魔法王国オルセントの飛空艇後編
『マルス師匠・・・今セクラ姫と言ってませんでしたか?』
ケニスが苦笑いして言う
『そう聞こえたよね・・・まずいかな?』
マルスが苦笑いしていると、マルスは近くの腕が折れて転がっている兵士を問い詰める
『面倒だね。持っていくか・・・』
マルスが苦笑いして言うとお姫様だっこで持っていくと飛空艇を出てから、寝ている外交担当を起こす
『こいつとこの人が責任者かな?』
マルスが笑顔で聞く
『え!セクラ姫様!!!』
外交担当が慌てて言う
『魔法を放たれたから、とっさに吹き飛ばしちゃった!ゴメン』
マルスが苦笑いして言うと、ケニスが鎧の男を転がす
『将軍!!』
外交担当が青ざめて言う
『取り敢えず降伏をしてくれるかな?このまま完全に叩き潰しても良いけどね』
マルスが言う
『メトリシア!騎士団に拘束を始めさせて!ロイドと一緒に来て!!』
マルスが大声で言うと、メトリシアとヒストリアとロイド達が走ってくる。騎士達が魔法王国の兵士を拘束し始める
『マルス師匠、その人は?』
メトリシアが見ながら言う
『セクラ姫様らしいけど、どうしようか?』
マルスが苦笑いする
『面倒ですね!取り敢えず起こします』
メトリシアが言うとセクラが目を覚まして、マルスを見て慌て出す
『え!何が・・・ぶぶぶ無礼者!!』
『取り敢えず降伏してくれるかな?将軍があれだからね』
マルスが言うとセクラが横たわる将軍を見てから、横たわる兵士達を見て青ざめる
『セクラ姫様!もうこれ以上恥を上塗りはしてはいけません!』
外交担当が真剣に言う
『負けたのですか・・・解りました・・・その前に下ろして貰えますか?』
赤くなりながらセクラが言うとマルスが降ろす
『魔法王国オルセント王国セクラ・オルセントの名の元に降伏します・・・兵士には寛大な処置を望む・・・』
セクラが言うと跪く
『メトリシア・クライドルト第2王女の名の元に、降伏を認めます。後はお父様に任せますね』
メトリシアが微笑みながら言うと、飛空艇の上から魔法がメトリシア目掛けて放たれる、ヒストリアが慌てて盾で防ぐ
『攻撃を止めなさい!!セクラ・オルセントの名の元に命じます!命令は絶対です!!』
セクラが慌てて大声で言う
騎士達が兵士を拘束していくと、中から多くの人が拘束されて出てくる
『あ!その二人姫様の付き人かな?』
マルスが見て言う
『え!はい・・・』
セクラが2人を見てからマルスを見て言う
『縄を解いてあげてね』
マルスが言うと、騎士が縄を解く。付き人がセクラの元に来て涙目で話し始めると、マルス達は歩いて王城に向かう
『英雄殿、国王陛下がお待ちしています』
騎士団長が苦笑いして言う
『あの将軍が大将みたいだから、監視しておいてね、後は兵士達は武器を取り上げて監視もね』
マルスが笑顔で言う
『大将は連れていかないのか?』
『面倒だから、こちらの姫様に判断して貰うよ』
マルスが笑顔で言うと騎士団長は苦笑いしているとメトリシアが笑顔で国王の元に向かう
『状況はどうなったのだ?』
国王が真剣に聞く
『セクラ・オルセント第2王女です。正式に降伏します・・・』
セクラが言うと跪く
『何処まで事情を聞いたのだ?』
国王が真剣に聞く
『今からです・・・ 』
外交担当が言うと説明を始めると魔工王国外交担当とガベラス王国外交担当にレセナ姫が説明をする
『は?・・・騙されたでは済まない!!何もしてない国を強襲してしまったと!!更に負けてしまったと言うことですか!!』
セクラが驚いている
『完全に騙されていました・・・確認が遅れた為、急いで通達しましたが、間に合わず、緊急の停戦旗で停戦を知らせたのですが、無駄に終わりました。』
『将軍の独断ですが・・・それも我が国のミス・・・大変申し訳ありません』
セクラが崩れ落ちて座りながら言う
『セクラ姫様、私だけでは、どうにも出来ません!祖国に直ぐに知らせないと大変な事になります!』
『そうですが・・・信じますか?』
セクラが考え始める
『出来る事はやらないといけません!もう手遅れでも・・・』
外交担当が真剣に言う
『一緒に来た中に話の理解出来る人いないのかな?』
マルスが言う
『宮廷魔術師ルーセントが来ていますが、彼だけでは無理です』
セクラが真剣に言う
『ルーセント師が来ているのですか?直ぐに呼ぶべきです!何故指揮を取っていないのですか?』
『様子を見るべきと言われたが、将軍に拘束されて軟禁されている』
セクラが苦笑いして言う
『騎士団長、ルーセントさんを連れてきて』
マルスが言うと、騎士が走っていく。ローブを着た人が連れられてくると、セクラと外交担当から状況を聞いて青ざめている
『どうしたら良いかな?』
マルスが聞く
『負けた事実が有りますので、魔法王国は、簡単には引き下がれません・・・何か手が無いと』
ルーセントが考え始める
『ルーセント師と言ったな、何処かで会ったような気がするが』
前国王が考えながら言う
