迷宮41層
41層に到着する
『大きくなった?』
キリシアが壁や天井を見て言う
『広くなりましたね』
リリシャが微笑みながら言うと、大きなワームが接近してくる。キリシアが闘気をまとい、槍を振り下ろし、大きなワームが両断され、黒い煙を出しながら、暴れ始める。キリシアは、槍で次々と斬り裂き、黒い霧になって消える
『しぶとい!! 楽しいかな?』
キリシアが笑顔で言う
『魔石も魔晶石も大きくなったね』
マルスが拾って言うと、3匹の大きなワームが接近してくる
『ファイヤーテンペスト』
リリシャが魔法を使うと、炎の玉が次々と当たり、大きなワームは黒い霧になって消える
『余裕ですね』
リリシャが微笑みながら言う
『限界も近いから、帰ろう』
マルスが真剣に言うと、魔石と魔晶石を拾い袋に入れる
33層に戻る
『マルス師匠、お帰りない』
メトリシアが笑顔で言う
『休憩したら、帰るよ』
キリシアが笑顔で言うと、座り込み、休み始める
『マルス師匠、この魔石大きいです』
ミリアが魔石を分けようとして、魔石を手に取り、マルスを見ている
『41層だよ』
『え!! 41層!! 凄いです』
ミリアが笑顔で言う
『手応えが有って、楽しかったよ』
キリシアが笑顔で言う
『一緒に行けるように、頑張ります!!』
ミリアが笑顔で言う
迷宮出口に向かっていると、8層に上がろうとすると、冒険者達が座り込んでいる
『どうしたの?』
キリシアが微笑みながら聞く
『え! こんなところに・・・何故?』
冒険者が驚きキリシアを見る
『怪我人がいるけど、無理したの?』
『いや! 8層に階層主が現れ、何とか逃げできた・・・』
冒険者は横たわり、苦しんでいる冒険者を涙目で見ている
『エミール回復してあげて、8層だと、大きなクリケトか・・・』
マルスが言う
『雑魚が面倒!!』
キリシアが笑顔で言うと、エミール達が次々と回復魔法を使い、怪我の治療をする
『ありがとうございます』
冒険者達が涙を流しながら、頭を下げ、詳細を聞いていく
『マルス、倒してから帰る?』
キリシアが苦笑いして聞く
『ヒストリア、ソリナ、カミラ、エレーヌで倒して貰おうか? 経験も必要だからね』
『マルス師匠、エレーヌが心配なので、一緒に行ってきます』
エミールが微笑みながら言うと、階段を上がっていく
ヒストリアは、クリケトを一刀両断して、次々と斬り始める
『凄い・・・マルス師匠みたい』
エレーヌが呟く
『雑魚相手なら、ヒストリア一人でも十分ですが、援護は必要です』
エミールが微笑みながら言うと、カミラが近付くクリケトを剣で斬り始め、ソリナが魔法で援護を始める
『ギィーーーーーー!!』
怪奇な奇声が聞こえると、大きなクリケトが現れる。ヒストリアは闘気をまとい、一気に接近して、剣を振り抜く。大きなクリケトは、素早くかわして、ヒストリアに突進するが、ヒストリアは、踏み込み、一気にかわしながら、大きなクリケトの足を斬り落とし、壁を蹴り、軌道を変えると、闘気を一気に剣に集めて、大きな闘気の剣に変化させ、振り下ろす。大きなクリケトは、真っ二つに両断され、黒い霧になって消える
クリケトを殲滅すると、魔石を拾い集める
『ヒストリアさん凄かったです』
ソリナが笑顔で言う
『ありがとうございます。まだまだ未熟ですが、次は一撃で倒せるように、精進します』
ヒストリアが真剣に言う
『ヒストリア、マルス師匠に誉めて貰いましょうね』
エミールが微笑みながら言う
『え! 誉めて貰えますか?』
ヒストリアが少し照れて呟く
『早く戻って報告しましょう』
エミールが微笑みながら言うと、魔石を拾い終え、マルス達の元に向かう
『マルス師匠、倒してきました』
ヒストリアが笑顔で言う
(誉めてくれるかな?)
