クリスとアーセル
ウイントレスとクレシアとフローネが、書庫を覗き、クリスがレティナとイリアとシーリスとリリアと一緒に本を読んでいる
『友達が出来たのか?』
ウイントレスが覗きながら呟く
『子供達はすぐに仲良くなりますからね』
フローネが微笑みながら言う
『リリアちゃんとシーリスちゃんとは、いつも仲良く勉強をしています。学び過ぎも困ります』
クレシアが真剣に言う
『学び過ぎ?』
『御父様、ここにいるのは、全員賢者ですよ! シーリスちゃんも魔法学院の講師よりも実力の有る、賢者です。』
『あ!! そうか・・・レティナちゃんとイリアちゃんは、王国魔法使いの称号持ちだったな』
ウイントレスが苦笑いする
『ナディアさんは、子供達の面倒見てくれますが、教えすぎる事が有ります。』
フローネが真剣に言う
『いつもレティナちゃんとイリアちゃんを教えているからか?』
『教えたら、完全に身に付ける実力者に教えるのは、楽しいですから』
フローネが笑顔で言うと、クレシアとウイントレスが苦笑いしている
『クリスまで賢者にしたら、まずいだろう・・・監視は必要だな・・・』
ウイントレスが真剣に言うと、フローネが笑い始める
『我が主、そろそろエスカフリーダムを探しに行かないか?』
シリウスが真剣に言う
『どうやって探すの?』
『え? どうやって・・・解らない・・・何が天才だ!! 見つけ方ぐらい教えておけ!!』
シリウスが不機嫌そうに言う
『一緒にいたなら、どこに隠したか、知っていないの?』
『え! それは、自分が封印されてから・・・』
シリウスが考え始める
『シリウスも役にたたないね』
マルスが苦笑いして言う
『しかし何故だ? エスカフリーダムを探す必要が有るのに、どこにいるか、解らないとは・・・』
『しらみ潰しに探すしか無いね』
マルスが考え始める
『どれだけ、時間がかかるか・・・』
シリウスが呟く
『マルス師匠、道具屋が来ました』
ミリアが呼びに来ると、マルスは外に向かう
『マルス様、ポーションの作成をお願いしたいのですが・・・』
道具屋が真剣に言うと、馬車の薬草を見せて貰う
『リリシャ次第かな?』
マルスが言い、ミリアがリリシャを呼びに行く。リリシャ達が笑顔でやってくる
『運びますよ』
リリシャが笑顔で言うと、リリシャが薬草を浮かして持っていき、みんなも次々と持っていく
『すぐに始めるみたいだから、早く出来るかな?』
マルスが、リリシャ達の背中を見ながら言う
『明日引き取りに来ます』
道具屋が笑顔で言う
『マルス! 薬草が足りないですよーー! この倍ぐらい欲しいと言っておいてください』
リリシャが笑顔で大声で言う
『あの程度だと、足りないみたいです。リリシャが来ていたら、作る人数が多いから、作れない人が出来てしまいます。』
マルスが苦笑いして言う
『倍ですか・・・凄いとしか言えません』
道具屋が苦笑いして言う
『リリシャだから仕方無いです。次はリリシャがいない時に持ってきてください』
『解りました。マルス様』
『マルス師匠! この薬引き取ってください』
メトリシアとミリアとエミールが、持ってくると、道具屋が鑑定して、笑顔になる
『上級薬ですね。是非引き取らせてください』
『このリストの薬草もお願いします。代金は、引き取った上級薬でお願いします。』
『畏まりました。集め次第お持ちします。』
道具屋が嬉しそうに言うと、帰っていく
『マルス師匠、暇です。リリシャ師匠とクレスタとエビリアとリシリアに占領されてしまいました。』
エミールが真剣に言う
『何しようか?』
『魔法学院にでも行きましょうか?』
エミールが真剣に言う
『ハルドとアーセルも気になるからね』
マルスが笑顔で言う
『マルス師匠、学生なの忘れてないですよね?』
メトリシアが微笑みながら言う
『今年は、ほとんど通ってなかったかな?』
『マルス師匠、忙しすぎます! 学生しながら、国を救いすぎです』
ミリアが笑顔で言うと、エミールとエレーヌが笑い始める
魔法学院に行くと、魔法練習場を覗く
『少しは、上達したようですね』
エミールが微笑みながら言う
『まだまだ、魔力制御にムラが有るから、もう少し頑張って欲しいね』
マルスが真剣に言う
『1年前と大違いです。魔法学院ぽいと思います』
エレーヌが微笑みながら言うと、生徒が聞いて、苦笑いしている
『エレーヌも1年の時、こんな感じだったよね』
『え? そうでした! エミール師匠とマルス師匠のお陰です。』
エレーヌが微笑みながら言うと、研究室に向かう
『あ!マルス様! あ!!』
アーセルが、サンドイッチを食べながらマルス達を見て、慌てて挨拶をすると、サンドイッチを机に落とす
『アーセル、慌てなくても、大丈夫だよ』
マルスが微笑みながら言う
『この研究室も、もう少しでお別れです。ここで学んだ事は、一生の宝です。』
アーセルが笑顔で思い出しながら言う
『いつでも遊びに来れば良いよね』
『はい、ハルドと必ず来ます』
アーセルが笑顔で言う
『結婚式はどうするの?』
『それは・・・実はまだ決められません。ハルドも少し慌てています。』
『呼ぶ人は、どのぐらいいるのかな?』
『親族が来ないので、魔法学院の友達しかいません・・・家の影響が無いと、こんなに知り合いがいないとは思いませんでした。』
アーセルが真剣に言う
『リーベル様に相談に行こうか?』
マルスが笑顔で言うと、研究室を出ていき、アーセル達が、慌ててついてくる
『マルス、なんの用ですか?』
リーベルが苦笑いして聞く
『ハルドとアーセルも、もう少しで卒業ですよね』
『そうですね・・・少し寂しいですね』
リーベルがアーセルを見て言う
『ハルドとアーセルが結婚をするのは、知っていますよね?』
『国王陛下から、聞きました。宮廷魔術師に就任する事が決定しているのも、聞きました。』
『その件ですが、大賢者研究会の食堂で、式の後の食事会をしたいのですが、良いですか? 魔法学院内なので、許可して貰えませんか?』
マルスが真剣に言うと、アーセルが驚いている
『すぐに、確認します。』
リーベルが笑顔で大声で事務長を呼び出して、説明する
『結論ですが、魔法学院内なので、許可は難しいですが、大賢者研究会の建物は、建てた人の許可が有れば、可能です。リーベル様が、許可したら、招待客も呼んで構わないと思います。』
事務長が真剣に言うと、アーセルを見てニッコリする
『マルス様、ありがとうございます! ハルドにすぐに相談します』
アーセルが満面の笑顔で言う
(本当に嬉しい!! 出会いと共に過ごした場所で式を挙げれるなんて!!)
ハルドに伝えに向かい、アーセルが嬉しそうに言うと、ハルドも笑顔で嬉しそうに全員にお礼を言う