『失礼しました、我が師の師マグレイトスと何度か会っています。もう十数年前になりますが・・・師にはもう連絡も取って無いので久しぶりに来ました。』
ルーセントが言う
『マグレイトス師か?・・・と言うとフローネ師の知り合いか?』
『はい、知っているも我が師です、良く師を覚えていますね』
ルーセントが睨みながら言う
『リーベルさんは知っていますか?』
『リーベル?妹弟子のリーベルですか?』
ルーセントが驚く
『魔法学院からリーベルさんを呼んできて』
マルスが笑顔で言うと騎士が急いで出ていく
『魔法学院?リーベルは魔法学院にいるのですか?それに君は何者ですか?』
ルーセントが驚きながら言う
『リベリアの英雄の1人だ!それ以外は言えん!』
国王が真剣に言う
『は?こんな少年が!!若すぎる!!』
『事実だ!ここで会った事は内緒にするように!解ったか?』
前国王が苦笑いして言う
『何故ですか?』
『英雄殿達との約束だからな・・・名誉も名声も地位も権力も断るからな・・・褒美すら面倒ならいらないと言う始末だ!秘密を守るのが褒美だからな・・・』
前国王がため息混じりに言う
『だから・・・英雄の名前が解らなかったのか・・・』
外交担当達が苦笑いしている
『ここでの話しは内緒にすると約束するな!』
前国王が真剣に言うと全員了解する
『魔導砲止めたのも、あなたですか?』
セクラが真剣に言う
『魔導砲まで撃ったのですか!!じゃあ飛空艇はもう飛べる能力が失われて、しまっています!!』
ルーセントが青ざめながら驚いている
『魔導砲?何ですか?』
『飛空艇の主砲です。先端から放たれた魔力光線です。』
『あれですか?結界を3つも破壊したやつですね』
マルスが苦笑いする
『結界?魔道具ですか?しかしそんなに沢山は無い筈・・・』
『あそこまで、凄い威力は初めてです。だけど戦争にしか役立ちませんから、必要ないですね』
マルスが微笑みながら言う
『そうですか・・・・結界で防いだのですね』
セクラが呟く
リーベルが入ってくると、後ろにレズオスもやってくる
『何か用でしょうか?』
リーベルが揃っている人を見て苦笑いして言う
『あ!レズオスさんも来ていたのですか?』
マルスが笑顔で言う
『リーベルに会いに来たら、1人では嫌だと無理矢理連れてこられました』
レズオスが苦笑いしている
『リーベル・・・レズオスまで、ここにいたのか?』
ルーセントが驚きながら言う
『え!もしかして!ルーセントお兄様!!』
リーベルが驚いて言う
『ルーセント、久しぶりだけど何故ここに?』
レズオスが驚いて声をあげる
『これでフローネ先生の弟子が揃ったね』
マルスが微笑みながら言う
『は?・・・どう言う事だ?』
国王が苦笑いして言う
『ルーセントお兄様は、宮廷魔術師と喧嘩して、追放になった筈なのに、どうしてここに?』
リーベルが苦笑いして言う
『オルセント王国宮廷魔術師ルーセントとして来ているが、今は捕虜だ』
ルーセントが苦笑いして言う
『オルセントの飛空艇で来たのはお兄様なのですか?』
リーベルが苦笑いして言う
『閉じ込められている間に、兵士は無力化され、姫様も捕虜になっている』
ルーセントが苦笑いして言う
『レズオスはガベラス王国から、なんでここに来たの?』
マルスが聞く
『え!それは・・・・追放されました』
レズオスが苦笑いして言う
『じゃあフローネ先生の元に帰るのかな?』
『そのつもりですが、リーベルに会ってから帰ろうとした所でしたが、無理矢理連れてこられました。』
レズオスが苦笑いしている
『そろそろ本題に入りませんか?』
王妃が苦笑いして言う
『あ!すいませんでした』
マルスが苦笑いする
『どうする?』
国王が苦笑いして言う
『国の威信が保てれば良いのですよね』
マルスが聞く
『その通りだ!負けた事を内緒にしてくれれば、何とか国元は納得する』
ルーセントが言うと外交担当とセクラが同意する
『責任は将軍と兵士に擦り付けましょう!ルーセントさんとセクラ王女様は、ルーセントの故郷の伝を便りに魔晶石を譲って貰う為にクライドルト王国に来たけど、将軍がルーセントさんとセクラ王女様を監禁して、勝手に攻撃を始めた。ルーセントさんとセクラ王女様が隙を見て脱出してクライドルト王国と一緒に反乱を静めたと言う事でどうですか?』
マルスが言う
『それなら魔法王国の威信は保てる!それに迷惑を掛けた事についても、何かしらの援助をする事も可能だ!』
ルーセントが言う
『それなら大丈夫です・・・が本当によろしいのですか?』
外交担当が真剣に言う
『魔工王国はどうかな?』
国王が真剣に言う
『状況が状況ですので、良いと思います。』
魔工王国外交担当が真剣に言う
『無難です』
レセナが笑顔で言うとみんなセクラを見る
『オルセント王国第2王女として、お礼申し上げます』
セクラは頭を下げながら言うとマルスを見つめている
『それで決まりだな!将軍と兵士は拘束して捕虜として返還交渉にするか』
国王が笑顔で言う