19層
『明日も今日と同じにする?』
『ルメイルは宿屋で闘気鍛練で、私達は下層攻略しよ』
リリシャが言うとキリシアが答える
『ルメイルはそれで良いかな?』
『わかりました』
『エミールは今日の続きと入学試験勉強ね』
『はい、師匠』
翌日、3人で迷宮に向かう
迷宮に入り、最短距離で18層に向かい、19層に降りる
『気合い入れて行こう』
キリシアが言うとリリシャは頷く
19層に降り、周辺を探索してゴーレムに遭遇する
『ゴーレム』
キリシアは突撃して次々と切り刻むが、倒せない。マルスは魔力視でゴーレムを見ている
『やはり核がある!』
マルスは魔力視を使いながら、核を一刀両断すると、ゴーレムは黒い煙を出しながら崩れ、結晶を残す
『また核ね』
『そうだね。核の位置を覚える必要があるよね』
『核の位置を教えて』
ゴーレム3匹と遭遇して、マルスが魔力視を使いながら核を確実に斬り裂き、黒い煙を出しながら結晶と鉱石が残り、消える
『胸の辺りに核が有るんだね』
キリシアが言うとマルスが頷く
『この鉱石ボムのと少し違うね』
『ギレリムに見て貰おう』
次のゴーレム2匹相手に、キリシアは胸の辺りを一突きする
『もう少し下!』
リリシャが魔力視を使用してキリシアに指示する
もう一匹はマルスが一撃で倒す
『次々倒して進むよ』
キリシアも倒し方が解り、その後は一撃で倒していく
次々と倒しながら探索して19層を一周する
『そろそろ帰る?』
『そうだね』
迷宮を出て、ギルドに向かう
『ヘザーネがいないね』
ヘザーネがカウンターにいないので、別のカウンターに並ぶが、冒険者達は道を開けてくれる。そして、前の冒険者が買取の文句を言っているのが聞こえてくる
『20個で銀貨二枚だと?もうちょっとなんとかならないのか?』
『買取価格は決まっていますので、6層以下の魔石は1個銅貨10枚です。嫌ならば買い取らなくて良いです』
『20個集めるのも大変なんだから、どうにか・・・・』
『無理です。数百個集めてきても同じです』
『わかった・・・それで良い』
冒険者は硬貨を受け取って、こっちを見て道を空ける
『買い取りお願いね』
魔石の袋と鉱石袋を[ドサッ]置く
キリシアを見て、職員は慌てて周りの職員を呼ぶ
『ヘザーネさんは今日は休みですので・・・不手際が有ったらすいません』
職員は魔石の比較見本とランプを持ってくる
袋から魔石を出して固まる
『え?大きい・・・』
そして、他の職員も手に取り、比較見本と比較するが
『比較見本と合わない?あれおかしい?何故?』
『そんなことは無いと思うけど・・・・他の魔石も確認しよ』
『何故?合わない?』
冒険者達も異変に見つめている
『あのー、すいませんが、何層の魔石でしょうか?』
『19層ですよ』
『19層ですね・・・え?じゅっじゅっ19層!!!』
カウンター職員の声に他の職員も冒険者もフリーズする
『・・・・・・・・・・』
『大丈夫ですか?』
『すっすいません』
他の職員と相談を始め職員が奥に行く。バイルとゼタルが出てくる
『とうとう19層ですか』
バイルが呟き
『奥で話をしましょう』
バイルが応接室に案内し、ソファーに座ると、次々と魔石の袋と鉱石の袋を持ってくる
『また王都に送り買取価格を決めますので預からせてください』
『19層は鉱石まで残すのか?』
『ゴーレムだったからかな?』
『ゴーレムか・・・それをこんな沢山倒したのか?』
『19層を一周したからかな?マルスが倒しまくったからだね』
『キリシアもでしょ』
『19層を一周したのか?信じられん!初めての階層で殲滅したと言うことか?』
『したよ』
『ゼタル、何を言っても、この魔石の数を見ればその言葉が真実と解るだろう』
ゼタルをバイルがなだめる
『確かにそうだけど・・・・ゴーレムを軽く倒すなんて・・仕方ないか、常識で話は通じないからな』
ゼタルは笑いだす
『まさかヘザーネがいない時に来るとは思わなかった。職員達も対処しきれないとは・・・』
バイルも苦笑いする
『そろそろ失礼します』
バイルとゼタルが出ていく。残された職員が、魔石の数を数え
『魔石の数が214個です。こちらが預り証ですのでサインをお願いします』
『わかった』
キリシアがサインをする
『今日は不手際すいませんでした』
職員はそう言って席を立ち部屋を出ようとする
『鉱石は数えなくて良いの?』
キリシアが聞くと職員は止まる
『あ!すみません』
急いで鉱石も数え始める
『こちらの鉱石が126個です。預り証を作成しますのでお待ちください』
『こちらにサインをお願いします』
職員が紙を差し出してくる、キリシアは内容を確認してサインをする
『はい、これで良いかな?』
『はい、大丈夫です』
『またよろしく』
応接室を出て出口に向かう
ルメイルが掲示板を見ていた
『ルメイル、何か良い依頼有った?』
『師匠、討伐の依頼が少ないと思っていました』
『良い獲物いないよね』
『師匠達なら強力な魔物を倒せそうです』
鍛冶屋に向かい
『ギレリムいるかな?』
『何か用か?』
『この魔石と鉱石を見てほしい』
『大きい中魔石と、これは何だ?』
『19層のゴーレムからでた鉱石だよ』
『なるほどー調べればいいんだな』
ギレリムは鉱石を叩いたりしながら、鉱石を観察する。『ミスリルを含有していそうだな!魔力の通りが良ければ良い武器が出きるだろうな』
『何か作って』
『何作るか考えておく』
ギレリムは笑顔になる
『ルメイル、闘気を見せて』
『はい』
『乱れは治ったみたいだね』
『明日は迷宮に入る?』
『わかりました』