準備
明日から旅の準備を始める事にした
『ルメイルは荷馬を買ってきてほしいけど』
『わかりました』
『いくらぐらいだろう?』
『馬とテントと荷馬用の鞄等で、金貨20枚で十分足ります』
『わかった』
『出発の前日に引き渡して貰うようにしましょう』
『エミールは取り敢えず、魔道書の必要そうな所を写して置いてね』
『はい、師匠』
『迷宮に潜って資金を稼ぎましょうか?』
『明日は18層にしましょう』
みんな同意する
翌日、迷宮の18層まで最短距離で進み
パペットウッドの小部屋を焼き尽くしながら、すべて倒し続けて魔石を拾い集める
『リリシャまた制御能力と魔力が上がったね』
『毎日頑張っていますからね』
マルスの発言にリリシャは答えると
『2人とも凄く強くなっている』
『これで全部の部屋だっけ?』
『全部だね』
『少し少ないから、少し下の階層で稼ぐ?』
『20層に行ってみよ』
キリシアが言う
『わかった』
リリシャが答える
20層まで降りて小部屋にいるゴーレムを蹂躙していく。小部屋に入り、キリシアは槍で次々と一突きで倒していく。マルスも魔力視を使いながら確実に1匹ずつ倒していく
『2人とも絶好調だね』
キリシアとマルスは笑顔で頷く
次々と小部屋を潰していく
『魔石と鉱石大分集まったし、帰りましょうか?』
『そうだね、帰ろう』
リリシャの言葉にキリシアが答え、上に向かって歩きだす。そして無事に迷宮を出る
そしてギルドに向かう
『ヘザーネは今日はいるかな?』
『いると良いよね』
『ヘザーネ』
『キリシアさん、リリシャさん、マルス君、お帰りなさい』
『ヘザーネ、元気になったの?』
『はい、大丈夫です』
『ヘザーネ、買取お願い』
魔石の袋をカウンターに置く
順番に魔石を確認して数えていく、そして、手を止める
『19層?いやそれよりも大きい?もしかして20層?』
『20層だよ』
『わかりました。魔石と鉱石は、預かりになりますので、預り証を作成をします』
『わかった』
『18層の魔石は182個ですので、金貨364枚です。預かりになさいますか?』
『今回は金貨持って帰るね。いろいろ使いたいから』
『わかりました。準備しますね』
職員が金貨の袋を持ってくる
3袋と64枚の金貨を置く
『じゃあ、またね』
金貨をしまい、フローネの家に向かう
『フローネ先生いますか?』
『師匠、お帰りなさい』
『ただいま、エミール』
『先生、ただいま戻りました』
『旅費は稼げたのですね』
『はい、このぐらいは』
金貨の袋を置くとフローネとエミールは驚く
『え?何年旅をしたいのですか?あなた達の常識外れがここまでとは・・・』
『金貨をこんなに沢山持って旅をするの怖いです』
『ローブの材料を買う予定だし、少しだけ予備って思ったけど多い?』
『もしかして毎日迷宮に行ったらこのぐらいは稼ぐのですか?』
『ちょっと18層に行けばこのぐらいになります』
『18層が散歩気分とは、常識では無いですよ』
『10層で倒しまくるぐらいならまだ余裕あるけど、18層は無理です。』
エミールの言葉にフローネは驚く
『エミール?あなた10層で余裕あるのですか?』
『小部屋に範囲魔法を放てば倒せるので』
『エミールまで常識が薄れるなんて・・・エミール、あなたの魔法の威力を確認した方が良いですね』
『魔法の威力の確認?』
『あなたは気が付いていない間に威力が強くなっている可能性があります、岩場に行きましょう』
岩場に着いてエミールは魔法を放つ
『・・・・・アクアカッター』
『・・・・・ファイヤーストーム』
『・・・・・フリーズアロー』
『・・・・・アクアアロー』
『・・・・・ウイングカッター』
『・・・・・ファイヤーボール』
フローネは驚きながらリリシャを見る
『宮廷魔術師級にこんな短時間で育てるなんて・・・・あなた達はとんでもない人です』
『え?エミールの才能です』
リリシャは微笑みながら言うと
『師匠、ありがとうございます』
