大賢者研究会を研究する会
午後になると、各研究会の説明が終わり、勧誘が始まる
『マルス師匠、連れてきました』
エリカが笑顔で3人の女生徒を連れてくる
『よろしくお願いします』
3人が慌てて、頭を下げて挨拶をする
『練習場で実力の確認をしてから、入会させるか決めます』
マルスが笑顔で言うと、練習場に向かう
『あ! ルキア、1年生も呼んできてね』
マルスが笑顔で言う
『1年生? 誰をですか?』
ルキアが驚いて聞く
『マルス師匠、私も行ってきます! 6人ですよね? ルキアは知らないです!』
ミリアが笑顔で言う
『あ!そうか!! 会ってなかったね!! 頼んだよ』
マルスが笑顔で言うと、ルキアとリーネとミリアが1年生の教室に向かう
1年生の教室に行くと、ミリアが6人を見付けて、次々と声を掛けていく
『解りましたが・・・どの研究会の勧誘なのですか?』
レイナールが真剣に聞くと、クセリオが、ミリアを真剣に見つめている
『大賢者研究会を研究する会です。全員3年生ですので、今年は、1年生も選ぶ事になりました』
ルキアが笑顔で言う
『大賢者研究会を研究する会? 説明会に無かったですよね? 何故選ぶのですか?』
『説明会なんて出たら、全員が入りたくて、他の研究会が全部無くなります! その内講師が教えてくれます。』
ルキアが笑顔で言い、リーネが笑い始める
『え? 解りました、御一緒します・・・』
レイナールが真剣に言い、マルス達が待っている練習場に向かう
練習場の中に入ると、エリカの友達が魔法を放っているのを、マルスがアドバイスしている
『マルス師匠、連れてきました』
ミリアが笑顔で言うと、6人は2年生の魔法を見て圧倒されている
『それぞれ、今の実力を確認するから、魔法を使ってくださいね』
メトリシアが微笑みながら言うと、6人も魔法を放ち始める
『マルス様、やっぱり基礎が出来てません』
ルキアが真剣に言う
『そうだね。ルキア、沢山教えてね』
『はい! マルス様、任せてください!! 魔力制御からしっかり教え込みます!』
ルキアが笑顔で言うと、リーネが微笑んでいる
『マルス様・・・あのように凄い魔法、使えるようになれますか?』
レイナールが真剣に聞くと、クセリオが真剣に見ている
『どんな相手にも立ち向かう、勇気の有るレイナールなら、すぐに使えるようになるよ! 日々の努力を忘れないようにね』
『え! 本当ですか!! 努力ならいくらでもします!!』
レイナールが笑顔で嬉しそうに言う
『みんなに挨拶したら、勉強など何でも質問するようにしてください。講師で解らない事は、ルキア先生に質問してね』
マルスが微笑みながら言う
『あ! マルス様、先生なんて言わないでください』
ルキアが真剣に抗議する
『みんなの先生は任せたよ。エリカも手伝うからね』
マルスが微笑みながら言う
『え?私もですか?』
エリカが驚いている
『可愛い妹と弟だと思って教えてあげてね! 来年は、エリカが全員の代表になるからね』
マルスが微笑みながら言う
『え! あ!! そうですけど・・・自信が有りません』
エリカが呟き、ルキアが微笑みながら見ている
(エリカちゃんの為なのですね)
2階から、クラスのみんなが下りてくる
『みんなも良いかな?』
マルスが全員を見てから聞く
『はい!マルス様! 2年前の自分達を見ているようでした!! 後輩の育成も頑張ります!!』
全員が笑顔で言うと、それぞれ挨拶を始める
1年生と2年生が帰っていく
『マルス様、何故、あの6人なのですか?』
ルキアが真剣に聞き、全員マルスを見ている
『エレストリアクレイス王国からの2人、レトリアル・クレトリア王国からの2人は、宮廷魔術師候補だからしっかり学んで貰いたいから、講師なんて要らない! バゼルノアス王国のレイナールとクセリオは、王族だから、講師に任せられない! 将来の宮廷魔術師同士、仲良くしていれば、将来有益だよね』
マルスが笑顔で言う
『あ! レトリアル・クレトリア王国なら交易相手です!! アルが喜びます! 今後の外交に役立ちます』
ルキアが笑顔で言う
『マルス師匠の企みです!! 各国の宮廷魔術師を、この研究会の後輩にするつもりです! 全員しっかり教え込んでください! 宮廷魔術師同士、仲良くしてくださいね』
メトリシアが笑顔で言うと、全員が顔を見合わせてから、笑い始める
(本当に宮廷魔術師に就任が確定なのか? ツッコミ出来ない・・・)
『あ!! ここにいたのですか!! 大変です』
事務員が慌ててやってくる
『何か有りましたか?』
マルスが真剣に聞く
『何か? 募集の件です!! 既に2年生が行列を作っています!! それ所か! 司書から事務員まで、応募したいと、クレームが来ています!!講師に問い合わせしてきてます! このままだと、何人応募が有るか解りません!! どうにかしてください』
事務員が真剣に言う
『マルス師匠、選ぶの大変そうです』
メトリシアが真剣に呟く
『ハルドとアーセルの時も、沢山の中から選んだからね! 今回もじっくり選ぼう』
『はい!マルス師匠!! どんな魔導書を写させます?』
ミリアが真剣に聞く
『適当に勉強になりそうな本を選べば良いよね!』
マルスが笑顔で言う
『マルス様、写しを任せるよりも、勉強の為なのですか?』
ルキアが真剣に聞く
『書き写しして、知識になっているでしょ』
マルスがルキアを見て聞く
『あ!! はい! エミールの魔導書は凄い勉強になっています!! マルス様は、教育の天才です』
ルキアが真剣に言うと、全員頷いている
マルスは、リーベルの部屋に向かう
『マルス、何の用ですか?』
リーベルが真剣に聞く
『クラスのみんなを迷宮で鍛練させたいのだけど、良いですよね?』
『好きにしてください!! それよりも講師から、1年生に、魔法を教えすぎないようにして欲しいと、クレームが有りました。何をしたのですか?』
『あの6人を、大賢者研究会を研究する会に入会させました! じっくり、みんなで教え込みます。それとも講師に任せて良いですか?』
マルスが笑顔で言う
『隔離する必要が無いので、良いですねー 。どのぐらいで、免除するか決めます。 講師などに任せたら、国王陛下から、文句が来ますね』
リーベルが笑顔で言う
『帰りますね。結婚式までゆっくり育てよう・・・』
マルスが笑顔で言いながら、部屋を出ていく
『マルス・・・賢者にはしないでください・・・』
リーベルは、マルスの出て行った扉を見ながら呟く