1年生の魔法練習
夕方になり、屋敷に帰る
『マルス師匠、お帰りなさい』
カミラが微笑みながら言う
『カミラさん、ただいま』
『マルス師匠、3人ですが、ミーヤの魔力制御が良くなっています。努力家は、成長が早いです』
カミラが嬉しそうに言う
『良い師に出会えないと、努力も無駄に終わるけどね・・・カミラとソリナの始めての弟子だから頑張って欲しいね』
マルスが微笑みながら言う
『基礎を完璧にこなせたら、知識と経験ですよね?』
カミラが真剣に聞く
『基礎に終わりは無いよ! まだまだ完成してないからね!経験は必要だけど、無理より、じっくり育てるのも必要だよ! 信頼関係も必要だからね』
マルスが微笑みながら言う
翌日、魔法学院に登校して、教室に向かう
『マルス様、おはようございます』
生徒が全員立ち上がり、挨拶をする
『みんなおはよう』
マルスが微笑みながら挨拶をして、席に座り、レズオスが来るのを待っている
レズオスが入って来る
『今日は新しい教科書配布をする。1年生には、刺激が強すぎる為、2年生と3年生が、新しい教科書で勉強することになる・・・講師の勉強が出来てないから、教えなら、ルキアに聞くこと!』
レズオスが真剣に言うと、事務員が教科書を持ってきて、配り始める
『マルス師匠、少し限定範囲にされてます・・・下巻も有るのですね』
メトリシアが真剣に読みながら言う
『その通りだ・・・原本をそのまま使ったら、凄すぎるから、上巻は限定になったそうだ・・・下巻の教科書の名前は、偉大なる賢者の書になっている・・・因みに作者は、偉大なる大賢者と大魔導師の弟子にして、天空の賢者様だ!』
レズオスが笑顔で言う
『それを聞いたら、怒りそうだね』
マルスが微笑みながら言う
『内緒にするように・・・卒業して1年で教科書を作成してしまったのだから・・・』
レズオスが真剣に言うと、全員頷き、読み始める
(エミール先輩の教科書凄い・・・大賢者と大魔導師の弟子・・・やっぱりマルス様が、あのリベリアの英雄様・・・)
みんなが教科書を読みながら、自習を始め、マルス達は、練習場を覗きに行く
『あ! 可愛いですね! 一生懸命詠唱して・・・私も入学当初あんな感じでしたね』
ルキアが微笑みながら言う
『基礎が無かったら仕方無いよね』
マルスが見ながら呟く
『はい! 遊びにもなりません』
メトリシアが笑顔で言う
『的を外して、悔しがるのも可愛いです・・・』
ミリアが微笑みながら言う、一部の生徒が気が付いて、見ている
『先生、あの人達は?』
生徒が講師に聞く
『無視しなさい!! 居ないと思って、実力確認を進めます』
講師が慌てて言う
『上級生の方ですよね? 何故授業に出てないのですか?』
『あれは! 授業全部免除されている、大賢者研究院だから、なるべく関わらないように・・・』
講師が大声で言い、講師はなるべく見ないように続けている。生徒達は気にしながら続けている
(誰なんだろう・・・)
『マルス師匠、完全無視ですね』
ミリアが残念そうに言う
『暇だったから、手本の魔法ぐらい見せてあげようと思ったのにね』
マルスが大声で言い
『それも良いですね! 基礎の無い魔法なんて、遊びにもなりません』
ルキアが笑顔で言うと、後ろから、リーベルが苦笑いしながらやってくる
『何をしているのですか? 1年生を最初から脅かさないでくださいね』
リーベルが心配そうに言う
『真面目に魔法を使っていて、可愛いですね』
メトリシアが笑顔で言う
『そうですね・・・あぁぁぁーールキアが入学した時の、可愛らしさが戻って欲しい』
リーベルが呟く
『え! 私は、可愛くないのですか!!』
ルキアが大声で、抗議する
『1年生の時、何回講師が逃げ込んできましたか?』
『え? えーと、何回だろう』
ルキアが呟く
『週に1回ぐらいだと思います』
リーネが笑顔で言い、全員が笑い出す
『全てはマルスの所為ですね』
リーベルが溜め息をして言う
『リーベル様、大賢者研究会を研究する会に何人か入れようと思っているけど、良いですよね』
マルスが微笑みながら聞く
『え! 構わないですが・・・誰を入れるのですか?』
リーベルが青ざめて言う
『今年の1年生と2年生で、エリカと仲が良い人かな?』
『解りましたが、入会は、慎重に選んでくださいね・・・賢者を量産されても困ります』
リーベルが真剣に言う
『楽しみです! 沢山教えます』
ミリアが笑顔で言う
『ミリアさんは自重してください。常識が飛んだ賢者になります! 絶対に教えないでください!! あなた達が教え始めると、エミールとエレーヌまでやってきて教え始めます!!』
リーベルが真剣に言い始める
『才能が無い最低の人が偉そうな事を言ってごめんなさい!!』
ミリアが泣きそうになって叫ぶ
『教育の所為でも、もう才能が無いなんて、言わないでください!! 師匠、何とかしてください!!』
リーベルが言うと、みんな笑い始める
『あの・・・先輩方の魔法も見てみたいです』
1人の生徒が真剣に言う
『勝手に頼むな!! その人達は、絶対に真似したらいけない人達だ!!』
講師が慌てて叫ぶ
『何故ですか?先輩なら、どのぐらい違うか知りたいです』
生徒が真剣に言う
『絶対にダメだ!!』
講師が慌てて叫び、生徒達がザワザワしている
『仕方無いですね・・・講師、言い方を考えなさい!! いくら人外で、常識が無い人の魔法でも、リーネぐらいの実力を身に付けて欲しいですから、1度良く見ておきなさい! これも教育です』
リーベルが溜め息をしてから言う
『しかし!! いくらなんでも、手本はまずい!! 教えられなくなる!!』
講師が慌てて言い、生徒達が見ている
(え?何?手本がまずいの?)
『数日後には思い知るのですから、目標となる魔法を見ておいて、悪いことは無いですよ』
リーベルが真剣に言うと、リーネが笑顔で練習場に入り
『・・・・ファイヤーボール』
『・・・・ブリザード』
『・・・・ウイングカッター』
『・・・・アクアアロー』
『・・・・ストーンアロー』
『・・・・シャイニングアロー』
『・・・・ファイヤーストーム』
リーネが笑顔で次々と放つと、生徒達が驚いて、尻餅をつく
『この程度です』
リーネが笑顔で言う
『・・・・』
生徒達は唖然としている
『これが3年生のトップクラスの実力です。毎日精進して、少しでも近付けるように頑張ってください』
リーベルが真剣に言う
『え? ・・・』
生徒達が、リーベルを見て呆然としている
『刺激が強すぎる! あれの真似はしないように! 解ったら教室に戻るように』
講師が大声で言うと、マルス達は隣の練習場に向かう




