ビレストの見学
『少しお腹が空きましたか?』
メトリシアが笑顔で聞く
『そうですね。昼も魔法学院で食べた方が良いと、お兄様が言ってましたが、何故でしょう』
ビレストが真剣に言う
『お祖父様も同じことを言ってました!』
クレオルが笑顔で言う
『先ほど、予約してありますので、いきましょう』
ミリアが笑顔で言う
『食堂ですか?』
ビレストが考えてから聞く
『はい! 美味しいですよ』
メトリシアが笑顔で言う
『予約制ですので、中々食べれない人が多いですわ! 学生の時に欲しかったですわ』
アリシアが笑顔で言うと、隣の食堂に向かう
『研究室の隣が食堂だったのですね』
ビレストが見て呟き、中に入る
『天井にライトも』
クレオルが天井を見て言う
『ここは・・・迎賓館ですか?』
ビレストが苦笑いして言う
『大賢者研究会の食堂ですわ!! マルス様が美味しい昼御飯食べたいから、作ってくれた食堂ですわ』
アリシアが笑顔で言い、カウンターに向かい料理を選び始める
『どうしたら?』
セレメトが困惑している
『クレオル、ここで食べたい料理を選んでくださいね! 後はリクエストが有ったら、出来るか聞いてくださいね』
メトリシアが優しく教え始め、料理の内容を説明し始める
『自分で運ぶなんて初めてですが・・・楽しいですね』
ビレストが笑顔で言う
『美味しそうです! このスープ、匂いも良いです』
クレオルが笑顔で言う
『はい! クレオルお兄様、このパンも凄く良い匂いがします』
セレメトが笑顔で言うと、食べはじめて、黙々と食べている
『宮廷料理よりも美味しいですね・・・人気が有るのも頷けます』
ビレストが笑顔で言うと、奥からエプロン姿のクレシアが出てきて、デザートを持ってくる
『どうぞ、試作中のケーキです』
クレシアが笑顔で置く
『え? 試作の・・・は!! ククククレシア!!何故ここに!!』
ビレストがクレシアの顔を見て叫ぶ
『趣味ですから! ここの厨房は使い易いですよ』
クレシアが微笑みながら言う
『は? しゅしゅしゅ趣味!!』
ビレストが慌てている
『クレシア御姉様は趣味で、ここの料理人は、クレシア御姉様の弟子ですわ!! 宮廷料理人の修行になってますわ』
アリシアが笑顔で言うと、ケーキをほおばっている
(次期王妃様ですよ!! こんなところで料理なんてして良いのですか!!)
『ビレストどうだ? 美味しかったか?』
後ろの席に座っている、前国王が笑顔で言う
『は!! 何故ここに!!』
ビレストが大声をあげる
『あ! お祖父様!』
クレオルとセレメトが声をあげる
『クレオルもセレメトも美味しかったか?』
『はい! 凄く美味しかったです! お祖父様』
クレオルとセレメトが笑顔で言う
『時々お忍びで、食べに来ような』
前国王が笑顔で言う
『ここまで軽く来るのですか?』
ビレストが呟く
『来たらダメなのか?』
前国王が笑顔で言う
『え! 何か有ったら大変な事に』
ビレストが苦笑いする
『並みの賊が、外の護衛を倒せるか?』
『は? ・・・そんなに強いのですか?』
ビレストが真剣に聞く
『騎士団長に一騎討ちで、全員勝っているぞ! キリシア殿が暇潰しで鍛えた、英雄騎士隊だからな!』
前国王が笑い出す
『凄いです!! どのぐらい強いか見てみたい』
クレオルが笑顔で言う
『マルス殿の屋敷で訓練を見学しよう』
前国王がクレオルとセレメトに言う
『ヒストリア様も凄かったです! 早すぎて腕が見えなかったです』
セレメトが笑顔で言う
『ヒストリアの訓練を見たのか?』
『はい!お祖父様! ウンディーネ号で見ました! レスリア様も凄かったです』
『レスリア? ゼオンの娘か・・・元気だったか?』
『はい! 優しかったです』
セレメトが笑顔で言うと、前国王が安心したように微笑んでいる
午後、マルス達は屋敷に帰る事にする
『マルス師匠、お帰りなさい・・・え! 前国王陛下!!』
ソリナが慌てて頭を下げる
『孫の付き添いの、じいさんと思ってくれ』
前国王が笑顔で言う
『え! 孫の付き添い? ・・・もしかして』
ソリナが青ざめて、ビレストを見る
(オテリオス王妃様が何故ここに!!)
『ソリナさん、訓練場に行くけど、カミラは?』
マルスが笑顔で言う
『カミラは、ケニスさんと訓練してます。』
ソリナが慌て気味に言うと、マルス達は歩いて訓練場に向かう
『これが訓練?』
ビレストは、英雄騎士隊とケニスの訓練を見て、青ざめている
『解ったか?』
前国王が笑顔で呟く
『1人で良いので、欲しい』
ビレストが真剣に呟く
『1人も騎士団長になりたがらない! 宮廷魔術師長も誰もなってくれなくて、困っていたからな! ハルドとアーセルには感謝している』
前国王が真剣に言う
『この国が変わったのは、全部リベリアの英雄のお陰ですか?』
ビレストが真剣に聞く
『その通りだ! 実際は、マルス殿のお陰だ! 居なかったら、何ヵ国滅んでいたか』
『そうですね・・・居なかったら、私も死んでいましたね』
ビレストが真剣に言うと、ケニスとカミラの訓練が始まり、高速の打ち合い、最後はカミラが壁まで弾き飛ばされる
『人間ですか?』
クレオルが呟く
『クレオル、ケニスは達人です。 カミラも世界で2番目に強い魔法剣士ですよ』
メトリシアが笑顔で言う
『世界で2番目!!』
クレオルが驚いて大声をあげる
『1番は、マルス師匠ですから』
メトリシアが笑顔で言う
『何故2番目と言い切れるのですか?』
『闘気と魔法を両方使いこなせるのは、マルス師匠とカミラさんだけです』
メトリシアが笑顔で言う
『凄いです!! どうしたら、騎士を育てられますか?』
クレオルが真剣に聞く
『闘気を学ばせるしか無いですよ』
メトリシアが微笑みながら、闘気の事を説明をしていると、ビレストが苦笑いしている
(簡単に教えることですか? 達人を簡単に育てるなんて不可能なのに)




