礼服の依頼
マルス達は、オルクスの店に向かう
『オルクスいますか?』
マルスが店員に伝えると、置くから奥さんが顔を出して
『キリシア様、本日の用向きは?』
『礼服を作って欲しい』
キリシアが笑顔で言う
『礼服? 何か有るのですか?』
『ヘルトの結婚式に出席するから、必要になった!!』
キリシアが笑顔で言うと、奥の部屋に案内される
『礼服の依頼ありがとうございます。何人分ですか? 用途にもよりますが・・・』
オルクスが真剣に言う
『ヘルトとクレシアの結婚式用です』
キリシアが笑顔で言う
『貴族様ですか?』
オルクスが真剣に聞く
『キリシア、ヘルトじゃ解らないよ! ヘルト王太子殿下とリベリア第一公女クレシア様の結婚式です』
マルスが笑顔で言う
『え!! 王太子殿下の結婚式に!! 式が有ることを知りませんでした!! 一大事です!!』
オルクスが驚いて大声をあげる
『もう少し先だけどね』
キリシアが笑いながら言う
『礼服用の白いマントが必要です!! 生地が足りるか解りません』
オルクスが真剣に言う
『マルス師匠、紋章が左胸に必要です。』
メトリシアが真剣に言う
『そうなの?面倒だな』
『マルス様、必要です!! それも王太子殿下の結婚式となると、服を作るものからしたら、一大イベントです。隣国友好国から国内まで、多くの貴族が用意しますから、情報がなければ、生地が高騰します!!』
『先に買わないと危なかったの?』
『そうなります!!』
『オルクス、よろしくね。紋章となると、みんな連れてきた方が良かったのかな?』
『領主様の屋敷ですか?』
『魔導船にいるよ!来る?』
『是非お願いします!! 魔導船に乗船出来るなんて経験出来ません』
オルクスが笑顔で言うと、奥さんと一緒に造船所に向かう
『アルクオドール船に乗っていたんだ』
キリシアがアルクオドールを見付けて言う
『はい、乗りましたが、凄い船です!! 波の衝撃がまるで感じませんでした』
アルクオドールが笑顔で言う
『それは良かった』
マルスが笑顔で言う
『オルクスさんに依頼ですか?』
アルクオドールが笑顔で聞く
『ヘルトの結婚式用の礼服の依頼です』
『え! まだ発表されてませんが、決まっているのですか?』
アルクオドールが驚く
『まだ発表されてなかった?』
キリシアがメトリシアを見る
『はい、発表されてませんけど、内緒ですよ! 宮廷魔術師長が就任後、とりおこなわれます。』
『そうなのですね・・・婚約の発表もされてないですが・・・どうしてでしょうか?』
アルクオドールが苦笑いする
『お父様・・・忘れていますね、帰ったら伝えておきます! 今回は伯母様に招待を伝えるためですので、間違いなくとりおこなわれます』
メトリシアが笑顔で言う
『メトリシア様は貴族様なのですか?』
オルクスが真剣に聞く
『え! マルス師匠の弟子です! 』
メトリシアが笑顔で言うと、アルクオドールが苦笑いする
『オルクスには伝えた方が良いですね、メトリシアの分は特別製じゃないとまずいでしょ』
リリシャが微笑みながら言う
『そうでした! メトリシア・クライドルト第2王女です。』
メトリシアが笑顔で言う
『え!! 第2王女様!!』
オルクスが驚いて大声をあげると頭を下げる
『今はマルス師匠の弟子です!! いつも通りしてください』
メトリシアが笑顔で言うと、みんな笑い始める
オルクスは、全員の紋章とサイズを確認をしていく
『後は、レズオスとヒリアとカミラとソリナとエリカとリーネとルキアで良いのかな?』
マルスが笑顔で言う
『ルキアの分も作ってくれるのですか?』
アルクオドールが笑顔で聞く
『アルクオドールとお揃いでよろしくね』
マルスが笑顔で言う
『畏まりました!』
オルクスが笑顔で言う
『これで足りるかな?』
キリシアが笑顔で金貨の袋を2つ手渡す
『え! 多すぎます!!』
『ついでにクララの分のローブもお願いします』
キリシアが笑顔で言うと笑い出す
『クララ? ここにはいらっしゃらないですが・・・』
『リシリアの弟子で、リベリアに残っています。』
リリシャが微笑みながら言う
『解りました!! お会いした時に採寸させて貰います』
オルクスが真剣に言う
『このやり方を、またやっているのですね』
フローネが呟く
『凄い依頼の仕方です・・・貴族でもやらない方法です』
アルクオドールが真剣に言う
『手は抜けません!』
オルクスが真剣に言う
『あ!! ちょっと待っていてください』
マルスが笑顔で言うと、魔導船の倉庫に向かう
『マルス何か思い付いたのですか?』
フローネが少し不安そうに言う
『マルスだから、何か用意するつもりですね・・・魔石と思います』
リリシャが微笑みながら言うと、みんな頷く
『これを使ってください』
マルスが笑顔で袋を持ってくると、手渡す
『え? 金ですか?』
オルクスが驚く
『礼服だから金が良いですよね、後ボタンは、銀で作ってきました。どうですか?』
マルスが笑顔で言う
『素晴らしいです。この魔石自体がボタン代わりになるように出来ていますね・・・』
『外套持ってきますね』
マルスが笑顔で言うと出ていく
『外套ですか?』
オルクスが苦笑いすると、外套を持ってマルスが戻ってくる
『なるほど・・・素晴らしいです! これなら動いても大丈夫ですね!! 左胸付近に魔石が有るので、彫刻を少しすれば良いですね』
オルクスが笑顔で言う
『革の糸を忘れた!!』
マルスが笑顔で言うと、出ていく
『革の糸?』
オルクスが呟く
『もう自分の世界に入りましたね、生地を探していないのに、魔道具にする事しか考えてないですね』
フローネが苦笑いして言う
『いつものマルスです! 生地まで作り始めそうです』
リリシャが笑顔で言う
『暇潰しがあの船ですから・・・』
アルクオドールが船を見て言う
『作るのが好きですよね! 過保護過ぎますけど』
リリシャが微笑みながら言う
『外套が国宝級どころか、古代魔導具クラスですからね』
フローネが外套を見て言う
『え? そんなに凄いのですか!!』
『その外套も防具の無い、ルキア達の為に思い付きで作りましたね、相談も何も無しに、いつの間にか作り、簡易防具と一言で渡してましたね』
フローネが微笑みながら言う
『マルスだから仕方無いです!』
リリシャが笑顔で言うとマルスが革の糸を持ってくる
『これを使ってください』
マルスが手渡すとオルクスが真剣に見ている
『革の糸・・・どうやって作ったか解らない』
『マルスの魔法なので、他言はしないでください』
『マルス、白い革なんて有りましたか?』
リリシャが気が付いて聞く
『白いマントなら、白い革が良いと思ったから、作ったよ』
マルスが笑顔で言う
『聞かなかった事にしましょう・・・マルスだから仕方無いですが』
フローネが苦笑いすると、アルクオドールとオルクスが真剣に頷く