魔導船出港とエレリア
出発すると、シーリスはエレリアの服を掴み、不安そうにしている
『エレリアさん、食事の準備が出来ましたので、運ぶの手伝って貰っても良いですか?』
アニーが笑顔で言うと、エレリアはテーブルを拭くのを手伝うと、食器が運ばれてくる
『食器は並べますか?』
エレリアが聞く
『人の数や来る順番が有りますので、自分達でやって貰います』
アニーが真剣に言うと理由を説明する
『え?この量を2人でやっているのですか!!』
『ナディアとレディナちゃん、イリアちゃんが手伝ってくれるので、大丈夫ですよ』
アニーが微笑んでいると、ナディア達が手伝いに来る
夜になるとフローネが微笑みながら来る
『エレリアどうですか?1日手伝って』
『はい、驚きました・・・この船とんでもない物ばかりですね』
『そうですね』
『料理人2人でほとんどやっているのは驚きました』
エレリアが真剣に言う
『それは違いますよ。2人とも趣味でやってくれています。マルスが余り考えないので、専属料理人がいませんね』
『え?料理人では無いのですか?』
エレリアが驚くとクレシアが笑顔でとなりに座る
『クレシアさん、まだ話してないですね。どうしますか?』
フローネが考えながら聞く
『クレシア・リベリアです。よろしくお願いしますね。料理好きな居候と思ってくださいね』
クレシアが笑顔で言う
『え?えーーーーーーーーー!!りりりりリベリア!!』
エレリアが大声をあげて固まると、シーリスが青ざめている
『固くならないで良いですよ。居候ですから』
クレシアが微笑みながら見ている
『御無礼が有ったら申し訳ありませんでした』
エレリアが青ざめて頭を下げる
『ここでは肩書きなどどうでも良いですからね。メトリシア様も自由にしていますから』
クレシアが微笑みながら言うと、マルスとエミールがやってくる
『あ!マルス、エミール、休憩ですか?』
フローネが微笑みながら言う
『エレリアさんとシーリスちゃんの様子を見にきました』
マルスが笑顔で言う
『マルス様・・・』
エレリアがひきつる顔で呟く
『シーリスちゃん、魔力制御しましょうか?』
エミールが笑顔で言うと、窓際にエミールが連れていくと魔力制御の方法を教え始める
『エレリアさん、どうでしたか?』
マルスが微笑みながら聞く
『クレシア様が貴族だったなんて思いませんでした・・・綺麗な方だとは思いましたが』
エレリアがひきつりながら言う
『クレシア様が自分から教えるなんて、珍しいですね』
マルスが笑顔で言う
『エレリアさんが可哀想に思います。英雄殿達は誰も教えないのですから』
クレシアが微笑みながら言う
『え?英雄殿?』
エレリアが青ざめてフローネを見る
『リベリアの英雄は知っていますか?』
フローネが微笑みながら言う
『知っています。リベリアの窮地を救った英雄様です』
『そうですね。キリシアとリリシャとマルスがその英雄です。貴族嫌いで、地位も名誉も名声も褒美もいらないと言う珍しい人ですよ』
『え!本当に?』
エレリアが震えながら言う
『本当ですよ。だから騎士と海兵が護衛しているのですよ。エレリア常識は持ってくださいね。マルスの弟子達は常識が無いので気を付けてくださいね』
『常識?・・・』
『普通の常識が通用しませんので、注意してくださいね』
フローネが微笑みながら言うと、マルスを見る
『マルス師匠、どう教えれば良いか解りません』
エミールが苦笑いして来ると、シーリスが不安そうにしている
『シーリスちゃんは魔力については何も解らないのかな?』
マルスが優しく聞く
『はい・・・』
シーリスが涙目で言う
『1つずつ始めようね。焦る必要も無いからね』
マルスが微笑みながら言うと、シーリスと笑顔で話しながら魔力の流れを見ている
『シーリス・・・何も教えていなかったから・・・』
エレリアが心配そうに言う
『マルスが諦めないから大丈夫ですよ』
『魔力の事も教えてないのに、弟子なんて・・・ごめんなさい』
『エレリア、あなたも自信を持ちなさい。ルーセリアの自慢の弟子だったのですから』
フローネが心配そうに言う
『フローネ師・・・』
エレリアは心配そうにシーリスを見ながら呟く
『エレリアさんも一緒にやりましょう。シーリスちゃんもその方が集中出来ますから』
マルスが笑顔で言うと、エレリアも魔力制御を始める
『お兄ちゃん』
レディナが笑顔で抱きついてくると、マルスが頭を撫でている
『お兄ちゃん、お風呂にいきたいんだけど・・・』
レディナがシーリスを見ながら言う
『一緒に行ってきてね』
マルスがレディナに言うと、レディナがシーリスの手を握り、ナディアとイリアと一緒に出ていく
『お風呂?』
『お湯に浸かると疲れが取れますよ。後で一緒に行きましょうね』
フローネが微笑みながら言う
『お湯に・・・え?貴族様が使う物ですよね!!そんなの恐れ多いです!!』
エレリアが慌て出す
『ダメですよ。一緒に入りましょう』
エミールが笑顔で言うと、エレリアが助けを求めるようにマルスを見る
『魔力切れか』
マルスが呟くと、魔石に魔力を補充を始める。エミールとフローネも1つずつ補充を始める
『え?・・・これ全部魔道具・・・嘘・・・』
エレリアが青ざめ、震えていると、
『エレリアさん、大丈夫ですか?』
クレシアが心配そうに言う
『え?この船、魔道具が使われているのですね』
エレリアが震えながら言う。
『便利ですよね。マルス様が沢山作られるので、快適ですよね』
クレシアが微笑みながら言うと、マルスを見ている
『あ!マルス師匠!もしかして補充前に切れましたか?』
エビリアが入ってきて言う
『そうだね。他は大丈夫かな?』
『今、寝る前の補充をしています』
エビリアが笑顔で言うと次の部屋に向かう
『お母さん!お湯気持ち良かった!!』
シーリスが笑顔で戻ってくると、エレリアがシーリスと話してからフローネと風呂に向かう