王城
王城に移動すると、数人の男達が笑顔で出迎える
『王妃様、王都奪還おめでとうございます』
男達が笑顔で言うと、サメリアが愛想笑いして、部屋に向かうと、男達が付いてくる
『止まれ!ここからは入れない』
近衛兵が男達を止める
『我は重臣だぞ!! 止めて良いのか!!』
男達が騒ぎ出す
『許可無き者が入れないと思え!! 牢屋にいれるぞ』
近衛兵が睨み怒鳴る
『伯母様、あれは?』
メトリシアが苦笑いして聞く
『あれは、王都を攻められた時、逃げ出した者ですね』
サメリアが苦笑いして言う
『忠誠心無いのですね』
『今回の事で、最後まで忠誠を尽くしてくれた者達を、中心に再建します』
サメリアが微笑みながら言う
『それが良いです! クライドルト王国も権力欲有る貴族は、殆ど潰しました』
メトリシアが笑顔で言う
『は? 潰した? どうやって!!』
サメリアが驚いて声をあげると、ルメリアとセレメトが大声に驚いている
『師匠達に喧嘩売ったので、逆に全部潰しました! 太守を選ぶのに大変だと、お父様が頭を抱えています』
メトリシアが笑顔で言うと、後ろで外交担当が苦笑いしている
『メトリシアの暗殺未遂だけどね』
マルスが笑顔で言う
『え? そうでしたか? アーメルド伯爵暗殺・・・あ!!死ねと言われました!!』
メトリシアが笑顔で言う
『リベリアの英雄と一緒にいるから、間違いとは言え、暗殺を・・・それでお仕置きが慣れているのですね』
サメリアが苦笑いすると、みんな笑い出す
『メトリシア、今回の援軍に対しての褒美と御礼を出さないと、いけないのですが、どうしたら良いのですか?』
サメリアが真剣に言うと、全員真剣にメトリシアを見ている
『え? えーと、ヘルト御兄様の結婚式の招待に来たら、盗賊と海賊に襲われただけです。ついでに黒幕を潰しただけですので、後始末よろしくお願いします!!』
メトリシアが笑顔で言う
『はぁ?・・・リベリアの英雄様は?』
サメリアが苦笑いして聞く
『喧嘩売られたから、潰しただけ!! 面倒事いらない!!』
キリシアが笑いながら言う
『クレシア様に頼まれたから、交易に来ただけです』
リリシャが笑顔で言う
『オルフェスタ・ガゼルドの隠謀と、魔導兵器を戦争に利用したから、回収しただけです』
マルスが笑顔で言う
『この子達に何を言っても無駄ですよ』
フローネが笑顔で言う
『え? えーと、どうしたら?』
サメリアが苦笑いしている
『外交担当さん頼みます!! あと美味しい料理もお願いします』
マルスが笑顔で言う
『マルス師匠、私の台詞取らないでください』
メトリシアが笑顔で言うと、みんな笑い出す
『これがリベリアの英雄です。だから、関係の有る国は、感謝と秘密が、褒美代わりです。名前も素性も誰も話しません』
外交担当が笑顔で言う
『公爵領ぐらいなら、褒美であげても良いのですが・・・』
『無理ですね。エリゼトス領や侯爵領やガベラス王国から割譲された領地すら受け取りません! 太守すら送れず、騎士団が統治下にしています。オルセント王国からオルフェスタ・ガゼルド王国の国王に、マルス様が推薦されましたが、断られたそうです』
外交担当が苦笑いして言う
『は? 国王を断った!!』
『え?やりたい人がやれば良いです』
マルスが笑顔で言う
『貴族なんて面倒!!』
キリシアが笑顔で言う
『冒険者が1番ですね』
リリシャが微笑みながら言う
『これが、リベリアの英雄・・・お父様は何か言っていましたか?』
サメリアが苦笑いして聞く
『国内で遊んでいてくれたら、嬉しいと言ってます。召還を平気で、面倒だから断ります。宮廷魔術師長や魔法研究院長や魔法学院長も全部断っています。だから、今は不在です』
メトリシアが笑いながら言う
『は? 無理ですね・・・褒美は受け取らないのですか?』
『仲良くしてくれたら良いかな?』
キリシアが笑顔で言うと、みんな笑い出す
『魔導書や古代書読ませてくれたら良いかな?』
リリシャが笑いながら言う
『貴族なんて面倒!!自由が1番だね』
マルスが笑いながら言う
『お父様が必死に頭を下げて、特別名誉侯爵位を受け取ってましたが、条件は、国内外自由に旅をして良い事と、冒険者を続けて良い事と、王都にいなくて良い事と、いつでも放棄して良いことです!』
『そうですか・・・地位も名誉も名声も領地もいらない人ですか・・・何を出しても受け取らないのですね、外交担当さん後で相談しましょう』
サメリアが諦めた様に言うと、みんな微笑んでいる
『あ!交易品を引き取って貰っても良いですか?』
メトリシアが思い出して笑顔で言う
『勿論です! 是非お願いします』
サメリアが笑顔で言うと、騎士と商人を連れて、クライドルト海軍の軍艦に向かう
商人達が大喜びで、交易品を見ていくと、海軍と交渉を始めていると、海兵がウンディーネ号から交易品を持ってくる
『これは!! クラゲ!! 大きい!!』
商人が叫ぶと、全員見て大騒ぎになり始める
『金貨10枚で買いたい!!』
商人が大声で言うと、他の商人達も次々と価格を言い始める
『どうして、そんな高額に?』
マルスが真剣に聞く
『え! クラゲはいくらでも売れる!! この大きさなら、大クラゲだから、最高級品だ!!』
商人が興奮して言う
『南側に沢山いるのに?』
『は? あの海域? 不可能だ!! あんな所に行ったら、必ず死ぬ!!』
『沢山有るから、好きなだけ引き取ってくださいね』
マルスが笑顔で言うと、海兵が笑顔で取りに行く
『乾物!! 質も良い!!』
『この布!! こっちは陶器!!』
『薬も、こんな種類が!!』
商人は騒ぎながら、海兵に詰め寄り、我先に交渉をしようとしている
『マルス師匠、クラゲの料理方法、教えて貰ってきます』
アニーと料理人が笑顔で言うと、クラゲを持って馬車に乗っていく
『アニー嬉しそう!』
ミリアが笑顔で言う
『美味しい料理レシピが増えるね』
マルスが言うと、キリシアが嬉しそうにしている
『英雄殿・・・物凄い金額ですが、どうすれば』
海兵が慌ててくる
『頼んだ!! 商人に持って帰ったら、高く売れる物を適当に持ってこい!!って言っておいて』
キリシアが笑顔で言うと、海兵が苦笑いして、商人が笑い出す
『船に乗るだけの、商品と物々交換? 金貨で受け取っても、面倒だからね』
マルスが笑いながら言う
『え? 全部お任せですか?』
海兵が苦笑いする
『商人さんどうする? 面倒だよね? いちいち交渉するのは! だから信用するから、商品持ってこい』
キリシアが笑いながら言うと、みんな笑い出す。商人達は、笑顔で商品を取りに倉庫に帰っていく