村の出来事
『マルス師匠、どうしたのですか?』
マルスが空を見上げ立ち止まり、エミールが聞く
『煙・・・火事かな?』
マルスが見ている方角を、みんな見る
『村の方角です!! 何が起きた?』
ルキアのお兄さんが真剣に言う
『マルス様、向かいましょう!! 領民に何か有ったら、大変です!!』
ルキアが真剣に言うと、みんな頷き、馬車に魔物を乗せて、煙の方角に出発する
『助けてーーー!!』
村の方角から、子供達が逃げるように走ってくる
『道を空けろ!! 』
マルスが大声で怒鳴ると、子供達は慌てて道を空けると、馬車は、そのまま村に向かって突き進む
『マルス様! どうして助けないのですか!!』
『ルキア! 村に救援が必要と判断しただけ! もし時間勝負なら、停まっている時間も勿体無い!!』
『あ!! マルス様!』
ルキアが馬車の進む方向を真剣に見る
『グォーーーー!!』
魔物が暴れながら、人を食いちぎる
『キマイラ!!』
ルキアのお兄さんが青ざめて叫ぶと、マルスは馬車を飛び降りて走り出す。マルスがキマイラに接近すると、キマイラは噛み付きにくる
『ハイバリアフィールド』
マルスが魔法を使い、キマイラは顔面からバリアに当たり、血を流しふらつく。マルスは剣を抜き、闘気をまとい、剣を伸ばして移動しながら剣を振り抜き、キマイラの頭を斬り飛ばす。キマイラは、地面に横たわる
『凄い・・・あんな化け物を瞬殺なんて』
ルキアのお兄さんが呟き、メトリシア達が近付こうとする
『バリアフィールド』
エミールが魔法を使い、バリアを張り、みんなエミールを見る
『エミール先輩、どうして?』
ルキアが不思議そうに言う
『何かいます! マルス師匠も警戒してますよね?』
エミールが真剣に言うと、みんなマルスを見て、警戒を始める
『ふはははは!! まさか、こんなエサ場に、中々強い奴がいるとは!!』
キマイラに乗った男が笑いながら言う
『貴様、何者だ! 何故村を襲った!』
『エサを食べさせる為だな! この頃人を食らわせて無かったから、良い飯だ!』
男が笑みを浮かべて言う
『何故だ!! どうして人間を食べさせるなんて!』
『こいつらには、エサが必要なんだよ! それにもう少ししたら、たっぷり食べさせられるけどな!』
『グルルル』
キマイラが喉を鳴らしている
『全部倒すしか無いか・・・どこから来た?』
『あの世で後悔すると良い! こんな山奥の村なんか助けた事を!!』
男が笑いながら言うと、後ろから、大きなキマイラが3匹現れる
『どうして・・・こんな所にキマイラが・・・それになんで言うことを聞く?』
『グゼリオンス王国の秘術、従属魔の力、思い知るが良い!!あの世でリベリアの英雄とやらに怨み言を言え!!』
男が怒鳴ると、キマイラ達がマルスに接近する
『マルス師匠、もう良いですか?』
エミールが微笑みながら言う
『良いよ、逃がさないようにね』
マルスが言うと、エミールがバリアを解いて
『ファイヤーキャノン!!!』
ミリアとメトリシアとエミールが魔法を放ち、3匹のキマイラに命中して、大爆発と共にキマイラの胴体が粉々に吹き飛ぶ
『可愛いキマイラを!! 貴様ら!! 覚えてろ!!』
男が吹き飛んだキマイラを見て慌てて叫び、逃げようとする
『ハイウエイト』
マルスが魔法を使う。男が乗るキマイラが地面に倒れ込み、骨が砕ける音がすると、マルスはルキア達を見る
『・・・・ファイヤーボール!!!』
ルキアとハルドとアーセルが魔法を放ち、キマイラに当たり、爆発して、キマイラが動かなくなると、爆風により、男がマルスの近くに転がる
『聞きたいんだけど、どうしてこの国に来た?』
マルスが微笑みながら言う
『バカな・・・貴様ら何者だ!!』
『聞いてるのは、こっちだ!! 言え!!言いたくなければ、言わなくても良いけど、地獄巡りして貰うよ』
マルスが真剣に怒鳴る
『我が国の敵になり得る、リベリアの英雄達を殲滅するためだ!! 貴様らもすぐに魔物のエサだ!!死にたくなければ、命乞いしろ! 今なら命だけは助けてやる』
男がマルスを見て言う
『仲間はどこにいる? 』
『今頃アーメルドとリベリアは、皆殺しになっているだろう!! 我らがグゼリオンスの力、見るが良い!』
男が叫ぶ
『え! アーメルドを!!何故?』
ルキアが驚いて、叫ぶ
『魔導船を奪い、クライドルト王国の戦力を落とす為だ!!』
男がルキアの顔を見て笑う
『お仕置きだね。メトリシア、任せた』
マルスが真剣に言うと、メトリシアとミリアが魔法を使い始め、男が悲鳴をあげ始める
『リベリアは警備隊がいるけど、アーメルドが心配だな』
マルスが真剣に言う
『マルス師匠! すぐにアーメルドを助けに向かいましょう!! これは侵攻です!』
エミールが真剣に言う
『キリシア達に連絡するより、先に行動が必要かな? それより、仲間が近くに居ないか、調べないといけないかな?』
マルスが真剣に言う
『取り調べして、聞き出してきます』
エミールが微笑みながら言うと、男の方に歩いていく
『マルス師匠・・・目が笑ってないです・・・物凄く怒ってます』
エリカが、マルスの後ろに隠れるようにして、小声で言う
『任せて大丈夫だけど、言葉喋れるかな?』
マルスが苦笑いして言う
『エミール様のあの魔力・・・リリシャ様にそっくりです・・・凄すぎます』
ハルドが青ざめながら言う
『警戒出来てないから、警戒しないと・・・ルキア達は、村人達の手当を頼んだよ』
マルスが真剣に言う
『はい! マルス様!!』
ルキアが大声で言うと、リーネと村人を見付けて、怪我の手当を始める。ハルドとアーセルも回復魔法を使い始める
ルキアのお兄さんは、手紙を書いて動ける村人に預け、領主の館に使いに行って貰う




