レトリアル・クレトリア王国に寄り道
ウンディーネ号に交易品を乗せ終わると、レトリアル・クレトリアに向けて出発する
『マルス様、海竜の鱗から生地が完成したら、届けて貰えるように頼んでおきました』
メーレシアが笑顔で海を見ながら言う
『メーレシア様、本当にクライドルトまで来られるのですか?』
『はい、公国の存亡に関わります。クライドルト王国への従属が、公国の命運を握ります』
『何故、そんなに従属が良いのですか?』
『マルス様、レトリアル・クレトリア王国とガベラス王国がウルシナ公国の隣国です。2ヶ国共にクライドルト王国の友好国です。もし侵略された時、止められるのは、クライドルト王国だと思います。』
メーレシアが真剣に言う
『みんな仲良くすれば良いのに』
マルスが呟く
『マルス様が王様なら、みんな仲良くなりそうです』
メーレシアが微笑みながら言う
『え?面倒だから無いかな?』
マルスが苦笑いすると、メーレシアが笑い始める
レトリアル・クレトリア王国の王都が見えてくる
『マルス師匠、飛空艇で向かいますか?』
『メトリシア、そうだね。みんなで行こう』
マルスが笑顔で言うと、リリシャとキリシアが微笑んでいる
シルフィード号に乗り込み王城に向かい、騎士の案内で着陸する
『女王陛下が待っています』
騎士が笑顔で言い、案内してくれる
『英雄殿、ウルシナ公国は、どうなりましたか?』
サメリアが真剣に聞く
『ウルシナ生地や水蜘蛛の生地を交易で取得しました。』
メトリシアが笑顔で言う
『魔物は?』
『魔物は殲滅しました。ついでに海竜を助けて、海竜の領域を設定しました』
メトリシアが笑顔で言う
『殲滅ですか・・・え?かかかっ海竜の領域を設定ーーーー!!』
サメリアが驚いて叫ぶ
『マルス師匠がリヴァイアサンと友達になったので、ウルシナ公国に近付かない様に伝えただけです』
メトリシアが微笑みながら言うと、サメリアが苦笑いしてフローネを見る
『本当です。マルスの友達ですので、もしマルスの敵になるなら、リヴァイアサンが敵に回ります。マルスが怒って、海戦で勝てると思うなら、戦ってくれたら良いですね』
フローネが微笑みながら言う
『不可能です! オーディバゼル号を1人でお仕置き出来る人に、海戦など不可能です!! レトリアル・クレトリア王国は、リベリアの英雄様を救国の英雄として、敵対しないことを宣言します』
サメリアが真剣に言う
『伯母様、簡単に誓って良いのですか?』
『メトリシア、マルス様相手に戦ったら、勝てる人はいますか?』
『今はいないです! マルス師匠を敵に回したら、数ヵ国敵に回します』
メトリシアが笑顔で言う
『その通りです。実質国王より偉いと思って接する様に家臣には伝えてあります』
サメリアが笑顔で言う
『有名になるのは嫌だ!!』
キリシアが大声で言う
『国民には公表しませんが、王族は永代に語り継ぎます。名前が出ない事は約束します。』
『それなら良いよ』
キリシアが笑顔で言うと、みんな笑い出す
『レトリアル・クレトリア王国女王陛下、ウルシナ公国からの親書になります。私は、クライドルト王国にいきます』
メーレシアが真剣に言うと、手紙を差し出し、サメリアが読み始める
『この状況下では仕方ないですね、ヘルトの結婚式の際、セレメトを向かわせますので、仲良くしてあげてください』
『はい、女王陛下』
メーレシアが真剣に言い、頭を下げる
『メトリシア、海軍の船に外交担当を乗せて貰えますか?』
サメリアが思い出した様に言う
『海軍に聞いてください! ウルシナ公国の外交担当も乗っています』
『再建も進みます。後は宮廷魔術師長を育てないと・・・』
サメリアが呟く
『伯母様、クライドルト王国の魔法学院に入学させたら、育ちます。現在宮廷魔術師を育てている最中ですので、良いと思います』
メトリシアが微笑みながら言う
『本当ですか!! クライドルト王国魔法学院、人を育てられなかったのに?』
『マルス師匠が基礎を破壊しました! 講師不足ですが、大賢者研究会を研究する会のメンバーは優秀です!』
メトリシアが笑顔で言う
『え? 何ですか?』
『簡単に言うと、マルス師匠が基礎を教えた人達です。マルス師匠を偉大な先生として、崇めています』
『え! マルス様を・・・それは凄いですね、すぐに人選と願書が間に合うか?』
サメリアが真剣に考え始める
『来年からは、講師が泣く魔法の教科書で勉強だからね』
マルスが微笑みながら言う
『あ!! エミール先輩の教科書とフローネ先生の歴史書』
メトリシアが笑顔で言う
『マルス師匠の初級魔導書の基礎編です!』
エミールが真剣に言う
『なんだか凄そうな・・・絶対に派遣しないと出遅れます!』
サメリアが真剣に言う
『メトリシア、オーディバゼル号ですが、正式にリベリアの英雄殿に引き渡します。 魔導船を保有していると、野心家がまた内戦を起こしかねません』
サメリアが真剣に言う
『良いのですか?』
『元々リベリアの英雄に降伏してます。海軍の船は、出来れば譲って欲しい』
『外交担当に決めて貰ってください!』
『そう言うと思ってました。これは魔導船オーディバゼル号の引渡しの正式書類です』
サメリアが書類を渡すと、みんなで確認する
『アルクオドールに保管頼まないとね』
マルスが笑顔で言う
『マルス師匠が改造しますよね?』
『魔導炉壊れるから、直さないとね!外装も補強に、ランプもつけないと!!』
マルスが嬉しそうに言う
『マルス師匠がやる気出した!!』
メトリシアが笑い出して言うと、みんな微笑みながら喜んでいる。サメリアが苦笑いして見ている
(え? 直す? 壊れている箇所があるのですか? 完全に修復したら、とんでもない兵器に?)




