愚か者と警備隊
『ギレリム、いる?』
鍛冶屋に着き、呼ぶとギレリムが奥から出てきて
『来たな、何か用か?』
鉱石を置き
『これで何か作れるのかな?』
『ボムの鉱石か、何が良いかだな』
『リリシャとエミールの防具が良いかな?』
『それか足の防具とか?』
『足の防具の方がやり易いな。リリシャとエミールは魔法使いだから、ローブが良いと思うしな』
『魔道具として、何か良いものは無いかな?』
『腕輪はどうだ?』
『魔石を組み込めば良い魔道具が出来る』
『そうだね。付与内容が補助系ならば良いのかな?』
『それにしよう!』
フローネの家に着き
『フローネ先生、いますか?』
『師匠、お帰りなさい』
『エミール、ただいま』
『迷宮はどうでしたか?』
『階層主が出てきたから倒したよ』
『か、階層主ですか?』
『大きなボムが出てきた』
『階層主は容易く倒せるものでは無いのですが、ボム等は特に』
『マルスとキリシアがボムを真っ二つにして、倒しまくっていましたよ』
『ボムは岩ですよね。真っ二つに斬れるのですか?』
『闘気を込めて斬れば簡単に斬れるよ』
エミールはフローネを見る
『マルスとキリシアのやることは、すでに達人の域での事ですので、常人として考えないように。エミール、魔法学院に行ったら、先生と師匠を比べたりしないようにしなさいね』
『はい、フローネ先生』
『国宝かー今日の魔石と鉱石は献上する事になったよ。国宝になるとバイルが言っていた』
『献上ですって!とうとうそこまでくるとは』
『献上したら国宝になるのですか?』
『魔石が大きかったからね』
フローネは少し呆れ始める
『明日はどうする?』
『体が重いから何しようか?』
『警備隊訓練所はどうかな?』
リリシャとマルスは頷く
『師匠、私も行って良いですか?』
『ギルドで待ち合わせにしましょうか?』
『ギルドに用事?』
『ギルドカード預けたから受取に行く』
『わかりました。依頼でも少し見てみたいです』
『依頼も良いかも知れないね』
翌朝、ギルドに着くと、エミールに男がしつこく話をしている
『だから一緒に迷宮行こうぜー絶対損はさせないからさー』
『ですから、先程から本日は予定があり、ここで待ち合わせしていると、さっきから言っているのがわかりませんか?』
『そんな約束より、俺たちと一緒の方が絶対得するからさー』
『あ!師匠、おはようございます』
『エミール、おはよう』
男はこちらを見て
『この子は今日俺たちと迷宮行くんだ。文句あるのか?あー!!』
『弱いやつほど頭が悪い上に、人の気持ちすらわからないバカ』
キリシアが言うと
『テメー、俺様にケンカ売って、ただで済むと思うなよ。このアマ!!』
『若造、そのくらいにしてさっさと行った方が身のためだぞ』
ガシリオが馬車から降りて言う
『なんだオッサン、お前こそ消えろ』
『余所者か、愚かな・・・』
ガシリオが溜め息を吐く
『んだテメー、殺すぞ』
男と仲間がガシリオを取り囲む
『どれも弱そう。つまらないから早く訓練しにいこう』
キリシアが呟くとガシリオが苦笑いする
『アマーテメー』
『これ以上、手間をとらせていると、訓練を楽しみにしている人全員を敵にまわすが、良いのか?』
『アマと訓練楽しみにしている奴らなど、全員ボコって皆殺しにしてやるよ』
『なるほどーそれは楽しみだ』
馬車から警備隊隊長が降りてきて言う
『なんだ!テメー』
『キリシア殿、お迎えに来たが、面白そうなバカがいっぱいいるな』
『無視しているなよー!糞やろう!!』
『ちゃんと相手してやるが、まぁー逃げずに付いてくると良いと思うぞ。ここでは人様に邪魔だからな』
隊長は笑う
『なんだ!殺すぞやっちまえ!!』
剣を抜き隊長に斬りかかるが隊長は腕を掴み転ばせる
『あーぁやっちゃった・・・』
[ピィーー]隊員が笛を吹く
男達は何事かと回りを見る
『ヤバくないか?逃げるぞ』
逃げようとするが周りに来ていた冒険者に邪魔されて、全員取り押さえられる
『放せ、お前らー!!!』
『自分がケンカ売った相手、誰だかわかっているのか?』
『よりによって、ギルド最強パーティーと警備隊にケンカ売って逃げられると思っているのか?バカども』
男達は何のことかわからず暴れる。そして、剣をキリシアに突き付け『動けばこいつを殺すぞ!!!』
『死にたくなかったら今の内に謝れ!!!後悔するぞ』
冒険者と警備隊隊員は警告するが
『黙れ!!!』
剣を突き刺すが、そこにはもうキリシアは居なかった。次の瞬間、キリシアの闘気を纏った一撃が腹に入る
『ごっほっ!!』吐き出す
『殺人未遂で連行ね。だけどその前に、訓練所で性根を叩きのめす??』
キリシアの言葉に隊長は大笑いし始める
警備隊隊員達は全員を縛り上げ、連行する
訓練所の隅に並べて、警備隊とキリシアの訓練を始める
キリシアに全員で襲いかかるが、次々とキリシアに弾き飛ばされていく。隊員が全員叩きのめされた。叩きのめされた隊員を、リリシャとエミールが回復魔法で回復させ、再び連携して襲いかかるが、キリシアに再び全員叩き潰される。リリシャとエミールの回復魔法で復活する。それを繰り返している
連行された男達は血の気が無くなり、呆然としている
『そろそろ休憩しますか?』
隊長が言って、男達の方に来て
『待たせたな!』
『え?・・・』
『お前達の番だ。キリシア殿が手加減してくれないかもしれないが、死なない程度でやってくれる事を祈りながら始めるといい。終るまで誰も助けてくれないがな!』
隊長は笑いながら言うと
『たっ助けてください・・・・』
震えながら言ってくる
『このまま罪状を全て吐き出し、罪を償うなら牢屋に入れてやっても良いが・・・どうしたものかな?』
『前の町で強盗を何件かしました』
近くに居た警備隊隊員が睨み付ける
『わっ、私は女を誘拐して売り飛ばしました』
『私は強盗をしました』
『女を誘拐して弄んで埋めました』
次々と男達は罪を言い出す
『こいつらの罪の確認を取れ!!』
隊長は怒りの声をあげる
[拷問より効果があるな・・・]
その後、キリシアとの訓練を再開して、1日訓練をする




