お仕置き中
『リリシャ師匠! 前方に船団です』
エビリアが笑顔で言うと、みんな双眼鏡で確認する
『逃がしません! ゆらゆらしますよ』
リリシャが微笑みながら言う
『リリシャ、ほどほどにしなさいね』
フローネが苦笑いする
『はい、フローネ先生』
リリシャが微笑みながら言うと、フローネは、心配そうに見ている
(絶対、忘れますね・・・マルスが心配しますよ)
ウンディーネ号は、船団の前に向かう
『大人しく降伏せよ! しなければヴァルキリーの天罰がくだる!!』
フォルメニアが大声で降伏勧告を始めると、船から魔法や矢が放たれる
『え!』
フォルメニアが驚いていると、魔道具の結界に当たり防いでいる
(こんな魔道具まで・・・)
『始めますよ』
リリシャが微笑みながら言うと、みんな笑顔で頷き
『ゆ~らゆら~ゆ~らゆら~ゆ~らゆら~』
みんな歌いながら、船を揺らし始める
『ギャーーー!! なんだ!!ふふふ船が!!誰か助けてくれ!』
船から悲鳴が聞こえ出すと、船員達は必死に船にしがみついている
『ヴァルキリーの天罰だ!!』
海兵達は、大声で応援を始める
『始めちゃった・・・暇だな』
キリシアが苦笑いして呟く
『キリシア、水平線まで監視するしか有りません・・・ここは敵地ですから』
フローネが真剣に言う
『はい、フローネ先生!!』
キリシアが笑顔で言うと、ルメイルも双眼鏡で監視を始める
『マルス師匠、リリシャ師匠達遅いですね』
エミールが少し心配そうに言う
『また何か有ったのかな? 兵士が来ないと動けない』
マルスが苦笑いする
『マルス師匠! 軍勢が町の外に集まっています』
オルガーが報告にくる
『ちょっと見てくるね』
マルスが笑顔で言うと、外に向かう
『遅い!! 最速で来いと言ったはずだけど!!』
マルスが王国騎士に怒鳴る
『え? どう言うこと? これでも最短で来たのですが・・・』
騎士が苦笑いしている
『すぐに捕虜の取り調べと、町の警備しろ!! 遅すぎるから、公爵軍逃げただろ!!』
マルスが大声で言う
『え! まさか、もう落としたのですか!!』
『早くやれ! みんな遅いから、面倒になるだろ!!』
マルスが大声で言うと、戻っていく
『本当に・・・門も破壊されているから、勝ったのか?』
騎士が苦笑いして呟き町中に入っていく
『一度ウンディーネ号に向かうよ』
マルスが真剣に言うと、ベアーズ号に乗り込み、ウンディーネ号に向かう
『我が主、あれは遊んでいるな』
シリウスが船を見て呟く
『逃げた軍勢かな?』
マルスが呟くと、飛び降りる
『マルス、お帰り、ちょっとお仕置き中です。』
リリシャが微笑みながら言う
『ほどほどに』
マルスが苦笑いして言う
『英雄様、町はどうなっていますか?』
フォルメニアが真剣に聞いてくる
『落としたから、一度騎士に命令をして欲しい』
マルスが笑顔で言うとサメリアの所に向かう
フローネを連れてサメリアの所に行く
『王妃様、一度騎士に命令をお願いします』
マルスが笑顔で言う
『解りましたが、どうなったのですか?』
『エミール達が館を占領して、やっと砦の兵士が到着しました』
マルスが笑顔で言う
『え? そうですか・・・あの船は逃げた兵士ですね』
サメリアが苦笑いしながら船を見る
『魔道砲がここにも・・・魔道車の敵では無いでしょうが、回収した方が良いですね』
フローネが真剣に言う
『そのつもりです。弱い魔道砲ですが、放置は良くないです』
マルスが真剣に言う
『後は・・・魔導船ですね・・・本当の戦いはこれからですね』
フローネが真剣に言うと、マルスが真剣に頷く
ベアーズ号にサメリアとフォルメニアを乗せて、町に向かい、着陸する
『マルス師匠、お帰りなさい』
エミールが笑顔で言う
『代表者を呼び出して』
マルスが笑顔で言うと、オリスが走っていくと、騎士を連れてくる
『王妃様・・・こんな早く、この町を奪還出来ていました』
騎士が苦笑いしている
『一言だけ必要です。リベリアの英雄の事は秘密にするように!リベリアの英雄が怒ったら、我が国は、滅びます!良いですね』
サメリアが真剣に言うと、騎士が苦笑いする
『マルス師匠、牢屋に捕らわれていた者ですが、王妃様に判断をお願いします』
エレーヌが笑顔で言うと、兵士が連れてくる
『王妃様!! 御無事で!!』
男達が涙目で叫ぶ
『隊長、それに近衛兵の・・・国王陛下は?』
サメリアが驚きながら聞く
『陛下は・・・処刑されました・・・生き恥を晒して申し訳ありません』
隊長が泣きながら言うと、男達が崩れ落ちて泣き始める
『悲しむのは、戦いが終わった後にします!! すぐに民を保護しなさい! クライドルト王国から援軍も来ます。公爵を倒して、国を再建します!!』
サメリアが涙を流しながら、叫ぶ
『はい、サメリア様!! 命有る限り、公爵軍を道連れにします!!』
近衛兵達が叫ぶ
『じゃあ、捕虜の取り調べと町の維持は任せます!』
マルスが笑顔で言う
『王妃様、この者達は? 何者ですか?』
隊長達が真剣に聞く
『リベリアの英雄達です。秘密にしなさい! 海戦は見ましたが、公爵など敵にもなりません!! 怒らせない様に気を付けなさい』
王妃が真剣に言うと、隊長達は苦笑いして、理解できないでいる
サメリアとフォルメニアが、主だった者に説明を始めると、マルス達は、出発の準備をする
『マルス師匠、ウンディーネ号と軍船が到着しました』
オルガーが報告にくる
『リリシャ、今回は早く来てくれた? 』
マルスが呟く
『リリシャ師匠、早く終わらせるなんて、珍しいです』
エミールが笑顔で言う
『兵士達に働いて貰うよ』
マルスが笑顔で言うと、サメリアの元に向かう
『英雄様、何か有りましたか?』
サメリアが真剣に聞く
『ウンディーネ号が到着しましたので、捕虜の引き渡しします。拘束よろしくお願いします』
マルスが笑顔で言う
『解りました。すぐに指示を出します』
サメリアが笑顔で言うと、騎士に指示をする
兵士や騎士がウンディーネ号を見ると、唖然と立ち尽くす。そして、軍船の兵士を拘束始め、何が有ったか聞き取りを始める
『我が主、魔導船見付けたぞ。明日にはこの領域にくる』
シリウスが言うと、クーレセスからの状況の説明を始める
『魔導船同士の戦いか・・・武器が無いから、勝てないかな?』
マルスが真剣に言うと、考え始める
『マルス師匠、どうかしましたか?』
エミールがマルスの様子に聞く
『明日、海戦だよ!』
マルスが笑顔で言う
『どう戦いますか?』
『武器が無いから、どうしようかな? ちょっと考えるね』
マルスが笑顔で言うと、ベアーズ号にみんな乗り込み、ウンディーネ号に向かう




