国王来訪
国王とメーレスとヴァルファーが馬車で港に到着する
『メーレス様、こちらへどうぞ』
海兵が笑顔で出迎える
『もしかして来る事を予想されていましたか?』
メーレスが驚きながら言う
『国王陛下までは、予想されていません』
海兵が苦笑いする
『これが小型の魔導船・・・』
国王が船を真剣に見ていると、乗り込み魔導船の下まで来ると、魔導船の籠に乗り、甲板に上がると周囲を見ている
『国王陛下、メーレス様こちらへどうぞ』
外交担当が挨拶をした後、食堂に案内する
食堂にみんな集まると、国王は部屋の中を真剣に見ている
『御父様、そろそろ挨拶を』
メーレスが苦笑いして言う
『あ!そうであった・・・この度は、国を救って頂きありがとうございます』
国王が真剣に言う
『遺跡探索のついでなので、気にしないでください』
『通り道にいたから、倒しただけ』
『魔法の標的にしただけです』
マルスとキリシアとリリシャが笑顔で言うと、フローネが苦笑いしている
『ヴァンパイアとの死闘、レッサーデーモンまでいるとは・・・本当に国家の危機と実感しています』
国王が真剣に言う
『そんな事より、早くごはん食べよう』
キリシアが笑顔で言うと、みんな笑い出す
『この子達は、ヴァンパイアなんてどうでも良いそうなので、お口に合うか解りませんが、少し食事をとられませんか?』
フローネが微笑みながら言う
『はい!! 楽しみです』
メーレスが笑顔で返事をすると、国王が苦笑いしている
『メーレス様、デザートを食べる前にお腹いっぱいにならないでくださいね』
メトリシアが微笑みながら言う
『え!! デザート・・・考えながら食べないと』
『メーレス、そんなに美味しいのか?』
国王が呟く
『あっ!!』
メーレスが赤くなって、国王を見ると、国王が苦笑いしている
アニーと侍女達が料理を運んでくると、みんな美味しそうに食べ始める
『宮廷料理より旨い・・・』
国王が食べ終わって呟く
『毎日でも食べたい』
メーレスが呟くと、アニーがデザートのジェラートを持ってくる
『あっ! 冷たい』
メーレスが一口食べて言う
『甘くて、美味だな』
国王が真剣に言う
『お口に合ったようで良かったです』
フローネが微笑みながら言う
『しかし、船の中だと思えないぐらい素晴らしい部屋だ』
国王が真剣に言う
『ここだけ、別世界の様です』
メーレスが笑顔で言う
『誰も船に乗せないのは、この設備を見て、欲しくて攻撃されたくないからですね』
フローネが微笑みながら言う
『そうだな・・・その通りだろう』
国王が真剣に言う
『何故私達は招待したのですか?』
メーレスが真剣に聞く
『敵対しないからですね、軽くヴァンパイアを倒す相手に喧嘩売りますか? ガベラス王国と同じ様に』
『それは絶対にしません』
メーレスが苦笑いする
『本当は、他にどの様な魔物がいたのか? ヴァルファーの様子からして、相当な事態だったと思うが』
国王が真剣に聞く
『ベラゼラスとゼリオレスガと言う名は、聞いたこと有りますか?』
フローネが真剣に言う
『ベラゼラス? ゼリオレスガ?・・・どこかで聞いたような』
国王が考え込む
『伝承等で有りませんか?』
フローネも真剣に聞く
『あ! 御父様、魔法王国後期に、この大陸最大の帝国を滅ぼした魔族の名前です!! 残虐の女帝ゼリオレスガと、白き魔神ベラゼラス!!』
メーレスが真剣に言う
『そうか・・・あの伝承の』
国王が思い出すと、内容を説明を始める
『間違いないね、残虐の女帝らしい振る舞いだったからね』
キリシアが笑顔で言う
『強いはずだね』
マルスが笑顔で言うと、リリシャが微笑んでいる
『は?・・・まさか!!』
国王が大声をあげると、立ち上がる
『そのまさかですね、この子達が倒してきた様です。』
フローネが微笑みながら言う
『倒した?・・・魔族だぞ!! 倒せるわけはない!!』
『一騎討ちで倒したよ』
キリシアが笑顔で言う
『そんな・・・』
国王が助けを求めるようにフローネを見る
『倒したようですね。しかし、この事は死ぬまで秘密にしてくださいね』
フローネが微笑みながら言う
『秘密に・・・誰も信じないだろう・・・どのぐらい強いか解らない!』
国王が苦笑いして椅子に座り呟く
『迷宮の39層までは潜れる実力だよ』
キリシアが笑顔で言う
『39層・・・は?』
国王が苦笑いしてフローネを見る
『本当ですね。私でも20層に行きましたから』
フローネが微笑みながら言う
『そんな・・・本当に』
『この子達は、もう常識も何も無いので、秘密にだけしてもらえれば良いですよ』
『アハハハ・・・・秘密は良いが・・・誰も信じないだろう』
国王が苦笑いしている
『想像もつきませんが、秘密は守ります』
メーレスが微笑みながら言う
数日間、帰る準備と交易品の積込をする
『マルス師匠!! お願いがあります!! 自分達を一緒に連れていってください!!』
オルガーが言うと、オリスとイースが頭を下げている
『来ても、自分達の国は獣人がいないから、迫害を受ける可能性も有るけど』
マルスが苦笑いして言う
『それも考えましたが、やはりマルス師匠の為に働きたいです!! ヴァル兄さんに話しましたが、好きにしろと一言でした』
『ヴァルファー・・・逃げたか』
マルスが苦笑いして言う
『困りました。マルス師匠、王都に獣人はいませんので、目立ちます・・・』
メトリシアが真剣に考え込む
『文化が違いすぎるからね』
マルスが真剣に言う
『どんな事が有っても文句は言いません!! もし行って暮らせないのであれば、それから送り返してもらっても構いません』
オルガーが真剣に言う
『マルス、どうしたの?』
キリシアがやってくると、説明する
『難しいかな? 獣人だから王都は無理かも知れない』
キリシアが呟く
『あ! ゼオンに聞いてみましょう!』
メトリシアが思い出して言うと、ゼオンと外交担当を呼び出すと、説明する
『王都に獣人はいませんが、特に法的には問題は有りません』
ゼオンが考えながら言う
『王都だと、英雄殿の弟子で有り、住む場所がしっかりしていますので、生活は出来るとは思いますが、物珍しさから迫害と狙われる可能性が有ります。』
外交担当が考えながら言う
『女性は誘拐される可能性が非常に高いと思います』
ゼオンが真剣に言う
『それでも良いので! お願いします!!』
オルガーが真剣に言う
『マルス師匠、もし襲われるなら返り討ちにします!! イースは私が守ります』
オリスが真剣に言う
『少し考えさせて欲しい』
マルスが真剣に言うと、マルスはみんなに相談してから、返事をする事にする