ヴァルファーの許可?
魔導船の出港前日になる
『マルス、決定したのかな? オルガー君達の事』
リリシャが真剣に聞くと、みんなマルスを見ている
『凄く良い子だからね、だけど絶望は見せたくない・・・それにこの国に残れば、きっと良い冒険者として、名を残せる実力は有ると思う』
マルスが真剣に言う
『絶望?』
キリシアが呟く
『多分、魔族との戦いや魔獣の大量発生が起きれば、多くの人の死を見せる事になりかねない・・・それが良いのかな?』
マルスが真剣に言う
『前衛は覚悟も必要になります』
メトリシアが考えながら言う
『マルスの近くにいると、ゆっくり修行も出来ないからね』
キリシアが笑いながら言う
『マルスだから仕方ないですね』
リリシャが微笑んでいる
『酷いな・・・人が真剣に考えているのに』
マルスが真剣に抗議すると、みんな微笑んでいる
『もう答えは出ているのでしょ。マルスの考えは解っています』
リリシャが微笑みながら言う
『マルスだから、こんなに弟子が多くなったのだから』
キリシアが笑顔で言う
『全部自分のせい?』
マルスが苦笑いする
『無計画に人を鍛えすぎ!』
キリシアが笑いながら言うと、みんな笑い始める
『魔法使いだけでなく、剣士としての弟子もいますからね』
リリシャが微笑みながら言う
『弟子として連れていくなら、マルスの弟子は辞めた方が良いかな?』
キリシアが考えながら言う
『ケニスの弟子として、鍛えてもらえば良いです』
メトリシアが真剣に言う
『え? 私ですか?』
ケニスが驚いて言う
『それが良いですね。ケニスさんよろしくお願いします』
リリシャが真剣に言う
『リリシャ様・・・解りました。礼儀作法は教え込みます。』
ケニスが考えて言う
『あの・・・決定したのかな? 連れて帰ると言ってないけど』
マルスが苦笑いして言う
『決定だよ?』
キリシアが笑顔で言うと、みんな笑って頷いている
『マルス師匠、責任は取らないとダメです。マルス師匠が鍛えすぎました。』
ミリアが真剣に言う
『騎士も海兵も警備隊隊員も鍛えすぎですね』
フローネが苦笑いして言う
『それは、キリシアの責任でしょ』
マルスが苦笑いして言う
『え? 楽しいから!!』
『キリシアさん、リリシャさん、マルスの責任です! 2ヶ月で何処まで鍛えたのですか?』
フローネが真剣に言う
『先生、私は関係ないはず』
リリシャが苦笑いする
『ルキアさんとリーネさんとアーセルさんとハルドさんに、マルスがいない間、魔力制御と魔導書の内容を教え込んでいましたよね』
フローネが微笑みながら言う
『それは教えて欲しいと頼まれたから』
リリシャが苦笑いする
『え? リリシャ、何処まで教えたの?』
マルスが苦笑いする
『エミールの魔導書の範囲です』
リリシャが笑顔で言う
『エミールの魔導書! 確かいくつか現在使われない魔法が入っているよ』
マルスが考えながら説明する
『え?・・・忘れていました・・・いつも普通に使っていたので』
リリシャが苦笑いする
『リリシャさん、自覚が足りないですね。魔法学院の講師にならなくて、正解だったようですね』
フローネが真剣に言う
冒険者ギルドに向かい、ヴァルファーを呼び出す
『何の様だ!』
ヴァルファーが真剣に言うと、オルガー達もやってくる
『ヴァル兄さん、マルス師匠』
オルガーが声をあげる
『揃った様だから、ヴァルファー、オルガーとオリスとイースの覚悟は、知っているね』
マルスが真剣に言う
『好きにすれば良い!!』
ヴァルファーが睨みながら言う
『イース、一緒に来ると言う事は、オルガーと一生一緒にいる事になるけど、本当にそれで良いのかな?簡単に帰れないからね』
マルスがイースに真剣に見つめながら言う
『一生・・・オルガー良いのかな?』
イースが、赤くなりながら、オルガーを見る
『え? 一生・・・』
オルガーが呟くと、赤くなってうつ向くと、ヴァルファーが苦笑いする
『オルガー、行動の責任を考えなさい』
マルスが真剣に言う
『マルス師匠・・・』
オルガーが呟くと、考え始め、オリスが真剣に見ている
『オリス、獣人として、一生独り身で、迫害を受ける覚悟は有るかな? 常に人々から見つめられ、面倒な奴等から狙われ、最悪の娼婦にされる覚悟も』
マルスが真剣に言う
『マルス師匠、覚悟は有ります。もしそうなるなら、自害しても良いです! それよりマルス師匠の教えとオルガーの成長を見守ります。お母さんとお父さんと約束しましたので』
オリスが真剣に言う
『オリス、もうオルガーは、1人前だ! オリスも自由に生きろ!!』
ヴァルファーが真剣に言う
『マルス師匠について行きたいの』
オリスが笑顔でヴァルファーに言う
『オリス・・・決めたなら、好きにしろ! 後悔はするなよ!!』
ヴァルファーが真剣に言うと、マルスを見る
『オルガー決めたのか?』
マルスが真剣に言う
『イース・・・独りじゃ何も出来ないけど、一緒に居てくれる?』
オルガーが赤くなりながら言う
『オルガー・・・それって』
イースが赤くなりながら呟くと、オルガーを見ている
『そのー・・・何て言えば良いか解らないけど、死ぬ時まで守るから、一緒にいて欲しい』
オルガーが真っ赤になって言うと、ヴァルファーが真剣に見ている
『はい、オルガー』
イースがオルガーに抱き付いて涙を流して言う
『イース』
オルガーが呟くと抱き締めている
『ヴァルファー、これで良いかな?』
マルスが真剣に聞く
『マルス、オルガーとオリスとイースの事は、頼む』
ヴァルファーが頭を下げながら言う
『ヴァルファーも覚悟しておいてね。オルガーとオリスとイースが弟子として、名を残しても妬まないようにね』
マルスが微笑みながら言う
『は? それは・・・そうなら無い様に鍛練する』
ヴァルファーが考えて苦笑いする
『明日、出発するから、準備をしておいてね』
マルスが笑顔で言うと、金貨の袋を手渡す
『え? この金貨は?』
オルガー、オリス、イースがそれぞれ受け取り、手が震えている
『付いてくるか、準備しながら、もう一度考えるように』
マルスが笑顔で言うと帰っていく
『マルス師匠・・・』
オルガーが呟くと、ヴァルファーが苦笑いしている
(あの袋の大きさ・・・このまま残っても数年は過ごせる量だな・・・マルス恐ろしい)