2-5話 警備隊との特訓
エミールをフローネの家に送り
『迷宮に入ったから、魔力制御して寝るのですよ』
リリシャが言うと
『はい!師匠』
元気に返してくる
『明日は、警備隊との訓練見る?』
『はい!拝見します』
エミールはキリシアに元気に返事する
『じゃあまた明日ね』
翌日朝、宿屋にエミールが来ていた
『お嬢さん、誰を待っているの』
『リリシャ師匠達を待っています』
『そうか、まだ降りてきてないな!食堂で待っていて良いですよ』
『ありがとうございます』
エミールはお礼を言って食堂に入る
『リリシャさん達が降りてくるまで座っていてね』
ライラに言われて座っていると3人とも降りてきた
『おはようございますリリシャ師匠、マルス師匠、キリシアさん』
『エミール、おはようございます。早いのね』
リリシャは微笑みながら挨拶する
『エミール、おはよう』
『エミール、おはようね』
マルスとキリシアも挨拶する
3人は席に座り、ライラがご飯を持ってきてくれる
『ライラさん、ありがとう』
『お嬢さんも食べる?』
『家で食べてきました』
『じゃあ、スープだけでも飲んでね』
ライラはそう言ってスープを持ってきてくれる
『ありがとうございます』
エミールはそう言ってお辞儀してスープを受け取る
『美味しい』
エミールは笑顔でスープを飲んでいる
『ライラ、いつも美味しいご飯をありがとうね』
『いってらっしゃい』
『スープのお代を』
エミールが言うと
『いらないわよ』
ライラは笑顔でエミールに言う
『ありがとうございます』
警備隊訓練所に向かい
『隊長は、訓練所にいらっしゃいますか?』
『います。何か用ですか?』
『訓練にきました』
『わかりました。どうぞお通りください』
『隊長、訓練の相手をしにきました』
『部下がお願いしたようですまない』
『丁度体を動かしたかったので良かったです。急にお邪魔してすいません』
『こちらこそ、よろしく頼みます』
キリシアが訓練用の槍を持ち立つと、隊員達は次々とキリシアに挑むが、一人も当てられずに全員負ける
『やはり強いな』
隊長はそう言って隊員に檄を飛ばす
『キリシアさん、凄いです』
エミールの言葉にリリシャは微笑んでいる
『エミールは魔力制御しながらキリシアの戦いを観戦するといいね』
そう言うとエミールは魔力制御し始める
『そのお嬢さんが昨日の件の』
隊長は思い出したように言う
『昨日のヤツはどうなりましたか?』
『冒険者崩れの奴で、他の町でも同じ事をしていたようだ。ギルドカードも無いから、冒険者でも無いな。あのような奴を町に入れるとは、こちらの失態でもある』
『仕方ないですよ。人を入れないようにしていたら、町は流通も止まりますから。警備隊の失敗ではないと自分は思います』
『そう言って貰えると助かる』
『キリシア、余裕見せすぎだよね』
リリシャが言う
『隊長、宜しいですか』
『何ですか?』
『どうせなら、キリシアを隊員達で取り押さえる訓練に変えませんか?キリシアが全員倒したらキリシアの勝ち、キリシアを取り押さえれば隊員の勝ちって風な事は出来ますか?』
『取り押さえる訓練か・・・しかし、キリシア殿一人では』
『やりたい』
キリシアは一言言ってこっちを見ている
隊長は、ニヤリとしながら隊員に全員で取り押さえる訓練にすると言うと、隊員達は余裕と思い、取り囲んで襲いかかる
『いくぞー』
キリシアは手や胴体を突き、払い、全員を倒す
『凄い!!ここまで実力に差があるとは・・・』
隊長は驚き、苦笑いする
『リリシャ、エミール、回復魔法で隊員達を治療お願い』
