ヒストリアと騎士と海兵
翌朝から、残りの交易品と食料や物資を次々と運び込む
『マルス様、交易品の積込終わりました。普通の船の3倍も乗っています』
警備隊隊員が笑顔で報告に来る
『後は食料と水かな?』
マルスが笑顔で言う
『交易品だけでもかなりの利益です。完全に交易船です。』
フローネが微笑みながら言う
『そうですね。だけど迷宮が目的です』
マルスが笑顔で言うと、みんな笑い始める
港に向かい、軍艦に横付けして貰うと、食料等の物資を積み込む
『英雄殿、良い航海を楽しんで来てください』
アルクオドールが笑顔で言うと、ルキアと手を握り話している。
『国王陛下より、外交特使として同行させて貰います』
外交担当の男がやってくる
『面倒になったら海に投げ出します』
メトリシアが真剣に言う
『畏まりました。国王陛下より伺っています。面倒事になったら、相手と交渉はお任せください。まさか遠くの国まで行けるなんて思ってなかったので、本当に嬉しいです。』
男が笑顔で言う
『遊びなので、気楽に行きましょう』
『メトリシア姫様・・・遊びとは言わないでください。隣国以外の外交は、数十年ぶりなのですから』
外交担当が苦笑いする
『部屋は狭い上、海兵達と同じ所ですが、良いですか?』
マルスが真剣に聞く
『船旅ですので、覚悟は出来ています。』
外交担当が真剣に答える
『魔導船ウンディーネ号出港!』
キリシアが笑顔で言うと、推進装置を使い反転してから、沖に向かって動き出す
『エビリア、方位は良いかな?』
『はい!マルス師匠』
エビリアが羅針盤を見て、笑顔で言う
『推進装置停止、スクリュー稼働』
マルスが操作すると、魔導船は速度を上げて動き出す
『通常航行になったから、交代で休憩だね。推進装置の魔力補充も』
マルスが笑顔で言う
『はい、マルス艦長様』
リリシャが笑いながら言うと、みんな笑い出す
食堂に行くと、ルキアとリーネとハルドとアーセルが魔導書を書き写している
『あ!マルス様、休憩ですか?』
ルキアが笑顔で言う
『通常航行しているからね』
『マルス様、もっと揺れると思っていましたが、全く揺れません』
アーセルが笑顔で言う
『この大きさだから、少しの波ぐらいでは、揺れは少ないと思うよ。キリシアが接近戦闘の訓練も甲板でやるからね』
マルスが微笑みながら言う
『接近戦闘訓練?後で見学します』
ハルドが笑顔で言うと、マルスは写している魔導書を読んで内容の説明を始める。
数日後、島が見えてくると、海軍の指示で港近くに停泊する
『マルス、挨拶してくるね』
リリシャが微笑みながら言うと、キリシア達と小型魔導船で港に向かう。甲板ではヒストリアが騎士と海兵とレスリアと訓練を始める
『マルス師匠、やっぱりヒストリアは強くなっています』
エミールが微笑みながら言う
『騎士と海兵には、良い刺激かな? 年下の女性に負けるなんて、悔しいからね』
マルスが微笑みながら言う
『キリシア師匠は、完膚なきまでに叩き潰しますが、ヒストリアは一人ずつ一本取ったら、丁寧に挨拶をするので、苦笑いしかしていません』
エミールが微笑みながら言うと、ルキアとアーセルとハルドとリーネが回復魔法を使い怪我を治療している
『みんなの魔法の練習も出来るから、沢山訓練して欲しいよね』
『怪我をするのが、前提になっています。回復魔法の練習には良いですけど』
エミールが笑い始める
『マルス、ここは良いですから、ヒストリア達の指導に行ってください』
フローネが微笑みながら言うと、マルスは甲板に向かう
『マルス様、聞いていましたが、あれが騎士達の実力ですか? ヒストリアさんに対して、全く相手にもなっていません』
外交担当が真剣に言う
『ヒストリアも強くなったからね』
マルスが微笑みながら言うと、ヒストリア達の所に行く
『ヒストリアの訓練にならないから、2人づつね』
マルスが微笑みながら言うと、騎士と海兵が2人づつヒストリアに立ち向かうが、ヒストリアは軽くかわしながら、2人共弾き飛ばす
『次は3人かな?』
マルスが笑顔で言うと、3人で斬りかかっていくと、ヒストリアはかわしながら、追い詰められ始める
『追い詰めろ!!』
騎士が言うと、横から騎士が突きを放ちヒストリアは、慌てて後ろに飛び退くと、斬りかかってくる剣をかわしながら、1人目の腹を払い弾き飛ばすと、次々と弾き飛ばす
『くそー!もう少しだったのに!』
騎士が悔しがっている
『ヒストリア、もう少し相手の動きを見ながら、確実に倒すようにね』
マルスが微笑みながら言う
『はい、マルス師匠』
ヒストリアが真剣に言うと、外交担当が苦笑いしている
『全員で良いから、見本を見せるよ』
マルスが微笑みながら言う
『はい、マルス師匠』
ヒストリアが笑顔で言うと、訓練用の剣を渡すと、騎士と海兵が30人並ぶ
騎士と海兵が次々とかかってくると、マルスはかわしながら、ぶつかるように弾き飛ばして、次々と倒していく
『あれ? もう終わり?』
マルスが笑顔で言うと、全員苦笑いしている
『マルス師匠、どうしたら相手同士ぶつけられますか?』
ヒストリアが真剣に聞くと、マルスが説明を始めると、外交担当が苦笑いしている
(簡単なのか? あれだけの数を倒すのは・・・)
『マルス様、魔法だけでなく剣技も凄いのです』
アーセルが笑顔で言う
『良く考えたら、剣で戦う方が多いけど、魔法使ったらこの数一瞬だからね』
マルスが笑顔で言う
『あ! マルス様なら一瞬で消し飛ばせそうですね』
アーセルが苦笑いすると、騎士と海兵が苦笑いしている
『吹き飛ばしてみる?』
マルスが笑顔で言う
『えええっ遠慮しておきます! まだ死にたくないです』
騎士が慌てて言うと、全員が苦笑いしている
『みんなの鍛練手伝ってね。沢山怪我してくれた方が、ルシア達の練習と鍛練になるからね』
マルスが笑顔で言う
『あの・・・完全に魔法の練習台ですか? 可哀想に思うのですが・・・』
ハルドが苦笑いしながら言う
『上達しなかったら、一生そうなるね。闘気鍛練しなかったら、本当に不可能だからね』
マルスが笑顔で言うと、騎士と海兵が苦笑いしている
『闘気、どのように鍛練したら良いのでしょうか?』
騎士が苦笑いしながら言う
『ヒストリア、練って見せて』
マルスが笑顔で言うと、ヒストリアが闘気を練り始めると、騎士と海兵がヒストリアに必死にコツを聞いている