ウルシナ公国へ
2日後ウンディーネ号は、ウルシナ公国に出発する事にする
『伯母様、本当に伯爵家をついでに潰さなくて良いのですか?』
メトリシアが笑顔で言うと、みんな笑っている
『もう降伏しました。再建を進めます』
サメリアが笑顔で言う
『メトリシア御姉様、また会える日を楽しみにしています』
ルメリアが笑顔で言うと、メトリシアが優しく抱き締めて頭を撫でる
『ヘルトの結婚式には参加すると、お父様に伝えてください』
『はい、伯母様! 来ていただけたら、驚くと思います』
『これ以上、驚く事は無いでしょう。1番驚いたのは、メトリシアが元気になって、リベリアの英雄と一緒にいる事です』
サメリアが真剣に言うと、みんな笑い出す
『マルス師匠の弟子ですから!』
メトリシアが笑顔で言うと、ウンディーネ号に乗り出発する
『お母様、メトリシア御姉様は凄い魔法使いでした』
ルメリアが笑顔で言う
『リベリアの英雄の事を永代に伝えるのですよ! 本物の英雄ですが、欲が無いので、本当に信用できます』
『はい! お母様。いつかマルス様の様に慕われ、賢くなりたいです』
セレメトが笑顔で言う
『沢山書物を呼んで勉強しましょうね』
サメリアが微笑みながら言う
『はい! お母様!!』
セレメトが笑顔で大きな声で返事をすると、周囲の人々が微笑んでいる
ウンディーネ号が南に向かって出港する
『メーレシア様、どうかなさいましたか?』
『メトリシア様、来る時、援軍を頼む事しか考えていませんでした。まさか、こんな大軍が来訪するなんて、思いませんでした』
メーレシアが真剣に言うと、船団を見ている
『良く考えたら、大軍ですね。1国の海軍が来ている様に思われてしまうかも知れないですね』
メトリシアも微笑みながら船団を見る
数日後、ウルシナ公国の島々が見えてくる。そして、王都が見える
『え!!魔物だらけ!! マルス師匠』
エビリアが驚いている
『マルス、余裕が有りません』
リリシャが真剣に言う
『倒すぞ!!』
キリシアが笑いながら言う
『シルフィード号とベアーズ号で王城に向かおう! フローネ先生、ウンディーネ号を頼みます』
マルスが真剣に言うと、シルフィード号とベアーズ号が降下してくる
『メーレシア様、すぐに来てください! 飛空艇で王城に向かいます!!急がないと危ないです』
マルスが真剣に言うと、手を引っ張ってシルフィード号に案内する
『え! ままままっマルス様!! 』
メーレシアが真っ赤になって、歩き出す
『マルス様!! そんなに急いでどうしたのですか!!』
ルシエラが慌てて聞く
『危険ですので、乗ってから、説明します』
マルスが真剣に言うと、シルフィード号に乗る
『危険? 何が・・・』
ルシエラ不安そうに呟くと、シルフィード号が上昇を始める
『メーレシア様、あの魔物数、すぐに王城に向かう必要が有ります』
マルスがメーレシアに説明をする
『え!! そんな・・・・遅かったの? うっぁぁぁぁ!!』
メーレシアが泣き始める
『マルス師匠! あれは! まだ戦っている人がいます!』
クレスタが真剣に双眼鏡で見ながら言う
『もうギリギリ!!』
キリシアが真剣に言う
『リリシャ達は、上空から援護して! キリシア、ルメイルは降りて殲滅!』
マルスが真剣に言うと、全員頷く
『エミールに、着陸してゴーレムで迎撃するように伝えて』
マルスが真剣に言うと、シルフィードが頷く
シルフィード号が高速で進み始め、門にデカイ蟹が鋏を叩きつけている
『マルス!あのデカブツ貰う!』
キリシアが笑顔で言うと、シルフィード号は低空飛行になり、大きな蟹の上でキリシアが飛び降りる
キリシアは闘気をまとい、蟹に槍を叩き付けると、甲羅が砕け、デカイ蟹が動かなくなると、すぐに周囲の魔物を容赦なく斬り始める
『何が・・・』
門の兵士が呟き、キリシアを見ている
『空を飛ぶ船?』
兵士が呟くと空を見上げると、人が飛び降りてくると、魔法が魔物に向かって次々と放たれ始める
『ルメイル、門の上は任せる! キリシアに近付いたら、怒りそうだから』
マルスが苦笑いして言う
『はい、完全に怒られます』
ルメイルが苦笑いすると、周囲の魔物を斬り始める
『ケニスは付いてきて!』
マルスが言うと、走り始める。向かう先にいる大きなヤドカリが門に体当たりすると、門が砕け散る
一方王城では
『公王陛下、門が持ちません』
『住民は逃げれたか? それか・・・王城内に避難出来たか?』
公王が絶望しながら聞く
『逃げれた者はいると思われますが、重臣達が先に逃げましたので、管理が出来てません』
騎士が真剣に言う
『メーレシアが、生き延びてくれれば、血筋は残る・・・』
公王が呟くと、苦しみだして倒れる
『公王陛下!!』
『すまない・・・こんな時に、あとは頼む・・・出来れば逃げるように』
公王が苦しみながら言うと、医者が慌てて薬を飲ませ、運んでいく
『逃げ道など無いが・・・最後の一人になるまで、戦うぞ』
公太子が真剣に言う
『最後まで一緒にいます。メーレシアが生き延びてくれれば、良いのですが・・・まさか、内乱の国に向かわせてしまった事を後悔します』
公太子妃が悲しそうに言う
『お母様、メーレシアの無事を祈りましょう』
青年が真剣に言う
『大変です!! 空飛ぶ船が!!』
騎士が慌ててやってくる
『空飛ぶ船?』
公太子が呟くと外を見に行く
『え? 船が空を・・・』
『あれは・・・飛空艇!! オルセント王国の船か? クライドルトの船か? 何故ここまで!!』
公太子が驚きながら言うと、見つめている
ベアーズ号は、急降下して、広場に着陸する。魔導車とゴーレムと英雄騎士隊員6人が降りると、ベアーズ号は上昇する
『魔物相手だから、殲滅しますよ』
エミールが笑顔で言うと、砕け散った門に向かう
『師匠! デカイ!!』
エレーヌが苦笑いして言う
『的です!! 最大威力魔導砲準備!!』
エミールが真剣に言うと、魔導砲の閃光が放たれ、大きなヤドカリに命中すると、大きな穴が空き、後ろの魔物を消し飛ばす
『見たか!! マルス師匠の魔導兵器の威力!!』
エミールが大声で言う
『こんな凄い物なんて』
エリカが一直線に延びる、魔導砲の痕を見て言う
『飛空艇の魔導砲と同じぐらいの威力です・・・マルス師匠が嫌う戦争の道具ですが、魔物相手なら容赦いらない!! 師匠』
『エレーヌ、エリカはゴーレムで殲滅開始』
エミールが言うと、ゴーレム達が動き魔物に近付いていくと、近づく魔物を容赦なく殴り飛ばしていく