クリスタルスネークの巣
国境の町に到着すると、クレオル王子が笑顔で出迎えてくれる
『メトリシア様、こんなに早く帰ってくるとは思いませんでした』
クレオルが笑顔で言う
『国境まで騎士団が来ていたので、親書を預けて戻ってきました。騎士団も必死にここを目指しています』
メトリシアが微笑みながら言う
『え? 騎士団も?本当ですか?』
クレオルが驚いていると、護衛騎士が苦笑いしている
夕方になると騎士団が到着する
『遅い!!』
キリシアが笑顔で言う
『村から全力です! これでも早いと思います』
騎士団長が苦笑いする
『挨拶に行くよ』
キリシアが笑顔で言うと、クレオルの元に向かう
『クライドルド王国騎士団の皆さん、こんな遠くまで来て頂き、ありがとうございます』
『クライドルド王国騎士団長です。急ぎ来た為、まだ状況も解らず申し訳ない』
騎士団長が苦笑いする
『え? 騎士団長? 何故』
クレオルが驚いて、メトリシアを見る
『小間使いです。役に立たないけど、人手にはなります』
メトリシアが笑顔で言うと、騎士団長が苦笑いする
『王国騎士団の団長ですよね?』
『そうですよ、誰もなってくれないから、まだ騎士団長です。』
『誰もなってくれないから? 何故ですか?』
『権力欲が無い達人が沢山いるからです。娘に負けて泣くぐらい情けない騎士団長ですから』
メトリシアが微笑みながら言う
『メトリシア様!!それは言わないでください!!』
騎士団長が慌てて言う
『え? 事実ですよね』
『え!! じじつです・・・』
騎士団長が苦笑いしながら呟く
『否定してくれたら、ヒストリアと一騎討ちだったのにね』
キリシアが笑顔で言う
『騎士団長に容赦ないです』
クレオルが苦笑いする
『いつもの事です。傲らなくて良いですよね』
メトリシアが笑顔で言うと、クレオルが苦笑いしている
クレオルと騎士団長と一緒に状況確認する
『今後ですが、探索しながら東側の山脈地点まで行く事で良いですね』
マルスが真剣に言う
『構いません。1日でも早く民を安心させたいです』
クレオルが真剣に言う
『この2つの町まで行き、ここまで広がった原因を探すのですね』
騎士団長が真剣に言う
『その通りです。オルフェスタ・カゼルドが何をやったか、調査も必要です』
マルスが真剣に言うと、みんな頷いている
数日かけて町を目指しながら進むと、町が見えてくる。町中の魔物を捜索する
『メトリシア様、この先の山に元々生息していたので、ここから何かあると思います』
クレオルが真剣に言う
『ここから何が有るか解らないのですね。何か無くなっているものは有りましたか?』
『それなのですが、中央に有った大きな魔道具が無くなっています』
クレオルが真剣に言うと案内して、説明と古文書を見せてくれる
『マルス師匠、もしかして・・・これが原因ですか?』
メトリシアが真剣に言う
『そうだね。そうだとしたら、人の事より自分達の事しか考えてないね』
マルスが考え始める
『オルフェスタ・カゼルドは、何を求めて来たのですか?』
マルスが真剣に聞く
『重要な結晶と言ってました。この魔道具とどの様な関係が?』
『魔道具がクリスタルスネークが近付きたくない影響を与えるものなら、それが寝床に置かれたらどうなる?』
『え? それは・・・逃げ出します!! もしかして』
『マルス師匠、もう1つの町もそうだとしたら、大変な事です!すぐに調べましょう!!』
メトリシアが真剣に言うと、クレオルが真剣に見ている
『東の山に行こう! もし魔道具が有るなら、見つけて持って帰って来れば良いよね』
マルスが真剣に言う
『あ!! はい! マルス師匠!!』
メトリシアが真剣な顔付きで言う
『英雄様、お願いします』
クレオルが真剣に言うと、マルス達は準備を始める
マルスとキリシアとリリシャとルメイルとケニスとオルガーとオリスとイースが英雄騎士隊とオテリオス王国騎士と共に山に登っていくとメトリシア達は気空挺で高度を保ちながら進む
『マルス、何か有るよ』
キリシアが言うと大きな魔道具が置かれている
『あれがそうかな? ん?誰か倒れている』
マルスが見つけて近づくと、白骨化しかけている人が数人倒れている
『これは・・・』
キリシアが苦笑いすると、英雄騎士隊の騎士達が確認をして穴に埋葬する
『間違いなくオルフェスタ・カゼルドの兵士です。後、この様な物を沢山持っていました』
騎士が箱を出すと、マルスが中を確認する
『これは、水晶結晶だね・・・それに安定化されている』
マルスが真剣に言う
『クリスタルスネークを倒したの?』
