迷宮鍛練
翌日、迷宮に向かうと、27層に最短距離で向かう
『早い物勝ちです。』
メトリシアが笑顔で言う
『メトリシア、負けません』
『負けませんよ』
エミールが微笑みながら言う
『リリシャ師匠がいないから、絶対に負けません』
メトリシアが笑顔で言うと、気配に魔法を放ち始める
『暇ですね』
ケニスが微笑みながら言う
『見えたら、もう魔法が命中しているからね』
『いつも通りですが、完全に魔法の的ですね』
ケニスがマルスに言い、マルスが周囲を見ながら、魔石と魔晶石を拾っている
『マルス師匠遅いです。早く次行きますよ』
メトリシアが大声で言う
『急がなくても、モンスターは逃げないよ』
『久しぶりの迷宮なので、沢山倒します』
ミリアが真剣に言うと、エミールが微笑んでいる
『28層は、小部屋ごとに殲滅して進むよ』
マルスが言うと、階段を降りて28層に向かう
小部屋ごとに交代で魔法を放ち進み、大部屋まで到着する
『残念です。デカイのいません』
メトリシアが大部屋を覗き残念そうに言う
『セイントファイヤーストーム!!!』
メトリシアとミリアとエミールが魔法を放つと、大きなクリケトを白い炎が焼き払い、黒い霧になって消えていく
『今日初めて大きなクリケトを見ました』
ケニスが微笑みながら言う
『え? あ! 姿確認する前に、魔法当たっていました』
ミリアが笑顔で言う
『魔法放つの早くなったからね』
マルスが炎を見ながら言う
『はい!マルス師匠!! 早く放たないとメトリシアに負けてしまいます』
『ミリア、負けません!!』
メトリシアがミリアを後ろから抱き付いて言う
『炎が晴れますよ。メトリシア、ミリア、油断しないでください』
エミールが微笑みながら言う
『エミール御姉様、すいません』
ミリアが苦笑いしながら言うと、ケニスが微笑んでいる
『魔石と魔晶石集めるよ』
マルスが黒い霧が晴れて、魔石と魔晶石が転がっているのを見てから言うと、みんな警戒しながら拾い集める
『29層に行きますか?』
エミールが微笑みながら言う
『魔力に余裕が有るから行くけど、ケニスと自分にも倒させてね』
マルスが笑顔で言う
『マルス師匠は1匹も倒してないです』
『マルス師匠、頑張ってください』
メトリシアが笑顔で言う
29層に到着すると、ケニスが大きなラットに遭遇する。闘気をまとい、接近して剣を振り、両断すると黒い霧になって消える
『余裕が有ります』
ケニスが微笑みながら言う
『ケニス、倒して進むよ』
マルスが笑顔で言うと、大きなラットを見付けて接近して、十字に斬ると黒い霧になって消える
『マルス師匠、本気ですか?』
メトリシアが笑顔で言う
『修行だから、魔力と闘気、両方使っているよ』
『マルス師匠、もしかして、この間の魔物強かったからですか?』
エミールが真剣に聞く
『そうだよ! この頃本気出してなかったから、本気で戦える時に、慣れとくよ』
マルスが笑顔で言うと、ケニスとマルスが次々と倒して進み一周する
『次は30層です』
メトリシアが笑顔で言う
『小部屋ごとに焼き払おう』
マルスが笑顔で言うと、30層で小部屋ごとに大きなラットを焼き払いながら進み、大部屋まで到着する
『あ!! マルス師匠!います。3つ角が有るデカイ奴です』
メトリシアが覗いて言うとみんな見る
『え?気が付かれました』
大きなラット達が走って接近してくる
『ファイヤーテンペスト』
マルスが魔法を放つと、炎の玉が次々と大きなラットに当たり、黒い霧に変わり始める
『バリアフィールド』
ミリアが魔法を使いバリアを張ると、大きな3本の角が有るラットがバリアに当たる
『キャーーーーー』
