リオンド・ベクラード王国
翌朝、準備が終わる
『フローネ先生、行ってきます』
リリシャが笑顔で言う
『隣国ですから、常識外れな事をしないでくださいね』
フローネが笑顔で言う
『気を付けます』
リリシャが笑顔で言う
『ラーザ、この剣使ってね』
ミリアが笑顔で手渡す
『ありがとうございます。ミリアさんが作った魔剣ですか?』
ラーザが嬉しそうに言う
『久しぶりに作りました』
ミリアが笑顔で言うと、フローネが苦笑いしている
『これはライオス君の分です』
リシリアが笑顔で手渡す
『リシリア様、ありがとうございます』
ライオスが笑顔で受けとると、フローネが微笑んでいる
『リシリアさんどんな付加にしたのかな?』
マルスが笑顔で聞く
『まだ実力不足で、構造強化、麻痺耐性強化、体力強化回復、生命力強化回復です』
リシリアが笑顔で言う
『は? 何を!! マルス何を教えているのですか!!』
フローネが驚いてマルスを見る
『え? 自分では無いですが・・・』
マルスが呟くとリリシャを見る
『え? 普通ですよね? 4つだから』
リリシャが笑顔で言う
『完全に監視不足でした』
フローネが苦笑いして言うと、ミリアを見る
『え? 構造強化と麻痺耐性と毒耐性と体力強化回復と生命力強化回復です・・・才能無くて、こんな弱い魔道具ですいません』
ミリアが涙目で言う
『もう手遅れでしたね・・・ミリアは自信を持ちなさい! ラーザ、ライオス、大事に使いなさい! けして誰にも譲らない様に、良いですね』
フローネが真剣に言うと、ラーザとライオスが真剣に頷く
気空挺に乗り込むと、気空挺は、南東に向かって飛んで行く
エレーヌは外を食い入る様に見ている
『エレーヌ、故郷を見るのは辛いかな?』
マルスがエレーヌに聞く
『マルス師匠、私の知っている町はもう有りません・・・初めて空から町を見ました・・・あの付近が私の家が有った場所です』
エレーヌが真剣に見ながら言うと、思い出を話し始める。マルスとエミールは静かに聞いている
翌朝、リオンド・ベクラード王国の国境に一番近い町が見えてくる
『あの状態は、壊滅したままか』
マルスが呟く
『あれはリザード』
エビリアが双眼鏡で見て言う
『駆除が出来てないのですね』
リリシャが真剣に言う
『リザードなんて雑魚なのに』
メトリシアが真剣に言う
『この状況だと、交易は無理だね』
マルスが真剣に言う
『外交力の無さを実感しますね・・・』
メトリシアが呟くと考え始める
周囲を見ながら、2日後、王都が見えてくると、気空挺は降下して門に近付く
『クライドルド王国からの使いですが、国王陛下に謁見の使者と着陸場所の指定をお願いします』
マルスが大声で門の兵士に言う
『え? どうしたら・・・』
兵士が戸惑っていると、上官が怒鳴り兵士が馬で走っていく
『空からの訪問は初めてなので、王城の門にゆっくり進んでください』
兵士が大声で言うと、気空挺はゆっくり王城の門に向かって進む。騎士の案内で王城の裏手の空き地に着陸すると、メトリシアとヒストリアとマルスと外交担当が気空挺を降りる
『クライドルド王国よりの使者の方、国王陛下がお待ちです』
騎士と着飾った重臣が睨みながら言うと、案内してくれる
部屋に入ると、重臣達に並び玉座に国王と王妃が座っている。外交担当が挨拶をすると、メトリシアが親書を差し出し、重臣が受け取り、国王に渡すと、読み始める
『ただの挨拶か・・・外交担当の滞在は許可する・・・空からの訪問だと、北側の壊滅した町も見たと思う』
国王が真剣に言う
『はい、空から見ました』
外交担当が真剣に答える
『陸路から交易が出来なくなり、海からの交易に頼っている状況だが、クライドルド王国とは隣国友好関係は継続する』
国王が真剣に言う
『我が国も外交下手な担当の為、情報が少なく、中々親書も出せていなかった事をお詫びします』
外交担当が真剣に言う
『カーレスト諸島やアーメルドと交易をしたいとは思っているが、今まで交渉のルートが無かったが、良いきっかけになると期待している』
国王が笑顔で言う
『滞在中、町中の観光と警備を任せても宜しいですか?』
外交担当が真剣に聞く
『迎賓館で本日は滞在して欲しい。警備と護衛は付ける』
国王が笑顔で言うと、マルス達は気空挺に戻り、迎賓館に移動する
翌日、騎士の案内で町中を見て回ると、食料と果実類を買い、冒険者ギルドに向かう
『ギルドマスターはいますか?』
マルスが真剣に聞く
『どの様なご用件ですか?』
職員が騎士をチラ見してから言う
『こちらの手紙を渡しに来ました』
マルスがオイゲルの手紙を出すと、紋章を確認して、慌てて奥に行く。白髪の威厳の有る男が出てくると、部屋に案内される
『この紋章、クライドルド王国のギルドマスターよりの手紙だな・・・』
男が真剣に手紙を読み始めると、マルス達を見て溜め息をする
『あのリベリアの英雄様が来訪とは、国王は知らないのか?』
ギルドマスターが苦笑いする
『知らないですね。伝えるのも面倒ですから』
マルスが笑顔で言う
『この国の状況だが、かなり悪い! 北側はリザードに占領されたままで、西側は何とか交易路を確保は出来ているが、南側は、侵略されそうになっている・・・海もガベラス王国に向かった交易船団が半分になって戻ってきた』
ギルドマスターが真剣に言う
『そう言えば、カーレスト諸島で1隻難破船を見付けましたが、生き残りは1人でした』
マルスが真剣で言う
『何て船だ!!』
『え? 覚えてないですが、海軍が保護しています』
マルスが真剣に言う
『良い情報だ! カーレスト諸島だと中々帰還は出来ないだろう』
ギルドマスターが笑顔で言う
『南の侵略と言うと、戦争に?』
メトリシアが真剣に聞く
『あの地域は、昔から紛争地域だ! 結構豊な農業地域だからな』
『あと、オルフェスタ・ガゼルト王国の情報は有りますか?』
マルスが真剣に聞く
『あの国か・・・隣国に力を貸していると噂が有るが、今魔工王国にかなり侵攻していると情報が有った、魔法王国も苦戦している様だ!! 古代武器の威力に太刀打ち出来てない様だ』
ギルドマスターが真剣に言う
『そうですか・・・外交能力が無いせいで、情報が入ってきてないのね』
メトリシアが残念そうに言う
『何か有ったのか?』
ギルドマスターが真剣に聞く
『色々な国で、オルフェスタ・ガゼルト王国が暗躍している事実が有りすぎる。国家機密だから言えませんが・・・何か情報が有れば集めておきたいと思います』
マルスが真剣に言う
『何が有ったか知らないが、相当な事なのだな!! 情報が入ったら、クライドルド王国に伝わる様にしておこう』
ギルドマスターが笑顔で言う
冒険者ギルドを出ると、町中を見ながら迎賓館に戻る