クレゼオルドの町後編
警備隊隊員達が男達を拘束して、引き摺ってリリシャ達の所に連れていく
『マルス師匠、リリシャ師匠がもう始めています』
エビリアが真剣に言うと、岩に囲まれた中から男達の悲鳴が聞こえている
『キリシアは?』
『エミール姉さん達が行きましたので、お仕置きしています』
エビリアが遠くに見える魔道車を見ている
『しばらくかかるね・・・メトリシアとメリアとフローネ先生に先に相談するか・・・面倒になった』
マルスが真剣に言う
『面倒に?』
『ガベラス王国の公爵が寝返り、ガベラスが陥落の危機になっているから、早く行った方が良いからね』
マルスが真剣に言うと、シルフィード号に向かおうとする
『こいつらは?』
エビリアが見ながら聞く
『任せるよ、情報は聞き出してね』
マルスが笑顔で言いながら、歩いていくと、エビリアとクレスタが、嬉しそうに男達を見ている
シルフィード号に戻り、艦橋に向かう
『マルス、何か有りましたか?』
フローネが心配そうに聞く
『これなのですが、ガベラス王国に先に向かった方が良いと思います。それにメーレス王女様に確認して貰ってから、ヘルゼレス王国にも』
マルスが手紙を手渡すと、フローネとメトリシアが読む
『マルスが関わると、こうなるのですね・・・』
フローネが溜め息をしている
『ここは副団長に任せて、海軍に海上警備をさせます』
メトリシアが真剣に言う
『上陸したなら、グラノちゃん達が撃退してくれるから、安心だけど、南の2か国が陥落したら、北上してくるから、監視も必要かな?』
マルスが真剣に言う
『はい!副団長に走り回って貰います!』
メトリシアが真剣に言う
『メリアにも話した方が良いですよね?』
『事態の把握は必要です。元王女として、判断が必要になります』
フローネが真剣に言うと、メリアを呼んで詳細に説明をする
『マルス様、私には判断は出来ないですが、国民の為を思うなら、救って欲しいと思います・・・』
メリアが真剣に言う
『追放された国でも? 向かえば、拘束される可能性も有るけど』
マルスが真剣に言う
『シルフィード号から降りなければ、捕まりません』
メリアが真剣に言う
『そうですね。メリア、なるべく一緒に居ましょうね。リシリア、守ってあげてください』
フローネが微笑みながら言う
『はい!師匠』
リシリアが笑顔で言うと、メリアがマルスを見ている
『メリア、それで良いかな? 他の証拠探しとグラノちゃんに話してくるね』
マルスが笑顔で言うと、シルフィード号を降りて、グラノちゃんの所に向かう
『マルス様に守って欲しかった』
メリアがマルスの後ろ姿を見て呟く
『メリア、聞こえてますよ』
フローネが微笑みながら言うと、メリアが真っ赤になっているのを、メトリシアとヒストリアとリシリアが見て笑い始める
『グラノちゃんお待たせ』
マルスが笑顔で言う
『我が主、全員怯えている。あの氷漬けは怖い』
グラノちゃんが、氷漬けの従魔を見て言うと、周囲の魔獣達が少し震えている
『リリシャ怒っているからね。キマイラもエサだなんて言うから、悪いよね』
マルスがキマイラを見て言う
『主様が、どれだけ手加減をしてくれているのか、全員解ったと思う』
『周囲の警備は任せたね。あの従魔達も勿体無いから、食べたければ食べてね、多分南側の従魔から食べた方が良いかもしれないけど』
『肉食のもの達に、食べさせる』
グラノちゃんが言う
『ちょっと南側を確認したいから、背中に乗せてくれるかな? 残りは、ゆっくり警戒していてね』
マルスが笑顔で言うと、グラノちゃんが従魔達に言うと、従魔達は、寝転びながら、寛ぎながら、警戒している
グラノちゃんに乗って、南側の従魔達の所に向かう
『主様、歯向かう愚かさを見せ付けられました。あの数がただ蹂躙され、全員恐ろしさに動けずにいました』
グレベアが真剣に言う
『ゴーレム使ったのかな? あの程度なら、エミールの魔法で一撃で吹き飛ばせるかな? 』
マルスが笑顔で従魔の山を見ている
『冗談に聞こえない・・・主様』
『あの従魔で当面の食料にして良いからね、騎士が到着したら、捌いて、加工すれば長持ちするかな? ベア肉美味しいからね』
マルスが真剣に言う
『肉・・・食べないですよね』
グレベアが震えて言う
『ん? あーグレベアは食べないよ、友達でしょ』
マルスが笑顔で言う
『主様の手足のように働きます』
グレベアが震えながら言う
『周囲の警戒をお願いね!』
マルスが笑顔で言うと、これからの説明を始め、グレベアとグラノちゃんが納得して、従魔達を説得する
グラノちゃんに乗って、エミールの所に向かう
『主様・・・あれは』
グラノちゃんが立ち止まり言うと、視線の先には、キリシアが兵士をボコボコにして、弾き飛ばして、エレーヌが回復魔法を使っている姿が見える
『お仕置きだね、怖い?』
『人間は怖い』
グラノちゃん凝視しながら言う
『リリシャの方を先にするかな?』
マルスが真剣に言うとグラノちゃんはリリシャ達の方に歩き始め、立ち止まる
『あれは・・・怖い』
グラノちゃんが少し怯えて言う
『悲鳴が煩いね・・・パンシー使わないと!』
マルスが真剣に言う
『我が主、恐怖とはあのような事を言うのだな』
シリウスが思わず言う
『怒っていたからね、この町を消し飛ばさなかっただけ良いのかな?』
『本当にやりそうで怖い・・・』
『グラノちゃん怯えすぎだよ? みんなの所に戻ろうか? 終わりそうに無いからね』
マルスが微笑みながら聞くと、グラノちゃんは従魔達の元に向かう
騎士団が近付いてくると、マルスがグラノちゃんに乗って、出迎える
『英雄殿どうなってますか?』
副団長が真剣に聞く
『メトリシアが遅いと言いそうだよ! それと仕事あるから、早くやってね』
マルスが笑顔で言うと、騎士達が苦笑いする
『仕事・・・何をさせるつもりですか?』
副団長が不安そうに聞く
『先にゴーレムで殴り倒した奴を解体してね! みんなの食料だから、早くね』
マルスが笑顔で言うと、副団長を連れてシルフィード号の近くまで行く




