2-6話 ペンダント
鍛冶屋に入ると
カセティが出てきて、奥にギレリムを呼びに行く
『ギレリム、おはよう』
『丁度良かった。アクセサリーが出来上がったぞ』
ギレリムがニッコリ笑いながら箱を出してくる
中を確認すると、8本のペンダントがある。彫刻されていて、中心に小さな丸い魔石がある
『綺麗』
リリシャが呟くと、キリシアが目を輝かしている
『綺麗です』
『彫刻師に頼んだら、予想以上に気合いを入れてくれたからな』
ギレリムが笑う
『魔石を宝石に見立てたから、このデザインで沢山作るみたいだ』
『宝石は高いけど、魔石なら沢山手に入るからね』
キリシアが言うとリリシャも同意する
『この大きさだと付加は無理かもしれないから大事に使おう』
『そうだね』
キリシアが言う
一本取ってギレリムに渡す
『俺はこんなの使わんぞ?』
『渡す相手はいるでしょ』
キリシアが言うと、カセティは微笑む
『俺は使わないから使ってくれ』
ギレリムは赤くなりながらカセティに渡す
『何年ぶりかしら、プレゼントなんて』
カセティは嬉しそうに微笑む
『魔法のランプの外装作ってね』
『わかった。任せておけ』
ギレリムは言うと、奥に逃げていく
『カセティさん、またね』
フローネの家に着くと、エミールが洗濯物を干している
『エミール、おはよう』
『おはようございます。師匠』
洗濯物を干し終わり、一緒に家に入る
『フローネ先生、おはようございます』
『いらっしゃい』
フローネはくつろぎながら本を読んでいた
『昨日は、警備隊との訓練で、隊員を叩きのめしたそうですね』
『結局、1日訓練しました』
キリシアが言うと
『隊員達に恨まれないようにね』
『逆に帰り際の士気が高くて、今頃猛特訓を積んでいると思う』
リリシャが言うと
『隊員の目標にされたのですね』
フローネは微笑みながら言う
『ギレリムの所に寄って取ってきました』
箱の中から一本取り出して渡す
『綺麗ですね。これを私に?』
フローネは嬉しそうに笑う
『先生の分です』
リリシャが言う
キリシアとリリシャとマルスも着ける
『エミールの分はこれです』
『ありがとうございます。師匠』
エミールも嬉しそうに笑う
『後二本、どうする?』
キリシアが言うと
『一本は妹にあげたいだけど、良いかな?』
マルスが言うと、リリシャとキリシアが同意する
『最後の一本はどうしようか?』
『ヘザーネかな?』
キリシアが言うと
『ヘザーネには世話になっているから、あげましょう』
リリシャが同意する
『[コンコン]フローネ殿はいますか』
誰か来たみたいで、エミールが玄関に向かう
『失礼します。フローネ殿は在宅ですか?』
『どのようなご用件ですか?』
『ポーションの作成を依頼したいと、お伝えください』
『わかりました。少々お待ちください』
『フローネ先生、ポーション作成の依頼だそうなのですが』
『わかりました。行きますね』
『フローネ殿、お久しぶりです。ポーションが不足していまして、作成をまた依頼しても宜しいですか?』
『わかりました』
フローネは微笑みながら答えると
『ありがとうございます。実は、ポーションの材料は既に馬車にありますので、必要な物を言ってください』
『かなり困っているようですね』
『北の領主が、ポーションを買い占めてしまいまして』
『わかりました。リリシャ、今日ポーション作れますか?』
『はい、わかりました!作成します』
『ありがとうございます』
『必要な材料を運び込みましょう』
フローネが確認した材料をみんなで運び込み、準備を始める
『本当に助かります。急な依頼を受けていただき、ありがとうございます』
『ポーションの買い占めなんて、珍しいですね』
『事情は解りませんが、何か起きたようです』
『ところで、あの子は?』
『昔の知り合いの孫で、身寄りがないので預かりました。』
『では弟子にするのですか?』
『いいえ、私には弟子はもう育てられません。リリシャの弟子にして貰いました』
『そうでしたか』
道具屋は残念そうにする
『明日、また伺います』
1日ポーションを作成する
リリシャとマルスはポーション作成、フローネは2人の作業を見ながら指示を出している。エミールはリリシャに付いて、ポーション作成を横で見ている。キリシアは瓶を洗って並べている
熱を冷ましたポーションから、次々とキリシアとフローネが瓶に詰めて完成させていく