クレオル王子とメトリシア
気空挺が着陸すると、騎士達が集まる
『状況はどうですか?』
マルスが真剣に聞く
『町中の探索は終わりました。町の周囲は応援が来たら始めます』
騎士が真剣に言うと、騎士が走ってくる
『主力が到着しました』
騎士が報告すると、騎士と兵士がやってくるのが見える
『英雄様、やっぱり早く来て良かったです』
クレオルが笑顔で言う
『クレオル王子様、こんな朝早く来たのですか?』
マルスが笑顔で言う
『この魔物、確認をしたかったので! すぐに周囲の警戒も始めさせます』
クレオルが笑顔で言うと、騎士が走っていく
『クレオル様、余り無茶はしてはいけないですよ』
メトリシアが真剣に言う
『無茶はしてません! ここを早く安全に出来れば、逃げている民の保護に繋がります! 王族として当然の事です!! メトリシア様も前線にいますよね』
クレオルが笑顔で言う
『それは師匠の弟子ですから!』
メトリシアが笑顔で言う
『この国の王子だから、民の為に戦います』
クレオルが笑顔で言う
『クレオルは無茶です! 周りの護衛達の迷惑にならないように気をつけてください』
『どうしてですか? メトリシア様も前線にいて・・・』
『自分の身は自分で守れるようになってから言いなさい!!』
『メトリシアも英雄殿に守って貰っていますよね』
『自分の身は自分で守れます!!』
『そんな事言っても、信じられません』
『クレオルさま、相手の実力も解らない様では、ダメですよ』
メトリシアが微笑むと、周囲の騎士が苦笑いしている
『メトリシア様が自分で身を守れるなんて信じられません!!』
『誰か相手して貰えますか? 面倒だから全員でも良いですよ』
メトリシアが笑顔で護衛達に言う
『メトリシア様、怪我しますよ』
『雑魚が相手で心配なんて無いです』
メトリシアが微笑みながら言うと、護衛騎士が睨んでいる
護衛騎士3人とメトリシアが向かい合うと、護衛騎士達が一斉にかかって来ると、メトリシアがかわしながら1人目を杖で腹を殴り、背中に杖を叩き付けると、2人目の腕を杖で殴り、顎を殴りあげる
『速い!!』
騎士が慌てて構えると、メトリシアは足を殴り体勢を崩させると、殴り飛ばして、騎士は地面を転がる
『嘘・・・凄い』
クレオルが青ざめて呟く
『このぐらい出来てから、前線に出なさい!! 良いですね』
メトリシアが真剣に言う
『え! あ!! はい・・・メトリシア様』
クレオルが慌てて返事をする
『護衛騎士も、魔法使いに簡単にのされる様では、護衛になりませんよ! 鍛練しなさい!!』
『はい! 申し訳ありません』
護衛騎士が慌てて返事をすると、クレオルがメトリシアを見つめている
(メトリシア様・・・こんなに強いなんて・・・綺麗で美しくて強いなんて・・・それも王女様・・・)
数日間、周囲の魔物の警戒と探索が進むと、山に逃げていた住民達が保護を求めて集まり始める。マルス達は一度援軍を呼びに国境に向かう事にする
『メトリシア様、気を付けてください。こちらは親書です。』
クレオルが笑顔で言う
『クレオル、無茶しないで、後退する事も考えてくださいね』
メトリシアが微笑みながら言うと、気空挺に乗り、気空挺は上昇する
『メトリシア様・・・』
クレオルは見送りながら呟く
南下すると、国境の村に騎士団を見付ける。気空挺は降下して着陸する
『英雄殿!! どうでしたか?』
騎士団長が真剣に言う
『騎士団長、来ていたんだ』
キリシアが笑顔で言う
『来てなくても、呼び出されますので』
騎士団長が苦笑いして言うと、周囲の騎士が苦笑いする
『沢山の食料と、戦力が必要です』
メトリシアが真剣に言う
『戦力? 危機なのですね』
騎士団長が真剣に言う
『時間が無いけど、魔物を見付けたら、後退して被害を出さないようにしてくださいね。騎士団長では対応できないから』
メトリシアが微笑みながら言う
『戦力は、英雄騎士隊に任せます・・・20人連れてきています』
騎士団長が苦笑いすると、後ろを見る
『騎士団長、気が利くね。鍛練するよ』
キリシアが笑いながら言う
『親書を国王陛下に渡してください』
メトリシアが微笑みながら言うと、状況を詳しく書いた手紙も一緒に渡す
『え? キリシア殿とマルス殿2人でやっと倒せる魔物・・・不可能だ・・・キリシア殿が負けた?・・・』
騎士団長が呟く
『騎士団長、訓練したい?』
キリシアが睨みながら言う
『いえ!! とんでもないです!! キリシア殿』
騎士団長が青ざめて言う
(これって・・・危機所の問題じゃない! キリシア殿に勝つ魔物なんているのか・・・)
騎士団はすぐに出発すると、キリシア達は食料を積み込み、翌朝出発すると数日後、南下して来た騎士達が見えてくる
『マルス師匠、あれは迎えですか?』
エビリアが笑顔で言う
『一度先に行って、確認しよう』
キリシアが笑顔で言うと、降下しながら村に着陸する。騎士が走ってくる
『英雄様、早い戻りで良かったです。』
騎士が笑顔で言うと、村の東側に魔物を3匹発見して監視していると報告をする
『マルス、倒して待とうか?』
キリシアが笑顔で言う
『3匹か・・・キリシア、ルメイルとケニスとオルガーとオリスとイースに経験させよう』
マルスが真剣に言う
『え? 獲物・・・仕方ない』
キリシアが苦笑いして言うと、ルメイルとケニスとオリスとオルガーとイースが向かう。何とか倒して戻ってくると、リリシャが肉片を焼き払い、炭の中から水晶結晶を取り出すと、イースが箱にしまう
騎士団が到着すると、騎士達が驚いている
『英雄殿、騎士団が何故?』
騎士が驚きながら言う
『国境まで到着していましたので、食料を運んで来て貰いました。』
マルスが微笑みながら言う
『クライドルド王国騎士団長です。いきなり国境を越えたこと申し訳ありません』
騎士団長が挨拶をする
『援護ありがとうございます。この状況で来てくれるなんて、本当に有難いと思います。』
騎士の隊長が慌てて挨拶をする
『騎士さん、北の町まで一気に進んで食料を届けたいんだけど、良いですか?』
『是非お願いします』
『騎士団長、すぐに出発ね。ここからは全速力で行くよ』
キリシアが笑顔で言うと、騎士団長が苦笑いして騎士に伝える