ミリアがバリアに伝わる衝撃に悲鳴をあげる
『バリアフィールド!!』
エミールとメトリシアが同時にバリアを張ると、大きな3本の角が有るラットが、何度も突撃してバリアに当たる
『急だったから、倒せなかったか』
マルスが苦笑いする。マルスは剣を構えて闘気をまとい、準備をして大きなラットが離れるのを待ち、飛び出して大きなラットに接近し、闘気で作った大きな剣を振り抜き、大きな3本の角のラットを一刀両断して黒い霧に変える
『マルス師匠、凄い斬撃です』
メトリシアが笑顔で言う
『闘気だけでしたか?』
ケニスが真剣に聞く
『闘気と魔力を両方だよ』
マルスが微笑みながら言う
『やっぱり凄いです。マルス師匠』
エミールが微笑みながら言う
『鍛練したいからね』
マルスが笑顔で言う
『マルス師匠が鍛練の鬼になりました』
ミリアが笑顔で言うと、みんな微笑んでいる
『まだまだ強くなるよ! みんながいてくれるから、少し無理しても大丈夫だからね』
マルスが笑顔で言うと、みんなで魔石と魔晶石を拾い集める
『ケニスの闘気がギリギリだから帰るよ』
マルスが微笑みながら言う
『はい!マルス師匠! 階層主だから仕方無いです』
エミールが笑顔で言うと、迷宮出口に向かって歩き出す
迷宮を出ると、オルガーとイースがマルス達を見付けて走ってくる
『おい!! ガキの遊びに来る所じゃねーぞーー!』
冒険者がオルガーにぶつかって、怒鳴る
『マルス師匠、あれって面倒ごとですか?』
エミールが苦笑いして言う
『ちょっと遊んであげるかな?』
マルスが微笑みながら言うと、みんなで歩いていく
冒険者がナイフを抜いて、イースに後ろから突きつける
『小僧大人しくしろ! ガキがこんな所に来たのが悪いと知りな!!』
男がオルガーに怒鳴ると、オルガーはイースを見てどうしたら良いか考えている
『イース・・・』
オルガーが呟くと、隙を伺っている
『どうしたのかな?』
マルスが笑顔で男に聞く
『なんだーこぞ・・・・ひぃーーー化物!!』
男がマルスを見て叫ぶ
『イースにナイフ向けているよね?地獄巡り決定だね』
マルスが笑顔で言う
『ひぃーーーーー!! 失礼しました』
男が慌てて叫ぶと走って逃げようとすると、オルガーが接近して顔面を殴り飛ばす
『オルガー、お仕置きしておいてね』
マルスが微笑みながら言うと、仲間の男達を見る
『ぎゃーーー!!』
イースが隙をついて、腕を掴み、地面に叩き付けてから腕をへし折り、男は悲鳴をあげる
『化物!!』
仲間の男達が逃げ出そうと走り出すと、マルスは後ろから飛び蹴りで倒し、もう1人を殴り飛ばす
『何をしている!!』
騎士が走ってくると、マルス達を見て苦笑いを始める
『オルガーとイースに喧嘩売ったみたいだね』
マルスが微笑みながら言う
『仕事増やすな!! 詰所でゆっくり余罪を吐いて貰うぞ!!! 覚悟しろ!!』
騎士が男に怒鳴ると、拘束を始め、マルスが殴り飛ばした男が逃げ出す。英雄騎士隊隊員が回り込む
『逃げられない!! 覚悟して貰おうか?』
『くそーー!!』
男は短剣を抜き、英雄騎士隊員に向ける。英雄騎士隊員は、殴り、腕を掴み、腕に膝打ちをしてへし折り、オルガーの後ろに、投げ飛ばす
『次は誰が逃げる?』
マルスが微笑みながら言うと、男達は、大人しく騎士に拘束されて、引き摺られて連行されていく
『オルガー、周囲を見て警戒は忘れないようにね』
マルスが微笑みながら言う
『はい!マルス師匠』
オルガーが頭を下げる
『イースも遊びすぎないようにね』
『はい、マルス様、申し訳有りませんでした』
イースが苦笑いして言うと、ソリを馬車に乗せて屋敷に帰る事にする