ウルストとイーレシア
『ウルスト様とイーレシア様は、今日は時間有るのですか?』
マルスが微笑みながら聞く
『はい、何か有れば、屋敷には使いを出します』
イーレシアが真剣に言う
『料理作りますね』
クレシアが笑顔で言うと、厨房に向かう
『メインの肉、買いに行ってきます』
クリエスが笑顔で言うと、出掛けて行く
『カミラ、護衛を任せるね』
マルスがカミラに言うと、カミラがついて出掛ける
『イーレシア様、女同士少し話しませんか?』
メトリシアが笑顔で言うと、応接室に向かい、ミリアとエミールが一緒に入っていく
『もしかして・・・ミリアちゃん?』
イーレシアが驚きながら言う
『ごめんなさい! ここにいる事は内緒にしてください!』
ミリアが頭を下げ、イーレシアは驚き、エミールが説明を始める
『そうだったのですね・・・はじめまして、イーレシアよ』
イーレシアが微笑みながら言う
『ミリアです。才能も何も無いですが、よろしくお願いします』
ミリアが頭を下げて言う
『この屋敷に他にも貴族はいるのですか?』
イーレシアが苦笑いして言う
『エリカちゃんとリーネちゃんも貴族出身です。不治の病で追放されています。他は、国家機密なので、内緒です』
メトリシアが微笑みながら言う
『今後は、知り合いで有っても、知らない振りをして、自己紹介するように気を付けます』
イーレシアが理解して、微笑みながら言うと、メトリシアとエミールとミリアで楽しそうに話し始める
『イーレシア様、食事の準備が終わりました。こちらへどうぞ』
サーリンが緊張しながら伝え、案内する
『凄い・・・王宮の食事会より凄い』
イーレシアが驚いて、ランプや並ぶ食事を見ている
『はじめまして、イーレシア様、ヒリアです。妹のメリアとリリアです』
『レズオスと申します。今は魔法学院で臨時講師をしております』
レズオスとヒリア達が挨拶する
『イーレシア・メリトリアノスです。魔法学院の講師様もこちらに住んでいるのですか?』
イーレシアも微笑みながら言う
『マルスと母親に押し付けられました。仕方ないので、当面は講師を続けます。』
レズオスが苦笑いして、マルスを見る
『講師が出来るなら、いつか、リベリアのお抱え魔法使いになられるのですか?』
イーレシアが微笑みながら聞く
『え? リベリアからは追放されていましたので、無理だと思います。ウイントレスが許してくれてますが、妻もいますので、更に難しいです。』
レズオスが考えて答える
『え? 何故? 秘密ですか?』
『昔魔法研究院と喧嘩して、居れなくなっただけです。』
レズオスが苦笑いして言うと、イーレシアが苦笑いする
(優秀だったのですね)
『イーレシア様、魔道具の数々、驚きますよね』
ヒリアが微笑みながら言う
『実は緊張しております。ウルストが凄い屋敷だから楽しみにしていた方が良いと、言ってましたが、王宮で見た魔道具が集まっているなんて、思ってなかったです』
イーレシアが真剣に言う
『当たり前ですわ!王宮で使われている物より良いものが、ここに揃っていますわ!! マルス様が思い付いたら、魔道具にしてくれますわ』
アリシアが上機嫌で言う
『アリシア様、マルス様は本当に素晴らしい人なのですね』
『そうですわ!!』
『はい、マルス様は凄い人です。私も尊敬してます』
レセナが微笑みながら言う
『行く宛の無い、私達を養って貰っています。覚悟は有りましたが、マルス様は本当に優しい人です』
メリアが真剣に言う
『何故綺麗な女性ばかり集まっているのですか?』
イーレシアが真剣に聞く
『マルス師匠が何も考えないで、人を預かるからです!』
メトリシアが真剣に言う
『メトリシア様、それは私の事ですか?』
レセナが微笑みながら言う
『ヘルトお兄様も迎賓館が足らないから、レセナ姫様をマルス師匠に預けるなんて、おかしいですよね?』
メトリシアがイーレシアに言う
『1国の王女様を重臣でもない家に預けるなんて、普通は無いですが、メトリシア様がこちらにいるからですか?』
『メトリシアとレセナの仲が良いからですわ』
アリシアが笑顔で言う
『一緒に風呂にも入りますけど』
メトリシアが呟くと、レセナが笑っている
『アリシア様は、何故こちらに?』
『魔法学院に通うのが楽だからですわ』
アリシアが笑顔で言う
『それで騎士が常駐しているのですね』
イーレシアが真剣に言う
『あれは、英雄殿を襲って、怒らせない為ですわ!』
『怒らせたら、1国を滅ぼします』
『え? 滅ぼす?』
『あ!! 国家機密です!! すいません』
メトリシアが苦笑いする
『国家機密ですか・・・』
イーレシアが苦笑いする
(この頃色々有るのは、英雄様のせい?)
『イーレシアさん、リベリアに嫁ぐなら、国家機密を沢山知ることになります。リベリア英雄様が出掛けたら、国家機密が増えると思ってください』
クレシアが真剣に言う
『え?出掛けたら国家機密が?』
『ちょっと旅行気分で東の子爵家に行ったら、隣国の窮地に遭遇して、救って帰ってくるぐらい、当たり前です』
『初めて国外まで行きましたわ!』
アリシアが嬉しそうに言う
『魔物に追われながら、必死に国境を目指していましたが、空から物凄い魔法で助けてくれました。命の恩人です』
レセナが笑顔で言う
『それで仲良しなのですね、だからこちらに居られるのですね?』
『この屋敷にいれば、自由で好きなことをさせて貰えます。』
レセナが嬉しそうに言う
『そうですわ!王宮なんて帰りませんわ』
『アリシア様、本当に宜しいのですか?』
イーレシアが苦笑いする
『帰ってきて欲しかったら、この屋敷に有る魔道具を王城に設置してから言ってくださいですわ』
アリシアが笑顔で言う
『御姉様!離宮に全部設置しました』
メトリシアが真剣に言う
『え! あーーーーー! 設置されてしまいましたわ!どうしましょう?』
アリシアが不安そうに言うと、みんな笑い出す
ヘルトとウルストが女性陣の笑顔を見ながら食事をしている
『ウルスト、あの輪に入って話せるか?』
ヘルトが真剣に聞く
『無理です。恐れ多いです。王女様が3人とリベリア英雄の弟子達の話しに割り込めません』
ウルストが真剣に言う
『イーレシアがリベリアの英雄と仲良くしてくれないと、ウルスト、大変だぞ』
『それは・・・その通りです。』
『あとマルス殿を怒らせるなよ! いや変なことをさせるなよ!マルス殿よりも周りの女性陣が怖いからな』
ヘルトが真剣に言う
『怖いです・・・御父様から聞いています。リベリアの翼で王都に来ようとしても、簡単に断られると聞いています』
ウルストが真剣に言い、苦笑いしている
『そのぐらい、日常だ!クレシアが仲良くしてくれているから、文句は自分に直接言われないが、その気なら完膚なきまで、言われるからな・・・騎士団長など、使い走りだからな』
ヘルトが真剣に言うと、ウルストが少し青ざめている




