出発準備
翌日、マルスは馬車を作り続け、3台完成させると、ライトを作る
『マルス師匠、鍛冶職人が剣を持ってきました』
クレスタが笑顔で呼びに来る
『解った』
マルスが笑顔で言うと、倉庫の外に出る
『これでどうだ!!』
鍛冶師が笑顔で剣を見せると、マルスが1本ずつ確認していく
『良いかな?』
マルスが真剣に言う
『それだけか?』
鍛冶師が苦笑いする
『ご苦労様』
マルスが微笑みながら言う
『メーレス姫様から、最速でやるように言われたが、理由がわからん・・・』
『内緒だね』
マルスが笑顔で言うと、剣を持って、倉庫の中に入っていく
『それだけか・・・』
鍛冶師が呟くと、唖然とマルスの後ろ姿を追ってから、帰っていく
(呆気ない・・・喜んでくれないのか? 徹夜だぞ!!)
マルスは剣の魔力の通りを全部確認してから、付与魔方陣を起動して、魔石に魔方陣を書き込んでいくと、次々と書き込んでいく
『マルス師匠、綺麗です』
クレスタが魔方陣を確認すると、魔力を通して、魔道具化していく
『騎士に貸し出す分は完成したね』
マルスが微笑む
『この剣を借りて、無くしたらお仕置きします。』
クレスタが笑顔で言う
『後は、ポーション次第か・・・』
マルスが考え始める
『リリシャ師匠が応援に行ったので、大丈夫だと思います』
クレスタが微笑む
『あ!! 馬具を作ってない』
マルスが苦笑いする
『え? 作ってないのですか?』
クレスタが苦笑いする
『魔導船に戻って、作ってくるね』
マルスが真剣に言うと、マルスは馬具を作りに魔導船に戻っていく
夜になると、みんな帰ってくる
『準備完了ですね。余りの薬草は、倉庫にしまって保管して貰うように頼みました』
リリシャが微笑みながら言う
『馬車と剣は終わったよ。後、外套と馬具と大型の鍋も作ったから・・・何か必要かな?』
マルスが考え始める
『外套は聞いてませんよ』
フローネが苦笑いする
『簡易防具です。鎧を作るの面倒だから』
『マルス・・・本当に簡易ですか? 信用できません』
フローネが真剣に言う
『フローネ師、構造強化、防水防汚、衝撃吸収が付加されていました。』
エレリアが真剣に言う
『それだけですか? 自重してくれたのですね』
フローネが微笑みながら言う
『外套ですから』
マルスが笑顔で言う
『あ!! 盾を作ってなかった』
マルスが真剣に言う
『自重してくださいね』
フローネが真剣に言う
『構造強化と衝撃吸収と魔法防御で良いかな?』
マルスが呟く
『それなら良いですね』
フローネが微笑むとエレリアが青ざめている
(え? フローネ師、良いのですか!! 3つですよ!!)
『カミラと警備隊隊員用は、闇魔法防御と状態異常耐性強化も追加しようかな?』
マルスが呟く
『良いですね』
リリシャが微笑んでいる
翌朝、馬車に荷物を乗せ始めると、オルガーとオリスとイースがやってくる
『マルス師匠! 自分達も同行させてください!!』
オルガーが真剣に言う
『オルガー、ダメだよ』
マルスが真剣に言う
『何故ですか!! 自分達も人の為に戦いたいです!!』
『オルガー、オリス、イースの3人は、王都を守ってほしい。王国騎士団も冒険者も出払ったら、もし魔物が接近しても戦える人が居なかったらどうなる?』
マルスが真剣に言う
『え! それは・・・』
『オルガー、頼んだよ! 人々を守る最後の戦士だからね』
マルスが真剣に言う
『・・・オルガー、マルス師匠の言葉は、全体を見ての事だから、良いわね』
オリスが真剣にオルガーを見ている
『マルス師匠! 必ず帰ってきてください!! 王都は自分が守ります!!』
オルガーが真剣に言う
『ヴァルファー! 文句有るか?』
マルスが後ろで見ているヴァルファーに大声で言う
『気付いていたか!! 文句は無い!!』
『ヴァルファーも頑張ってね』
マルスが微笑みながら言う
『ギルドマスターと国王陛下から、同行する様に命じられている! 文句有るか!!』
ヴァルファーが真剣に言う
『弱いのだから、足手まとい』
キリシアが笑顔で言う
『お前達が異常だ!!』
ヴァルファーが慌てて言う
『オルガーに勝てたら、同行しても良いかな?』
マルスが微笑みながら言う
『は? 負ける筈は無い・・・』
ヴァルファーが苦笑いすると、オルガーが真剣に見ている
『出発前に一騎討ちして』
キリシアが笑顔で言う
ヴァルファーとオルガーが向かい合い、訓練用の剣を持つと、闘気を纏い始める
『オルガー・・・闘気纏える様になったのか』
ヴァルファーが呟くと、接近して剣を振る。オルガーがギリギリでかわして、剣で牽制すると、ヴァルファーがかわして打ち返す。
ヴァルファーが闘気を込めた一撃をオルガーが受け止めると、後ろにオルガーが弾き飛ばされる
『ヴァルファー、本気だしたね』
マルスが笑顔で言う
『マルス!! オルガーを鍛えすぎだ!!』
ヴァルファーが真剣に怒鳴ると、肩で息をしている
『すぐに追い抜かれるね』
『もう教えるな!! 短時間で達人を育てるな!!』
『ん? ヴァルファーが教えないからでしょ』
マルスが笑顔で言う
『負けるのが怖いんだね』
キリシアがニヤニヤして言う
『そそそっそれは!! オルガー! 王都は任せたぞ!!』
ヴァルファーが慌てて言う
『あれれ、ヴァルファー認めたんだね』
『キリシア!! ・・・互角にやり合えるのだから!1人前だ!』
ヴァルファーが大声で言うと、赤くなっている
『3人相手にしていたら、ヴァルファー負けていたけどね、やってみる?』
マルスが笑顔で言う
『いや!やらない!!』
『ヴァル兄さん逃げるのですか? 確か何人で来てもお前達は雑魚だと、言っていましたよね』
オリスが笑顔で言う
『オリス!!』
ヴァルファーが慌てて睨むと、みんな笑い始める
同行する騎士20人と、警備隊隊員3人が集まる
『今回は危険が伴うが、護衛は頼みます』
メトリシアが笑顔で言う
『はい!』
騎士達が真剣に言う
『この剣と盾と外套を貸し出します。無くしたら、全員からお仕置きになりますので、気をつけてください』
マルスが笑顔で言うと、剣と盾と外套をそれぞれ受け取る
『マルス様、この外套・・・』
ハルドが鑑定して青ざめながら言おうとする
『ハルド、何も言わないで使う事です。』
リリシャが微笑みながら言うと、ルキアが耳打ちしている
『リーネ、ハルド、アーセル、ルキアは大魔導師の杖を使ってね』
マルスが笑顔で言うと、クレスタとエビリアが手渡していく
『即席だけど、何とか簡易防具と武器を作れてよかった』
マルスが微笑みながら言うと、全員苦笑いしている