが、キリシアを見て近付きたくない様子だったよ、リリシャのお仕置を見て、これが恐怖なのだなと、怯えていたよ』
マルスが真剣に言う
『え！グラノちゃんが！！』
リリシャが驚いている
『氷漬けの魔獣を見て、絶対に敵対はしないと、宣言していたけどね』
『嫌われたら、マルスの所為ですからね！！』
リリシャが真剣にマルスを見て言う
『え！自分の所為！』
マルスが抗議を始めると、みんな笑いだす
『明日出発する？』
マルスが真剣に聞く
『もちろん！』
キリシアが笑顔で言う
『沢山お仕置きしますよ』
リリシャが微笑んでいる
『もう止まらないですね』
フローネが溜め息をしてから言う
翌朝、準備が終わり、出発する
『副団長聞き取った通り、国王陛下に報告しておいてくださいね』
メトリシアが笑顔で言う
『副団長！ 居たの？ 後始末よろしく』
キリシアが大声で言う
『え？居たの？ 存在感無いのか？』
副団長ががっかりしている
『後始末しっかりしなさいね！ お仕置きしますよ』
リリシャが微笑みながら言う
『え！お仕置されたくないから、やります』
副団長が慌てぎみに言う
『ちょっと、ガベラスで愚か者達を潰してきます。後で後始末に来てくださいね』
マルスが笑顔で言うと、騎士達が見ている
『は？ ガベラス王国の後始末も自分が！！』
『全部副団長の仕事です』
メトリシアが笑いを堪えて言う
『え！・・・ガベラス王国に押し付けてください』
副団長が真剣に言うと、騎士達が見ている
『今回の任務を放棄したとお父様に伝えておきます』
メトリシアが笑いながら言うと、みんな笑いだす
『えーー！ 頑張ります』
副団長が慌てて言う
『早く海を渡ってきてくださいね』
『ふふふふふ不可能です！！』
副団長が慌てて叫ぶ
『行くよ！！』
キリシアが大声で言うと、シルフィード号に乗り込み、上昇を始める
『副団長、完全に押し付けられましたが、あの廃人どうしたら良いでしょうか？』
騎士が真剣に聞く
『聞き取りと、証拠を集めたら・・・王都に連行か？ ん？ここは国境を越えていた！！どうしたら！』
副団長が慌てて考え始める
『副団長・・・威厳が無さすぎる』
騎士が呟く
『英雄殿！！ 押し付けないでくれーーーー！』
副団長が大声で叫び、騎士達が呆れている
『副団長、従魔はどうしたら・・・』
『従魔達・・・護衛しないと・・・』
『副団長、従魔の方が自分達より強いですけど』
騎士が真剣に言う
『それは・・・人が居ないから、従魔達が護衛なのか？』
副団長が呟く
『何の為の騎士団ですか？』
若い騎士が真剣に聞く
『王命が有れば何でも実行するのも、騎士の仕事だ！ 今回は英雄殿の後始末が仕事だ』
副団長が真剣に言う
『英雄殿行ってしまいましたけど』
『後を追うだけだ！・・・船を扱えない！！』
副団長が慌てだすと、騎士達が呆れている
（副団長大丈夫なのか？ 昔はもっと威厳が有ったのに）
