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2-2話 エミールの修行

『エミールは杖は持たないのですか?』

『杖は路銀のために売ってしまいました・・・』

『杖を作りましょうか?』

『あなた達の杖作りはやめた方が良いです、リリシャの使っていた杖を渡せば良いと思います』

フローネの言葉にリリシャも同意する

『くさりかたびらぐらいは買って来ましょう』

『お金が・・・』

『気にしないで大丈夫です』

リリシャがそう言って防具屋に向かい、そのあとフローネの家に帰る事にした


『これからどうする?』

『魔法のランプ作ります?』

リリシャが言うとフローネが頷く

『エミール、2階の部屋を使って。朝、リリシャと合流するようにしなさい』

『ありがとうございます』

キリシアは魔石と糸を出して作業を始める

『エミールはみんなの作業を見てくださいね』

エミールは頷き見て回る

『師匠の付与魔法凄いです。祖母の作業も見ましたがそれ以上です』

エミールは驚きながらリリシャを見る

『私なんかより、マルスの方が凄いですよ』

『マルス様の方が凄いですか?』

『様付けは恥ずかしい。歳も自分の方が下だし』

『え?そうなんですか?』

『マルスは12歳ですからね』

リリシャが言うと

『そうなんですか?』

『魔法から剣まで使えるので、とても強いです』

リリシャの言葉にエミールは少し困惑している

『マルスの付与魔法は、既に数千年に1人のレベルですよ』

フローネの言葉に

『数千年に1人?』

エミールは固まる

『武器を見せて貰うと良いですよ』

マルスは剣を渡す

『凄い魔力を感じます』

『光天の魔剣と言う名で光属性、硬化構造強化、体力回復、軽量化の付加がされています』

フローネの説明に

『えっーーー!!』

エミールは声を出して固まる

『だから自重が必要なのですよ』

フローネの言葉にリリシャは苦笑いする

『エミールならば意味、解りますね』

『とんでもない剣を触れて嬉しいです』

エミールは素直に納得する

『エミールさんは魔力制御と魔力視出来る?』

マルスが聞くと

『両方出来ません。マルス様、呼び捨てで良いです』

エミールが言うと

『エミール、魔力制御してみる?様はいらない』

『あ!はい!』


マルスはエミールに魔力集中のやり方を魔力視を使いながら教え始めた

『マルス、ほどほどにしてくださいね。無詠唱まで教えたら大騒ぎになりますから・・・』

フローネはそう言って心配する

『わかりました。魔力制御と筋力強化だけは覚えて貰う。生き残る為には必要になるので』

マルスが言うと

『筋力強化ですか?』

『速く動けないとついてこれなくなるから』

『よく解りませんが、頑張ります』

手に魔力が集まり、少し淡い光がでる。反対の手で試すとほとんどでない

『なかなか難しいです』

マルスは考えながらエミールの指先と肘をさわり、魔力を通してみる。魔力視で観察するとほとんど通らない

『魔力の通りが悪い。ほとんど動かない』

『え?私才能無いのですか?』

『魔力を制御していければ大丈夫』

『本当ですか?』

『リリシャも制御苦手だったけど今は凄いでしょ』

『手に魔力を集めるのではなく、肘に魔力を集めて貰える?』

エミールは一生懸命魔力を集めようと集中するが、なかなか集まらない。魔力視で見ているフローネとマルスは、動いている微かな魔力を観察している。ため息をつきながら

『上手く出来ません・・・』

『魔力は動いていましたよ。普段使わない所に魔力を動かす難しさは解ったと思います』

フローネが笑顔で言うと

『最初はそんな感じだと思う』

マルスも微笑む

『次は、手に集めてみる?』

『はい!』

手に集めると淡く光る

『普段から手に魔力を集めているから、手には魔力が集められるね』

『あっ、はい!』

『もしかして魔力が動く感覚が解らないのかな?』

『あまり解りません・・・』

マルスは微笑みながら

『自分の手と腕を触りながら、魔力が動くのを感じ取ってみて』

エミールは、マルスの腕と手を触り、マルスは魔力を動かす。

『動いている魔力を感じるようになったら教えて』

エミールは集中する。マルスは徐々に魔力を激しく動かし始める。魔力を感じ取ったエミールが

『これがそうなのかな?』

『どんな風に動いているか言ってね』

マルスはいろんな風に動かし、エミールに感じとらせる

『魔力の流れ、少しは解ったかな?』

『少しわかりました』

『体内の魔力を感じて動かす事は出来るかな?例えば、手から肘に、肘から手に動かすとか?』

『やってみます』

しばらくすると、手の魔力が肘に集まり始める。そして、肘から手に魔力を動かし始める。何回も動かし

『何だか不思議です、魔力って動かす事が出来るなんて・・・』

『魔力制御は昔からある修行方法ですが、マルスは魔力を完全に制御して、あり得ないぐらいの魔力で魔法を発動しますし、魔力制御が凄いので、付与魔法も凄いですよ』

フローネが言うとエミールは驚く

『マルスの魔法も見てみたいです』

『迷宮に入れば見れるよ』

キリシアが反応する

『付与魔法見せて貰えば解りますよ』

フローネが言うと

『見せてほしいです』

『練習で一つやっても良いですか?』

『リリシャ、一回練習させて貰ってもいいかな?』

リリシャは頷き魔方陣を空けてくれる

そしてマルスは、魔方陣を発動して小魔石に魔力増幅魔方陣を書き込む。成功させてエミールに渡す

『凄く綺麗です。そして細かいです』

『とうとう小魔石に魔力増幅魔方陣を書き込むとはね』

『真似出来ません』

フローネの言葉にリリシャが呟く

『そんなに凄いのですか?』

『マルスにしか出来ない芸当です』

フローネが断言する

『そんなに凄いのですか?』

『ステッキに魔力増加でなく魔力増幅を付与するようなものです。エミール、真似は出来ませんが、とんでもない魔法を見れるだけで勉強になると思いますよ』

『そんなに凄いですか?』

『古代魔道具クラスです』

エミールは魔石を見つめ

『マルス師匠、指導お願いします』

エミールはいきなり頭を下げた

フローネとリリシャは笑う

『師匠なんて照れるからやめて』

『エミール、師匠が沢山いていいね』

キリシアが言うと

『はい!』

エミールは元気に返事をする



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