リリシャは理解して、直ぐに隊員達にヒールをかけて回る。エミールも慣れないヒールを使用する
『もう一回いくぞー』
隊員達はまた襲いかかるが、キリシアに全員倒される
『もっと考えて行動しろ!』
隊長が檄を飛ばす。リリシャとエミールはヒールをかけて回る
隊列を整える隊員達、今度は直線的に突撃してくる。キリシアは右に回り込みながら、一気に突撃する。隊員達は次々と薙ぎ倒され、全滅する
『前が見えなかった・・・』
『横に回り込まれるとは・・・』
隊員達は後悔の声を次々と上げている
リリシャとエミールに回復してもらう
『一対一の訓練していたから、連携がとれていないな』
隊長は休憩を告げて、隊員達にアドバイスを始めた。キリシアは楽しそうにリリシャから水分を貰い、話している
『エミール、回復魔法で少し疲れていない?』
『少し疲れました』
エミールは頷きながら言う
『回復魔法、余り使わないから良い練習になるね』
『はい』
隊員達が3人1組で並んでいる
『待たせてすまない。始められるか?』
隊長の言葉にキリシアは頷き、構えると、隊員達は3人づつ襲いかかる
確実に一人ずつ片付け、全員叩きのめしていた。
『キリシア殿は強すぎるな』
隊員達は回復魔法をかけて貰い、準備をしている
『キリシア、大丈夫?』
『ちょっと疲れた』
キリシアは笑顔で言う
『交代する?』
『マルスも経験した方が良いよ』
『わかった』
『今度はマルス君か』
マルスが準備して闘気を纏う
『はじめ』
掛け声と共に3人ずつ向かってくるが、マルスの剣が次々と隊員を吹き飛ばす。速い動きで全員を叩きのめした
『子供に歯が立たないとは・・・』
隊員の一部がうなだれる
『相手の容姿で判断するな!!ゼタルに勝つ程の相手に、うなだれている暇はないぞ!!!』
隊長の檄に、驚く一部の隊員と苦笑いする隊員がいた
リリシャとエミールが全員に回復魔法をかける
準備が整い、再び突撃してくるが、今度は弾き飛ばす際、隊員にぶつかるように弾き飛ばす。そして、ぶつかり転倒する隊員達。次々と転ばせながら叩きのめす。転倒した隊員は立ち上がると同時に弾き飛ばす。全員叩きのめし終わる
『これは実力が違いすぎ・・・』
隊長は苦笑いする
隊員達をリリシャとエミールが回復魔法で治療している
『マルス、それじゃ訓練にならないよ』
キリシアが笑いなが言う
『ちょっと試してみた』
マルスが言うと
『対応出来ない隊員が悪い。しかし、計算しながら弾き飛ばすとは、まだまだ余裕があるようですな』
隊長が苦笑いをする
『闘気を使える人がいないからだと思うよ』
マルスが言うと
『隊長、闘気の鍛練お願いします』
隊員達が次々と言ってくる
『わかった。辛いぞ』
『はい!!』
帰り際
『良い訓練になった、また来てくれるか?』
『楽しかったから、迷宮探索しない時にまた来ます』
『よろしく頼む』
『エミールの回復魔法の練習になるので、毎日やらせたいぐらいですから』
リリシャは微笑みながら言う
『はい!頑張ります。師匠』
エミールも笑顔で返事をする
『回復魔法は本当に助かる。今日1日で数日分の経験になったからな』
隊長は笑う
『マルス師匠の動き、速すぎます』
帰り道エミールが言う
『闘気と魔法による強化が出来るから、誰よりも速いかもね』
マルスが言うと
『魔法による効果?』
『魔力制御で筋力を強化しているよ』
『筋力強化ですか?』
『そうだよ。だから魔力制御を教えているんだよ。それに、魔力制御が出来れば、魔力を集中出来るから、大きな魔法も使えるようになるからね』
『そんな凄い事だったんですね・・・』
『基礎が一番大事と言うことですよ』
『はい師匠』