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旅路とミリア

リベリアの町を出て、街道を馬車で進む。

『御者、交代するよ』

マルスがルメイルに言う

『私の仕事なので・・・』

『みんなの旅だよ。交代するのが当たり前でしょ。闘気を練る時間も大事だよね』

『わかりました。お願いします』

マルスが代わり、手綱をもつ

ルメイルは荷台に入り闘気鍛錬を始める

エミールはリリシャと魔道書を読んでいる


『小川の先に、少し空いている所があるね。あそこで一休みしない?』

『あそこで止まりますね』

馬に休憩を取らせている間に小川の魚を探す

川にサンダーを打ち込むと魚が浮いてくる。大きめの魚を集めてしばらくすると、魚は動き出して[ピチピチ]跳ねている

『魚を取ったのですか?』

エミールが言うとマルスは

『後で焼こうか?』

『鍋に保管しますか?』

『そうだね』

エミールは鍋を持ってきて、魚をいれて馬車に持って帰る。鍋の中を見たキリシアが

『丁度良い数だね』

『おかずが出来たね』

キリシアとリリシャは嬉しそうに言う


出発して、村まで街道を進む

村で宿屋を探すが、無かったので、村の広場で休むことにする

焚き火でスープと魚を焼き、みんなで食べる

そして、キリシアとルメイルは剣の鍛錬を始める

『リリシャ、魔力探知魔法は解るかな?』

『確か上級魔法だったような?魔道書に書いてあった様な?』

『わかった。読んでみよう』

上級魔法の魔道書を読み始める。そしてマジックサーチの魔法の内容を、何度も読み直しながら考える

『・・・・・・・・マジックサーチ』

魔力を探知して、場所を見つけられるが、精度が悪い・・・イメージをやり直して『マジックサーチ』再び無詠唱で発動してみるが、あまり精度が上がらない。全方位マジックサーチのイメージで、再び発動する。どの方向にどんな魔力があるか調べて、方向指定マジックサーチを行う。これで魔力の正確な形を見ることが出来る

この2つを同時に発動して、相手の動きを読むことが出来る

『魔力の消費が大きい』

『魔力探知魔法完成したの?』

『出来たけど、詠唱だとぼんやりしていて役に立たない。無詠唱でイメージを変更して使うと、少しは良くなるけど大きさが解らない。そこで、指定した方向に絞って使うと、ある程度形は解るけど、魔力の消費が大きい』

リリシャは話を聞きながら、ため息をつく

『マルスは新しい魔法を作っているなんて・・・』

『新しい魔法?』

『魔力サーチはある程度見れる魔法です。それを改良するなんて、すでに新しい魔法です・・・』

『そうなの?新しい魔法か』

『魔力視を強化出来れば、もっと精密に出来るのにね』

『魔力視を遠距離にか、確かに出来ればだけど、魔力視は見える範囲の魔力しか見えない』

『もっと魔法を覚えないと難しいですね』


翌朝出発して、マルスはマジックサーチを発動し、周りの魔力を調べながら次の町に向かう

10日後、交易都市に明日着く距離まで着た。マルスは森のなかに魔力を探知して、人が倒れているのを見つける

『ちょっと止まって。森のなかに人が倒れている』

『わかった。ルメイル、馬車を頼む』

マルスが馬車を降りるとキリシアが続く、そして一人の少女が倒れているのを見つける

『生きているとは思うけど』

『意識がないね。怪我は、大きなのは無いようだけど』

『魔法使い?』

『取り敢えず馬車に運びましょう』

キリシアが少女を抱え歩き出し、マルスは落とし物が無いか確認する

『リリシャ、見てもらえる?』

『はい、わかりました』

馬車に運び込み、リリシャが回復魔法で治療する

『うっ・・・・・』

『大丈夫ですか?』

『ここは?』

『私たちの馬車の中です。森で倒れていたので助けました』

『ありがとうございます』

エミールが水を渡すと一気に飲み[グーー]お腹を鳴らす

『すいません。森で迷って何も食べてなかったので・・・・』

顔を真っ赤にしている。リリシャはパンを切り、サンドイッチを作り、差し出す。ゆっくり食べ始めたので、完食するのを待っていると

『ありがとうございます。私は交易都市にいる魔法使いに弟子入りするために向かっている最中です。助けていただいてありがとうございます』

少女は頭を下げている

『交易都市ですか?』

『はい、交易都市です』

『私たちも交易都市に向かっています。このまま一緒に行きますか?』

『本当ですか?ありがとうございます』

リリシャはキリシアとマルスを見て

『良いよ。1人増えても変わらないから』

キリシアが言う

『私はリリシャと言います』

『ミリア・シルトバスと言います。よろしくお願いします』

『シルトバス家の人ですか?』

『はい!しかし才能が無くて、遠くの魔法使いに弟子入りさせられました』

『シルトバス家って有名なの?』

『シルトバス家は魔法使いの有名な家で伯爵家です。ほとんどが宮廷魔術師になるほどの名家です』

マルスの問いにリリシャが答えると、ミリアはうつむく

『リリシャ様は交易都市に用事があって向かっているのですか?』

『ローブの生地探しでリベリアから来ました』

『リベリアからですか?迷宮の、あのリベリアからですか?』

『そうですよ』


翌日交易都市アーメルドに到着する

『魔法使いの家は何処か解りますか?』

『ちょっと聞いてきます』

ミリアは聞き込みしながら魔法使いの家に着く

『[コンコン]リーベル様いらっしゃいますか』

『どちら様でしょうか?』

『ミリア・シルトバスと申します。こちらが家から持ってきた手紙です』

『後ろの方は?』

『リベリアから来ましたリリシャと申します。道中ミリアが倒れていたのを見つけて、こちらまでお連れしました』

『どうぞ、お入りください』

中に入り、ミリアはリーベルに手紙を渡す


リーベル殿、ミリアがこの手紙を持って来たならば、弟子にするか、娼婦や奴隷にして売り飛ばしてほしい。才能の欠片すら無いミリアを、シルトバスの名を名乗らせることは一生させず、我が家とも関係ない事とします。