キリシアが真剣に聞く
『あ! クリスタルスネークの過去の死体が有れば取れるよね、鱗が古いから』
マルスが真剣に言う
『え? まさかその為に魔道具を?』
リリシャが不機嫌そうに言う
『多分、確認しよう』
マルスが真剣に言う
山道を歩いていくと、窪地に到着する。穴の近くに魔道具が落ちているが、周囲に白骨化した遺体が散らかっている
『ここが原因?』
キリシアが呟くと、マルスが遠くにいるクリスタルスネークを見付ける
『魔道具のせいで近付けないのかな? だけど、大きなクリスタルスネークが暴れたのかな?』
マルスが真剣に言う
『絶対に許さない!!』
キリシアが怒鳴ると、同行した騎士が怒りに震えている
『まずは警戒しながら、調査しよう』
マルスが言うと、窪地に降りて周囲を確認しながら、死体の持ち物を確認していく
『マルス! これを見てください』
リリシャが慌てて言うと、マルスがみんなに読んで聞かせる
『戦争の道具の為に・・・絶対許さない!!』
キリシアが怒りを込めて叫ぶ
『こんな事の為に・・・多くの人を不幸に・・・』
ケニスが怒りに震えている
『マルスどうする? オルフェスタ・カゼルド潰す?』
リリシャが真剣に言う
『今は無理だね・・・魔法王国と魔工王国に頑張って貰おう! それよりここの始末して、これ以上奴らに武器を作らせない事が重要だよね』
マルスが真剣に言う
『もちろん!! 全員、重要な証拠を集めたら、結晶は全部回収するよ』
キリシアが真剣に言うと、騎士達は真剣に証拠と結晶などを集める
『マルス、この穴の奥に何か有るのかな?』
リリシャが真剣に言う
『少し調査しよう。ルメイルは残って周囲の監視をお願い』
マルスが真剣に言うと、ルメイルが頷き、キリシアとリリシャとマルスとケニスとオルガーとオリスとイースが洞窟に入って行く
『綺麗・・・』
キリシアが呟くと、水晶に囲まれた泉が有る
『キリシア、あそこ。大きなクリスタルスネークの死体が有る』
マルスが指差すとみんな近づく
『結晶が無いね。鱗も取られている』
キリシアが真剣に見ながら言う
『他にも骨が有るから、ここがクリスタルスネークの巣穴かな? それに泉に魔力を感じる』
マルスが真剣に言う
『魔力溜まり・・・クリスタルスネークはここで魔力を吸収していたのですね』
リリシャが真剣に言う
『ここが無くなったから、魔力を求めて広がったのかな?』
マルスが真剣に言う
『間違いないですね・・・魔道具を退かしたら、クリスタルスネーク達は降りて来なくなると思います』
ケニスが真剣に言う
『ん? あれは…あれは何だろう?』
マルスが奥を見ると、水晶に文字が書かれている。リリシャが真剣に見ている
『マルス、これって・・・』
リリシャが苦笑いする
『え? 魔導炉を求めるものへ、クリスタルスネークは保護をするように、全てを狩り尽くしたら、2度と魔導炉は作れなくなる、魔導師マルス・・・』
マルスが苦笑いする
『マルス・・・マルスに似ているね』
リリシャが笑い始める
『この紋章・・・そう言う事か・・・』
マルスは真剣に紋章を見て思い出していると、別の水晶を見る
『魔導炉の秘密は、こう言う事か・・・ならば作れる!』
マルスが笑顔で言う
『マルス、どうしたの?』
リリシャが真剣に見つめている
『魔導炉は、あの水と水晶から考えられた、魔力発生装置だよ!ここが最初の魔導炉だよ! そして、魔導炉の完成版は、クリスタルコンバージョンとフュージョンとユニオンを使えないと作れないと言うこと! 帰ったら作るよ』
マルスが笑顔で言う
『早く帰ろう』
キリシアが笑顔で言う
『もう少し読みたい』
マルスが笑顔で言うと、水晶に触れていくと次々と水晶の文字を読んでマルスは片手で魔法を使い始める
マルス達が洞窟を出ると、既に埋葬が終わっている
『荷物も回収しました、どうしますか?』
ルメイルが真剣に聞く
『撤収しよう』
キリシアが笑顔で言うと、マルスが魔道具をレビテーションで浮かせて運び出す。遠くで見ているクリスタルスネークが近付いて来る。マルス達は一度離れた位置に魔道具を置いてから、洞窟を確認すると、クリスタルスネークが洞窟に入って行くのを確認する
『まさか、クリスタルスネークの巣に入れないから広がったのか・・・』
騎士が震えながら言う
『クリスタルスネークも被害者だね・・・悪いのは強欲な人だ』
マルスが真剣に言う
『この件は確認しました・・・絶対にオルフェスタ・カゼルドだけは許しません』
騎士が震えながら言うと、町まで戻ることにする