クライソン子爵家とルキア
ベアーズ号が着陸すると、マルス達は荷物を持ってベアーズ号から降り始める。町から兵士達が走ってくるのが見える
『どのような御用件でしょうか?』
青年が慌てて言う
『御兄様、お久し振りです! 元気にしてましたか?』
ルキアが笑顔で言うと、兵士達が気が付き笑顔になる
『ルキア!! どうしてここに?』
『話すと長くなるので簡単に言うと、ハルドさんとアーセルさんの結婚式の肉を狩りに来ました』
ルキアが笑顔で言う
『狩りに? ルキア、大丈夫なのか? 魔法学院は?』
『レズオス先生に、数ヶ月狩りして来ても良いと、許可取りました』
ルキアが微笑みながら言う
『は? どうして? そんな許可が・・・』
ルキアのお兄さんが苦笑いしている
『宿屋は空いているのかな?』
マルスが微笑みながら聞く
『え? 宿屋? えーと、聞いてみないと・・・』
『御兄様! 屋敷の部屋を用意してください!! メトリシア様を宿屋なんかに泊めさせたらダメです』
ルキアが真剣に言う
『御父様にすぐに伝える』
兵士が急いで走っていく
領主の館に向かい、ルキアの両親に挨拶をする
『ルキア、帰ってくるなら、知らせて欲しい』
領主が真剣に言うと、母親は嬉しそうに微笑んでいる
『マルス様が、ベアーズ号に乗った後に領地に向かう事を聞いたので・・・すいません』
ルキアが真剣に言う
『ルキアの元気な顔が見られて嬉しい! ルキアの友達か?』
『紹介します。マルス様とメトリシア王女様とエミール先輩とエレーヌ先輩とミリアさんとエリカちゃんとリーネとハルドさんとアーセルさんとヒストリアさんです』
ルキアが1人ずつ名前を教えていく
『メトリシア王女様!! 御無礼お許しください』
領主が慌てて頭を下げると、母親とお兄さんが慌てて頭を下げる
『マルス師匠の弟子のメトリシアですから、畏まらないでください!』
メトリシアが笑顔で言うと、ルキアが詳細に説明を始める
『今年、宮廷魔術師になる先輩を連れてきてくれるなんて! ルキア、凄いな』
『勘違いしてますが、ルキアさんは、宮廷魔術師長就任を断っています。本当に凄いのは、ルキアさんです』
ハルドが真剣に言う
『え? きゅきゅきゅきゅっ宮廷魔術師長を断った!!』
領主が大声を挙げ、ルキアを見る
『アルと結婚しますので、断りました』
ルキアが笑顔で言う
『凄い・・・』
お兄さんが驚きながら呟く
『断って大丈夫なのか? 王家から文句言われないのか?』
領主が心配そうに言う
『大丈夫です! 国王陛下が残念そうに言ってましたから』
『本当に怒って無いのか?』
『大丈夫です! 沢山の人に断られて、やっとハルドとアーセルが就任してくれて、喜んでいます』
メトリシアが微笑みながら言う
『メトリシア様が言われるなら、安心か・・・』
『ルキアさんに文句は言いません!ルキアさんは、クライドルト王国名誉魔法使いの称号を持つ、立派な魔法使いです! 王家が後ろ楯です!!』
『え? 名誉魔法使いの称号!!』
領主が大声を挙げると、母親が呆然としている
『メトリシア様! 内緒にしてください!! 半人前の私なんかが、ついでで貰った称号です』
ルキアが真剣に言う
『何が有ったのか?』
お兄さんが苦笑いして聞く
『国家機密です』
ルキアが真剣に言う
『秘密にしてくださいね!隣国をスバイダーの大群から、救う為に王家が依頼して、出撃しただけです。多くのスバイダーの退治と、多くの騎士を治療した事に対しての褒美です。』
メトリシアが微笑みながら言う
『あの動乱の・・・ルキア、回復魔法が使えるのか?』
領主が驚いている
『はい、簡単です! みんな使えます』
『そんなに凄いのか・・・羨ましい・・・魔法学院で沢山学んで・・・凄いな』
お兄さんが真剣に言う
『御兄様、魔法学院の授業なんて、意味有りません! 間違いだらけです!! リリシャ様やマルス様やエミール先輩が凄いから、沢山教えて貰いました』
ルキアが笑顔で言う
『え? 間違いだらけ? ・・・・』
お兄さんが固まり呆然としている
『ルキア、余り一気に言ったら、ついてこれないよ』
マルスが真剣に言う
『あ!! そうですね』
ルキアが苦笑いしている
『何となく解ったが・・・ルキアはリベリアの英雄の生徒と言う事で良いのだな?』
領主が真剣に言う
『そう考えてください! リベリアの英雄とその弟子達の事は、国家機密になっています。絶対秘密にしてください!!』
メトリシアが真剣に言う
『解りました。死ぬまで秘密を守ることを約束します』
領主が真剣に言い、ルキアの母親と兄も約束する
翌朝、出発する
『どうして、御兄様も一緒に来るのですか?』
『ルキアの実力を見極める為だ! それに心配だから』
『マルス様、宜しいですか?』
ルキアがマルスを真剣に見て聞く
『足手まといかな?』
『お兄様、お帰りください』
ルキアが真剣に言う
『後ろから、ついていくだけで良いです!』
『お兄様!! 邪魔です!! 魔法も使えないのに』
ルキアが真剣に言うと、泣きそうな顔でルキアを見ている
『リーネ、ルキアのお兄さんを守ってあげて! 帰れって言っても、言うこと聞かないと思うからね』
マルスか真剣に言う
『マルス様!! 完全な足手まといです!! 荷物持ちにもなりません』
ルキアが真剣に言う
『ついてくるなら、指示は絶対に聞く事!! それにルキア達の実力も秘密にしてくださいね』
マルスが真剣に言う
『解りました!!』
ルキアのお兄さんが笑顔で言う
『マルス様、すいません! もしお兄様が守らなかったら、お仕置きするようにします』
ルキアが真剣に言うと、ルキアのお兄さんは苦笑いしている