日常と講師
『マルス様、楽しそうですが、何をしてきたのですか?』
ルキアが真剣に聞く
『魔法薬作成の講師の間違いを指摘してきただけです』
メトリシアが笑顔で答える
『さんざん偉ぶっていた講師に、卒業生からのダメ出しだから、効くよね』
マルスが笑いながら言う
『あ!! そうです! でも、変わるのですか?』
ルキアが笑顔で言う
『魔法薬の講師などいなくても、基礎が出来ているから、基本通り作れば、出来るよね? ルキアも作るの好きだよね』
『はい! マルス様! あ!!講師不要でした』
ルキアが笑顔で言う
『このクラスの手本は、ルキアとリーネだから、心配は無いよね』
『はい!マルス様、頑張ります』
ルキアが笑い出す
『マルス様、行きますよ』
アリシアが笑顔で言うと、カミラとソリナが笑いながら教室を出ていく
『どこの教室?』
『2年の1クラスが回復魔法の講義中ですわ』
アリシアが笑顔で言うと、教室を出ていく
教室を覗くと、講師が怒鳴りながら、偉そうな事を言っている
『いつもこんな感じですか?』
リーベルが苦笑いしている
『そうです。教えられると思いますか?』
『生徒の前でこんなに威圧的なんて・・・』
リーベルが苦笑いしている。マルス達が教室に入り、講義の内容を聞き始め、生徒達が気になりマルス達を見ている
『何しに来た!! 講義中だ!!』
講師が怒鳴る
『正確な講義が出来ているか、確認に来ました』
メトリシアが微笑みながら言う
『は? 正確な講義が出来ているかだと!!』
講師が怒鳴ると、生徒達が苦笑いしてマルスを見る
『回復魔法を教えられない講義なのかどうかですけど』
メトリシアが微笑みながら言う
『回復魔法は重要だからな!! 沢山の回復魔法使いを輩出してきたからな!!』
講師が笑いながら講義を続ける
『講師さん回復魔法使えますよね?』
マルスが笑顔で聞く
『勿論だ!! ・・・・・・ヒール』
講師が魔法を使う
『生徒達は使えるかな?』
マルスが笑顔で聞くと、3人手を上げる
『成功はしましたが、まだまだ維持が出来ません』
3人とも真剣に言う
『そうだろう! だから講義が必要だ!!』
講師が笑いながら言う
『出来ない人で・・・君とその横の人、簡単な回復魔法を教えるからこっちに来て』
マルスが笑顔で言うと、生徒達がマルスを見ている
『は? 簡単な回復魔法だと!! ふざけるな!!』
『ヒールなんて基本が出来たら簡単です』
ソリナが笑顔で言う
『卒業まで、こんな講義で時間を潰されたました。しかし、1日足らずでヒールなんて使えるようになりました』
カミラが笑顔で言うと、ヒールを使う
『才能も無いのに!! 何故だ!!』
講師がどなる
『マルス様、お久しぶりです。』
男生徒が笑顔で言う
『マルス様、お久しぶりです』
女生徒が嬉しそうに言う
『簡単に教えるから、まずは魔力制御をしてみて』
マルスが笑顔で言うと、2人とも魔力制御を見せる
『魔力を指差す所に集めてね』
マルスが指差しながら、魔力を集めて貰う
『魔力制御していたのかな?』
『はい! ルキアさんが必要と言っていたので、毎日していました』
2人とも笑顔で言う
『ヒールを詠唱してみて』
マルスが笑顔で言うと、2人とも一生懸命詠唱をする
『詠唱をしている間、どんな事を考えているかな?』
『え!! 詠唱を間違わないように気を付けています』
2人が真剣に答える
『ヒールはどんな魔法だったかな?』
マルスが笑顔で聞くと、2人とも一生懸命説明する
『魔法の効果を意識して、詠唱してね』
マルスが笑顔で言うと、2人とも詠唱を始める
『魔力制御を使いながら、詠唱に魔力をのせて』
マルスが微笑みながら言うと、2人とも詠唱を続けながら、マルスが指導をしている
『・・・・・ヒール』
2人とも魔法を使うと、ヒールの淡い輝きが発生する
『は!! 出来ただと!! 何故だ!!』
講師が青ざめて言う
『基礎が出来ていたら、簡単な魔法です。2人は繰り返し練習をしてね』
マルスが笑顔で言う
『ありがとうございます。マルス様』
2人が笑顔で言うと、席に戻り魔法の練習をしているのを、生徒達が見てザワザワしている
