アーメルドと暇潰し
マルスは鍋に付与魔法を使い、効果を付加していく
『マルス、終わりかな?』
リリシャが鍋の山を見て微笑みながら言う
『早く仕上げた方が良いと思ったよ。銀の彫刻も銅の彫刻も良いから、アニーに使って確かめて貰おう』
『ギレリムが弟子に任せて作らせていたら、ギレリムも作りたくなったようでしたよ』
『ギレリム、弟子が育たないかもね』
『ふふふ・・・そうですね、ギレリムは自分でやりたいから、仕方無いですね』
リリシャが笑いながら言う
メトリシアとヒストリアがやってくる
『あ! マルス師匠、レトリアル・クレトリア王国には、飛空艇で行きますか?』
『海だからね・・・何か有ると面倒かな? 特産品は無いのかな?』
『生地も有名ですが、海の魔物も多いです』
メトリシアが笑顔で言う
『魔物か・・・戦うとなると、魔導船も有った方が良いね』
マルスが笑顔で言う
『船の旅ですね』
リリシャが嬉しそうに笑う
『シルフィード達は、空から着いてきて貰おう』
『早速準備します』
『英雄騎士隊も連れて行きたいよね、言い訳は、交易に来ましたかな?』
マルスが笑顔で言う
『マルス、喧嘩売るつもりですか?』
リリシャが笑顔で言う
『え! 違うよ、メトリシアが喧嘩売られるだけだよ』
マルスが笑顔で言うと、リリシャが笑い始める
翌日、準備して、シルフィード号に乗り込み、アーメルドに向けて出発する事にする
『エリカ、早く乗りなさい』
『エビリア御姉様!! 待ってください』
エリカが荷物を持って、走ってくる
『エリカ、可愛い!』
キリシアが微笑みながら言う
『エリカにとって初めての旅です。貴族にとっては、中々出来ない経験ですから』
リリシャが微笑みながら言う
『今回は迷宮探索じゃないから、修行にはならないけど、良い経験になればかな?』
マルスが笑顔で言う
『マルス師匠、気を付けて』
カミラとソリナが笑顔で言う
『留守は頼んだよ』
マルスが笑顔で言う
『メトリシア、楽しんで来るのですわ! 許可が下りませんでしたから残念ですの!!』
アリシアが残念そうに言う
『アリシア御姉様、伯母様に会いたがっていますと、伝えてきますね』
メトリシアが笑顔で言うと、シルフィード号は上昇を始めると、アーメルドに向けてゆっくり出発する
アーメルドが見えてくると、シルフィード号は門に向けて降下する
『出掛ける準備の為にウンディーネ号に向かいます』
マルスが笑顔で言う
『英雄様!!造船所にどうぞ!! 』
門番が大声で言うと、シルフィード号はゆっくり造船所に向かうとクーレセス号とベアーズ号が後ろを着いてくる
造船所に到着すると、積み荷を降ろし始める
『英雄様、今回も何か作られるのですか?』
アルクオドールが笑顔でやってくる
『ウンディーネ号で、レトリアル・クレトリア王国まで行きます』
マルスが笑顔で言う
『気を付けてください、海賊が多くなり、交易船が襲われていると噂が有ります』
『ついでに海賊も潰して来ますね』
リリシャが微笑みながら言うと、みんな笑い始める
ウンディーネ号を造船所に移動させると、みんなゆっくり遊び始めると、マルスは造船所の資材を見て、モデリングで形を変えて遊び始める
『マルス、何か作りますか?』
リリシャが微笑みながら聞く
『準備が終わるまで、時間が有るからね』
マルスが笑顔で言うと、次々と木材をマテリアルコンバージョンで魔力を通るようにしていく
『マルス、凄い量ですけど、何するの?』
『え! 少しやり過ぎた? 集中し過ぎたかな?』
マルスが苦笑いすると、リリシャが笑い始める
翌朝、マルスが木材を変形させて船の形にしていくと、リリシャが笑顔で手伝い始めると、マルスは紋様魔法と紋章魔法を使い全体に次々と書き込み始める