リーベルは顔色を変えながら読み終えると

『この手紙の内容、知っていますか?』

『弟子にしてもらえる様に書いてあると言っていました』

『内容が全く違いますね。読んでごらんなさい』

リーベルに手紙を渡され、ミリアは手紙を読むと、泣き出す

『うっうっ・・・・・』

ミリアの様子を見てリリシャは

『手紙の内容を見させてもらっても良いですか?』

『良いです。関わってしまった以上、知る権利はあります』

『ありがとうございます』

リリシャは読んで

『ひどい・・・娘を売るなんて・・・』

マルスも見て

『子供を捨てた・・・・』

リーベルは

『ミリア、私はあなたを弟子に出来ません。あなたに才能が無いとシルトバス家が言っているため、弟子にしても役に立つと思えませんので・・・・あなたはここに来なかった事にします』

『すい・・ま・・せ・・ん・・』

『まだ子供に何て事を』

『下手に弟子にしてもシルトバス家を敵に回します。そうなったら、私も納品するポーション等の買付をしてもらえなくなりますので・・・』

マルスは考え

『それでは、リリシャに売った事にすれば良いのでは?リリシャは魔法学院を卒業していますし、成績が悪くて冒険者になった人に売ったなら文句は言えないはずじゃあ?』

『それならば文句は言えないと思いますが・・・問題は、ミリアがシルトバス家の人間だと言いふらされる可能性があると言うことですね』

『ならば、直接両親に2度とシルトバスの名を名乗らないのと、シルトバス家もミリアに一切何も言わない。勿論、ミリアが宮廷魔術師になろうとも、一切シルトバス家とは関係ないと約束するって事でどうですか?』

『なるほど、そこまで約束すれば大丈夫ですね』

『フローネ先生にも相談した方が良いかな?』

リリシャが言うと

『フローネ先生?リベリアのフローネ殿の知り合いなのですか?』

『弟子では無いですが色々魔法を教えてもらっています』

『フローネ殿は元気ですか?』

『元気ですよ、お知り合いですか?』

『私の師匠になります。弟子はもう取らないと言っていたのですが、まさか先生とは・・・』

リーベルは嬉しそうに笑う

『理由は聞いていませんが、弟子は取らないと言っていました』

『理由は言わないですか…確かに言いたく無いですよね』

『先生は先生ですから』

『信頼していますね』

『先生が弟子を取らないので、先生の知り合いの孫を私の弟子にしていますから』

『もう弟子がいるのですか?』

『馬車で待っています』

『会ってみたいですね。師の知り合いと言うことは、私の知り合いかも知れませんから』

マルスはエミールを呼びにいく

『はじめまして、エミールと言います』

『エミール、はじめまして、祖母の名前は?』

『ルーセリアです』

『エリゼトス町の?』

『はい!そうですが・・・』

『ルーセリア様が亡くなっていたとは知りませんでした』

『祖母を知っているのですか?』

『昔、よくお会いしたことがあります』

リーベルは頷きながら

『私もシルトバス家に一緒に行きましょう』

『ルーセリア殿の孫娘を危険にさらしたくないですし、師匠の知り合いの困る姿は見たくないですからね』

『ミリア、あなたはリリシャの弟子で良いですか?冒険者になっても良いのならばね』

『私には、もう選ぶ道は無いです・・・娼婦や奴隷や孤児よりは良いです』

ミリアは元気無く言う

『師匠の弟子が嫌なんて贅沢です』

エミールが言うと

『だって・・・冒険者でしょ・・・魔法学院出ていても・・・』

『え?師匠は既にフローネ様以上の魔法使いで、付与魔法も天才です。それにマルス師匠もいますよ』

『え!!!フローネ様以上?』

リーベルは驚き、声をあげる

『リベリアの迷宮を、3人で20層まで行くパーティーですから』

『リベリアの迷宮の20層?まさか・・・ギルドカード見せてもらっても良いですか?』

リーベルはリリシャにいうとリリシャはギルドカードを出す

『シルバーのギルドカード!!!階層主討伐の証にゴブリンにヴァンパイア??』

リーベルは驚きミリアを見る

『凄いのですか?』

『間違いなく冒険者として超一流です・・・』

『エミール、馬車からランプを持ってきて』

エミールはランプを馬車から持ってくる

『懐かしいですね。魔法のランプですか?』

『リリシャの付与魔法で作成されています』

『付与魔法も本当みたいですね』

『凄いのでしょうか?』

『間違いなく凄いです。それにシルトバス家も邪魔出来ません。間違えて邪魔したら、中魔石がシルトバス家に渡らない様にしてしまうかも知れませんしね』

『え?』

『リベリアの中魔石は、1つのパーティーしか取ってこれないと噂がありますからね』

『え?えーーーー』

ミリアは驚きリリシャを見つめる

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― 新着の感想 ―
ナディアの時は祖父はって出て ミゼントとなってるから フローネの兄弟弟子は男も女もいるってなるから リーベルがフローネ師の知り合いって連想する場面で いきなり貴女の祖母は?って聞くのは違うかと…
[気になる点] エミールにいきなり祖母の名は? 幾ら知り合いでも祖父の方と知り合いかもしれない
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