『講師さん、早くみんなに回復魔法を教えて、使えるようにして上げてね』
マルスが笑顔で言う
『は? どうして簡単に!!』
講師が青ざめて言う
『ソリナさん回復魔法の手本を見せてあげてね』
マルスが笑顔で言う
『・・・・ヒールフィールド』
教室全体に回復魔法の光が輝き出す
『回復魔法使えなかったはず・・・才能もなかったはず!! どうしてだ!』
講師が青ざめてソリナを見る
『基本と基礎を勉強し直したからです。魔法1つ教えられない、魔法学院に通っていたなんて、後悔しました』
ソリナが微笑みながら言う
『基礎を・・・理論が解らない・・・・』
講師が青ざめて叫ぶ
『理論なんて必要無いです! 基本が出来れば、簡単な事です。 ヒールなんて誰でも使える魔法ですから!! 才能なんて関係ないです』
カミラが笑顔で言う
『うそだ!! 才能と理論が出来ないと、魔法は使えない!!』
『マルス様のクラスは才能の無い人が、集まっていた筈ですよね』
メトリシアが笑顔で言う
『え! そそそそそそれは!!』
講師が叫ぶと、リーベルを見る
『才能を伸ばして、開化させるのが、魔法学院でなくてはならない筈ですよね? 才能を潰して、偉ぶる講師は必要無いですわ!!』
アリシアが講師に言う
『それは・・・才能があれば伸びる!!』
講師が叫ぶ
『カミラさんもソリナさんも才能が無かったはずでは? 何か言い訳は?』
マルスが笑顔で言うと、生徒達が講師を睨む
『え! 才能が・・・才能が見抜けなかった・・・だけだ!!』
講師が叫ぶ
『基本や基礎が解らないと言えば良かったのに・・・このクラスで才能が無い人は誰ですか?』
『え!! そそそそそれは・・・・』
講師が黙り込む
『言いなさい!! ハッキリと!』
リーベルが真剣に言う
『リーベル師!! それは・・・才能無いのは・・・回復魔法を使えない人だ!!』
講師が叫ぶ
『そうしたら、マルスが教えたら、全員使えますよ! 才能が無ければ、魔法学院に入学出来ない筈です!! いい加減な事を言わないでください!!』
リーベルが睨みながら言う
『え!! そそそ・・・それは』
『才能が無いのは、教え方の解らない、あなたです!! しっかり学んで出直しなさい!! こんな理論なんて、後付けです!!』
リーベルが講師の持っていた、教本を見てから言う
『え!・・・・どうしたら・・・・』
講師が泣き崩れる。生徒達は苦笑いしながら講師を見ている
『リーベル様も過激になった?』
マルスが呟く
『リーベルも相当イラついています。リーベルの得意分野ですから』
レズオスが苦笑いする
『アーメルドの回復魔法とポーション作りは、1番でした』
ミリアが笑顔で言う
『あ!! そうだったね、来年からは、ルキアがなるけど』
『そうですね』
メトリシアが微笑みながら言う
『あ!!カミラさん、気が済みましたか?』
マルスが笑顔で聞く
『そうですね。無能講師の理論なんてどうでも良いですからね! 怒鳴るだけで、出来ない人を才能が無いなんて言う人が1番才能が無いと、解らせましたから!!』
カミラが笑顔で言うと、生徒達がカミラを見て苦笑いする
『それは良かったね』
マルスが笑顔で言うと、みんな笑い始める
『え? ちょっと待ってください!! この状況、私が仕組んだみたいになってませんか? ソリナ!!』
カミラがソリナを見て言う
『カミラの気が済んで良かったですわ』
ソリナが笑顔で言う
『え!!』
『卒業生としての助言ありがとうございます。』
リーベルが笑顔で頭を下げると、講師が呆然とカミラを見る
『え! これって』
『カミラ、良かったですわ!! 嫌みでムカつく講師を無能と解らせたのは、本当に良かったですわ!!御父様にも報告しておきますわ』
アリシアが笑顔で言う
『アリシア様まで!! 全部無能な講師が悪い!! お仕置きしたくなります!!』
カミラが大声で言うと、生徒達が笑い始める
(これってマルス様達が仕組んで、卒業生に言わせたのかな? 若くて凄い卒業生もいるなんて、思わなかった!! エミール先輩とエレーヌ先輩も見てる)