『怪我はしなかったかな?』
『え? してません』
ヒストリアが慌てて言う
『ヒストリアさん凄かったです。大きなクリケトを一人で倒しました!』
ソリナが真剣に言うと、詳細に説明する
『凄い!! ヒストリア!帰ったら訓練するよ!! ルメイル、負けたら、どうなるか解ってる?』
キリシアが大声で言う
『え! 頑張ります』
ルメイルが苦笑いする
『怪我も、闘気に乱れも無くて良かった!』
マルスがヒストリアの闘気を見て言うと、ヒストリアが物欲しそうにマルスを見ている
『あ! マルス師匠、ヒストリアがおねだりしてます!』
メトリシアが笑顔で言う
『えーーーー! いえ!! そんなことは無いです!』
ヒストリアが、真っ赤になりながら叫ぶと、みんな笑い出す
『マルス師匠、誉めて欲しい、そうですよ』
エミールが笑顔で言う
『え!! そそそそそんな事は無いです!!』
ヒストリアが真っ赤になりながら、慌てている
『可愛い・・・ヒストリア!! 強くなって、嬉しいよ』
キリシアが笑顔で言う
『ありがとうございます!キリシア師匠!!』
ヒストリアが笑顔で言う
『ヒストリア、良くやったね! 怪我なく無事に帰ってきてくれて、ありがとう』
マルスが笑顔で言うと、ヒストリアの頭を撫でる
『・・・・マルス師匠・・・』
ヒストリアが真っ赤になりながら呟き、嬉しそうに笑みを浮かべている。メトリシアはヒストリアを見ている
(え! 羨ましい)
『帰るよ! 早く来ないと、置いていくぞ!』
キリシアが、階段で待っている冒険者に怒鳴り、冒険者達は慌てて、走ってくる。
迷宮出口に到着すると、門がしまっている
『開けてください!』
ルメイルが門を叩きながら叫ぶ
『モンスターは近くにいないか?』
『いません』
ルメイルが言うと、しばらくして門が少し開き、騎士が様子を見る
『え!! 英雄様!! 申し訳ありません』
騎士が慌てて叫び、門が開かれ始める
『騎士がいっぱいで何か有ったの?』
キリシアが聞く
『え! 階層主が現れたので、警戒中です!』
騎士が苦笑いして言うと、デストラと英雄騎士隊員がやってくる
『キリシア殿、状況を聞きたい』
『何?』
キリシアが面倒くさそうに言う
『8層で階層主が現れたと、報告が』
『もういない! 帰るよ』
キリシアが一言言うと、周囲の騎士達が苦笑いする
『いないか・・・もう?』
デストラが苦笑いすると、出てきた冒険者達を見る。騎士達は、冒険者から詳細を聞くと、戻ってくる
『デストラ様、間違いなく階層主がいたそうですが、呼ばれて帰りには、見なかったそうです』
騎士が真剣に言う
『キリシア殿が倒したのですか?』
デストラが苦笑いして聞く
『疲れたから、帰るよ!倒した本人に聞いて!!』
キリシアがつまらなそうに言うと、馬車を見付けて歩き始め、みんなついていく
『この場合、どうしたら?』
デストラが苦笑いする
『お帰りなさい!』
オルガーとイースが笑顔で言うと、ソリを馬車に乗せ始める
『マルス殿、誰が倒したのですか?』
『倒した本人に聞いて!!』
マルスが笑いながら言うと、メトリシアが笑い始める
『リリシャ殿?』
『倒した本人に聞いてください』
リリシャも笑いながら言う
『え? ルメイル殿!』
『え! えーと、倒した本人に聞いてください』
ルメイルが苦笑いして言う
『じゃあケニス殿?』
『倒した本人に聞いてくださいね』
ケニスが笑いながら言うと、みんな笑い始め、騎士達が苦笑いしている
(完全に遊ばれている?)
『誰が・・・階層主だぞ・・・』
デストラが呟きながら考えている
『じゃあいなかった事で良いね』
キリシアが笑顔で言う
『そんな・・・階層主討伐は、大変な名誉なことなのに・・・いらないのか』
デストラが呟き考え込んでいる。騎士が苦笑いしながら見ている
『キリシア殿・・・・?』
デストラが振り向くと、馬車がもう出発して遠くに見える
(あ! 帰った・・・どうしたら)




