階層主討伐
3層に降りる階段まで行くと、冒険者が警戒している
『終わったから、地上に上がるよ』
キリシアが笑顔で言う
『全員呼んできます』
冒険者が嬉しそうに言うと、冒険者達を呼びに行く
(槍の女神様が助けに来てくれたぞ!! 地上に戻るぞ!!)
下から聞こえてくると、キリシアが赤くなる
『恥ずかしい・・・』
キリシアが呟くと、みんな笑い始める
地上の門に到着する
『終わったから、開けてください』
ライオスが扉を叩きながら言うと、門が開き外に出る
『キリシアさん、マルス君、ルメイルさん、ナディアさん、レティナちゃん、イリアちゃん、ラーザ君、ライオスさん、クララさん、お帰りなさい』
ヘザーネが笑顔で言う
『ヘザーネ、これね』
キリシアが魔石の袋を渡すと、ヘザーネが中を確認して、大魔石を確認する
『冒険者ギルドで買い取りしますね』
ヘザーネが笑顔で言うと、職員に伝え冒険者ギルドに向かって歩き出す
『ヘザーネ、待っていてくれたの?』
『キリシアさんなら、すぐに倒して帰ってくると思っていました』
ヘザーネが笑顔で言う
『今回は魔石を拾っていただけだよ』
キリシアが笑顔で言う
『え!! 誰が倒したのですか?』
『ナディアがトドメを討ったよ』
『え!! ナディアさんが!!』
ヘザーネが驚いてナディアを見る
『ごめんなさい。足止めのつもりが、吹き飛ばしたら、ファイヤーストームに巻き込まれて、倒しちゃいました』
ナディアが苦笑いして言う
『え? 倒すつもりでは無かったのですか?』
『え! ラーザ君とライオス君が戦う予定だったので、雑魚を殲滅してました・・・反省しています』
ナディアが苦笑いしている
『そうですか・・・この程度、敵にもならないのですね』
ヘザーネがキリシアを見てから、呟く
冒険者ギルドに到着すると、応接室に向かい、バイルが入ってくる
『階層主討伐、ありがとうございます』
バイルが笑顔で言う
『ギルドマスター、雑魚を殲滅中に間違って、ナディアさんが倒したそうです』
ヘザーネが真剣に言うと、詳細をみんなで説明する
『仕方無いですが、階層主討伐の証を全員に与えます・・・弟子の練習台にするとは、思っていましたが、レティナちゃんの敵にもならないとは』
バイルが苦笑いする
『簡単に与えて良いのですか?』
ライオスが真剣に聞く
『受け取ってください。リベリアの英雄は、絶対に面倒だから、受け取りませんが、階層主討伐の実績は、本当なら凄いことです。ちなみにヘルゼレス王国から、階層主討伐の証を与えて欲しいと、連絡が有りましたが、誰が倒したのですか?』
バイルが真剣に聞く
『沢山倒したけど、ギルドが知っているのは・・・魔法学院のチームで行った時だと思います』
マルスが笑顔で言う
『魔法学院のチームと言うことは、ミリアさん達ですか?』
『ルキアとリーネとハルドとアーセルとエレリアだったかな?』
『本当に倒したのですか?』
『魔法で焼き尽くしている時に、突進してきたから、バリア張ったら、激突して頭が潰れて自滅したよ』
マルスが笑顔で言う
『簡単に言われると・・・本当に倒したのですね。当人達がここにいないので、証追加は出来ないですね』
バイルが苦笑いしている
(いつも通りか・・・受け取るのか?)
『あの、今回の階層主は、本当に強いのですか?』
ライオスが真剣に聞く
『普通の冒険者では、太刀打ち出来ないです。キリシアさん達が、出掛けていたら、警備隊に依頼しようと思っていました。ナディア師もイリアちゃんもレティナちゃんも王国名誉魔法使いの称号を持つ、王国有数の魔法使いですから、簡単に倒せたと思ったのでしょう』
バイルが真剣に言う
『称号? 称号って何ですか?』
『沢山勉強した御褒美に王妃様から貰った物です』
レティナが笑顔で言う
『本来は、王国で名の有る魔法使いに与えられる、称号で、貴族と同列に扱われます。貴族が下手に敵視してきたら、称号を与えた王家に文句を言うのと同じことになります』
バイルが真剣に説明をすると、ライオスとクララは青ざめている
『お兄ちゃん、そうなの?』
レティナがマルスを見て言う
『レティナとイリアは、御褒美だよ』
マルスが笑顔で言うと、バイルが苦笑いしている
(称号だが、レティナちゃんなら、御褒美で良いのか?)
『ギルドカードを預かりますね』
ヘザーネが微笑みながら言うと、ライオスとクララとレティナとイリアとナディアがギルドカードを出して渡す
『これが階層主討伐の証・・・』
ライオスが真剣に見ている
『これで普通の冒険者の仲間入りです』
クララが真剣に言う
『これは?』
ナディアが証を見て聞く
『冒険者ギルド認定の、名誉魔法使いの証です。リベリアの英雄の全員に与えても良いのですが、未成年に与えるのは、良くないので、ナディア師にだけ、先に与えます。不利益は有りませんが、トラブルに巻き込まれたら、冒険者ギルドが後ろ楯になります』
バイルが笑顔で言う
『魔法学院に入れなかった私が貰っても良いのですか?』
『師匠が師匠なので、受け取ってください。それにレティナちゃんを守ってください』
バイルが真剣に言う
『解りました。才能が無いのですが、頑張ります。』
ナディアが頭を下げて言うと、バイルが笑顔で満足そうに頷く
(やっと受け取ってくれた!!)
『マルス君、どこかに遠征に行ったのですか? 飛空艇が上空に飛んでいますが・・・』
ヘザーネが真剣に聞く
『国家機密です。 オルフェスタ・ガゼルド王国を叩き潰してきたよ! 売られた喧嘩の後始末です』
キリシアが笑いながら言う
『そう言うことにしておきましょう・・・あの賊達も大変な相手に喧嘩売ったようですな』
バイルが笑いながら言う
『喧嘩売る方が悪い!! 売るなら、売られる覚悟しろ!!』
キリシアが笑顔で言うと、みんな笑い出す