3日後完成すると、船を海に浮かべる
『完成したね』
マルスが笑顔で言う
『マルス師匠!! 暇潰しが造船なんて、凄いです』
メトリシアが笑顔で言う
『海兵さんに少し意見聞いたから、良いできだよね』
『この船、どうするのですか?』
フローネが微笑みながら聞く
『え! 暇潰しなので、何するか決めてないです』
マルスが苦笑いすると、みんな笑い始める
『暇潰しで作るものでは無いですね・・・監視してなかったのも悪いですが・・・』
フローネが苦笑いする
『この船、壊せるのですか?』
ミリアが聞く
『このぐらいだと壊れないかな?』
マルスが笑顔で言うと、火の玉を作り放ち、船に当たると爆炎に包まれる
『マルス!! 壊すの!!』
キリシアが驚いて叫ぶ
『壊れてないでしょ』
マルスが笑顔で言うと、船が炎の中から出てくる
『マルス・・・解っていても、驚きます。全体に4層の紋様魔法が書き込まれています』
リリシャが微笑みながら言う
『倒れないように、両サイドのあの当たりに、浮揚の魔導具を並べて、埋め込んでいます』
マルスが笑顔で言うと、アクアコントロールで横倒しにしてから戻るのを確認する
『魔導船にしなくても、壊れない船なら良いですね』
フローネが微笑みながら言う
『アルクオドールに運用を考えて貰おう』
マルスが笑顔で言う
『マルス師匠、押し付けですね』
メトリシアが笑いながら言うと、全員笑い始める
英雄騎士隊が到着すると、アルクオドールがやってくる
『英雄殿、あの船は?』
アルクオドールが船を不思議そうに見ている
『暇だったから、暇潰しで作ったから、交易船にでもしてね』
マルスが笑顔で言う
『え! ひひひひっ暇潰しーーー!! あんな大型船を作った!!』
アルクオドールが驚いて叫ぶと、リリシャが魔法を使い簡単に壊れないのを見せ付ける
『凄いですが・・・・この船どうするのですか?』
アルクオドールが真剣に聞く
『隣国との交易に使ってね! 風の魔導具も、羅針盤も、ライトも作ってあるから、迷子にならないかな?』
マルスが笑顔で言う
『え! つつつ使ってね!!! もしかして貸してくれるのですか?』
『造船所を貸してくれているからね』
マルスが笑顔で言う
『対価どのぐらいですか?』
アルクオドールが真剣に聞く
『クレシア様に任せます!!』
マルスが笑顔で言うと、全員笑い始める
『英雄殿に対価の話しは・・・してもダメですね、海兵に使って確認させます』
アルクオドールが真剣に言うと、海兵が乗り込み船を動かし始める。一周して戻ってくると、海兵が笑顔で報告に来る
『凄い船です! 波でも安定しています! 交易船になることが前提に作られているので、倉庫も広く、船内も使い易いですが、魔法使いが必要です』
海兵が笑顔で言う
『船の価値はどのぐらいと思うか?』
『え! えーと、解りません! 大型船の5倍でも安いと思います』
海兵が真剣に言う
『ウンディーネ号の護衛船として、同行するように!』
アルクオドールが真剣に言うと海兵が同意して準備に向かう
『護衛?』
『国王陛下から、今回は最初から海軍の護衛を付け、外交担当を乗せて行くように手紙が有りました! この船なら、沈みません』
『そうだね、試験航行には良いね』
『ついでだから、木材で盾と浮揚の魔導具を作りますね』
マルスが笑顔で言う
『あ!! マルス師匠がやる気を出した!!』
メトリシアが笑顔で言う
『マルス、もう1隻作りますか?』
リリシャが微笑みながら言う
『そうだね・・・材料が足りないね!大型魔獣用にカタパルトでも作ろうか? 銛発射装置も良いかな?』
マルスが考え始めると、アルクオドールが苦笑いしている
(マルス殿・・・これで遊び感覚なのか?)