『エミール、あなたは魔法学院に行ったら、既に先生から教えて貰うことが無くなっていますよ』
『え?そうなのですか?』
『苦手だった炎系をあそこまで使いこなし、魔法を撃ってもまるで疲れた様子がありません。既にあなたは宮廷魔術師になれるレベルです』
『宮廷魔術師ですか?そんなことは無いと思いますが・・・ん?あ!攻撃魔法に回復魔法に付与魔法・・・完璧に使いこなしていました』
『エミール、気が付きましたか?』
『はい!いつの間にか魔法使いになっていました』
『魔法学院ではあなたは魔道書の写しをしながら魔法を覚える事に専念しなさいね。学校の代表で暴れまわらないように』
フローネの言葉にエミールは頷く
『師匠が凄いと、凄い速度で成長するのですね』
『あなたの師匠は常識の範囲外ですので、常識を保ちなさいね』
『先生、常識外なんて・・・・私、魔法学院の落ちこぼれですよ』
『落ちこぼれ?その実力で落ちこぼれと言ったら魔法研究院の意義が無かった事の証明です』
『私は苦手な事が出来なかっただけですが、いつの間にか得意になっているだけです。』
リリシャの言葉にフローネは呆れる
『リリシャ、あなたは既にこの国で2番目に実力ある魔法使いになっている事を自覚しなさい』
『2番目ですか?』
『1番はあなたの横にいますから・・・』
マルスをみんなが見て納得する
『少し旅をして常識を持ってほしいですね』
家に帰るとルメイルが待っていた
『ルメイル、待たせちゃった?』
『大丈夫です。闘気の鍛練していたので』
『後で剣の稽古もしましょう』
『はい!荷馬と念のため馬車も見てきました』
『ルメイル、ありがとう』
『師匠であれば馬車も必要ですので、当然です』
『明日は迷宮入る?』
『御一緒したいです』
『決定ね』
『エミールは魔道書の写しを進めていてね』
『はい!わかりました』
翌日迷宮の11層に最短距離で進む
『キャタピーの糸とバタフライの鱗粉に気を付けてね』
ルメイルはバタフライに突撃するが、鱗粉を受けてバタフライの前に動けなくなる
『これが麻痺・・・』
マルスのファイヤーアローで一撃で倒す
『パンシーリカバー』
リリシャがルメイルに魔法をかける
『ありがとうございます』
『キャタピーとバタフライは、剣士にとっては最悪の敵です』
『確かに戦いになりません』
『ここからはマルスとリリシャに任せて進みますよ』
『わかりました』
マルスとリリシャが殲滅しながら進み、11層を一周して12層に降りる
『ルメイル、闘気の状態はどう?』
『大丈夫です』
そして12層も殲滅しながら一周する
『帰ろうか?』
キリシアの言葉にみんな同意して迷宮の出口に向かう
ギルドに向かい、入る
『ヘザーネ、ただいま』
『キリシアさん、リリシャさん、マルス君、ルメイルさん、お帰りなさい』
『買取お願いね』
『わかりました』
魔石と糸を数え始める
『中魔石が365個と糸が132本ですね』
ヘザーネは掲示板に向かい、依頼書を何枚か持ってきた
『こちらの依頼にまわしませんか?』
『良いよ』
『わかりました。処理します』
『ヘザーネ、何時もありがとうね』
『中魔石の依頼は10個の依頼が5件と20個の依頼が2件になります。糸は20本の依頼が3件ですので、合わせて中魔石が90個と糸が60本です。代行費用が10件ですので、金貨2枚になりますが、よろしいですか?』
『よろしくお願いします』
『中魔石275個と糸が72本になりますので、金貨55枚です。糸はオークションに出品しますので、預り証にサインをお願いします』
サインをして金貨を受け取る
『何か買われるのですか?』
『ちょっと交易都市か王都まで、リリシャのローブを買いに行こうと思っています』
『少し旅に出るのですね』
『旅に出て、常識の勉強をしてきた方が良いと言われるしね』
『実力的に心配は要らなそうですし、良い旅になることを祈ります』
『ヘザーネ、出発前にまた来るね』