魔道車
魔道車の中から悲鳴が聞こえなくなる
『そろそろ降伏する?』
マルスが大声で言う
『マルス師匠、返事が有りません』
メトリシアが苦笑いして言う
『騎士さん、降伏勧告してくださいね』
マルスが笑顔で言うと、騎士達が苦笑いしながら扉を叩き、大声で降伏するように言っている
『頼む!もう揺らさないでくれ』
中から声がすると、青ざめた人が出てくる。騎士達が拘束を始める
『終わったのか?』
前国王が笑顔で出てくる
『まだ抵抗してくれた方が良いんだけど』
メトリシアが笑顔で言う
『もう一度閉じ込めて、やる?』
マルスが笑顔で言う
『もう止めてくれ、頼む!!』
男が泣きながら言う
『ん?テシーラ、お前まで加わったのか?』
前国王が苦笑いして言う
『私達をないがしろにするから!全部王国が悪い!!』
テシーラが叫ぶ
『お前達が無能だから仕方無い!誰も実力を上げないから仕方無いだろ?』
『何故!!私達は必死にいつも頑張っているのに!!』
『魔法学院首席でも、実力が無さすぎるから仕方無い!』
『エリートである私達をないがしろにしたら、この国は終わりですよ!解っているのですか!!!』
『やはり・・・研究院を解体するしか無いのか・・・実力が無さすぎる』
前国王が残念そうに言う
『そんなに国の力を落としたいのですか?本当に愚かな王族だ!!』
『4年間全く進歩してない人は必要とされないと言う事が解らないのか?』
『何を!!愚かな王族に言われたくない!!』
テシーラが大声で言う
『4年前の首席か・・・』
マルスが呟く
『はい!私達が1年の時、首席でした』
クレスタが微笑みながら言う
『リリシャと同い年なのかな?』
マルスが呟く
『リリシャ?あのダメ女?あんなのと比べるなんて本当に愚かだわ!!』
テシーラが笑いながら言う
『・・・リリシャ殿はリベリアの英雄となり、王国で2番の実力者だぞ!』
前国王が呆れながら言う
『何を血迷って!!』
『お前達が再現できない、魔道具の作成者の名前も知らないとは・・・本当にいらないな』
前国王が呆れて言う
『は?何故!あの書き込みも出来ない、リリシャが?』
『基礎が出来てなかっただけだけどね。フローネ先生に習い、直ぐに魔道具も作れるようになりましたよ』
マルスが笑顔で言う
『は?嘘を!!そんな事あり得ない!!!』
テシーラが大声で言う
『この人ダメですね。どうなさるのですか?』
マルスが前国王に聞く
『反逆罪だから・・・処刑だな・・・』
前国王が真剣に考えながら言うと、騎士達が連行していく
『終わりましたか?』
王妃とヘルトが微笑みながら降りてくる
『全ては王家の不徳だな・・・まさかリリシャ殿と比べる事になるとは・・・』
前国王が苦笑いして言う
『どういうことですか?』
王妃が真剣に聞くと、前国王が説明を始める。王妃とヘルトが溜め息をする
『多分、リリシャを虐めて仕官の邪魔をした人ですね。リリシャが余り魔法学院の思い出を話さないのは、あの人のせいですね』
マルスが真剣に言う
『そのお陰でリベリアの英雄が誕生したのか?その褒美はあげたくなるがな・・・』
前国王が笑い出す
『その通りですね』
王妃も笑いながら言う
『魔法研究院はどうしましょうか?』
ヘルトが真剣に言う
『一度廃止だな・・・残りは魔法師団に編入だな・・・使い物にならない』
『解りました、国王陛下に相談します』
ヘルト真剣に言う
『後は魔法学院の改革待ちか・・・』
前国王が真剣に言う
『お祖父様、それなら大丈夫ですわ。マルス様がクラスの講師を兼任してくれるので、基礎が悪い事が知れ渡りますわ』
アリシアが笑顔で言う
『それは楽しみだな!!』
前国王が笑い始める
『長話はデザート食べながらしましょうね』
王妃が微笑みながら言うと階段を上がり始める。何事も無かった様に食事をみんな食べ始める
『マルス様、やっぱり壁は壊せないのですね』
ルキアが笑顔で言う
『そうだね。あの程度なら余裕だね』
マルスが笑顔で言う
『襲われながら、何事も無いように食事をするなんて、普通では無いですね』
リーベルが呆れながら言う
『壁に穴ぐらい空けてくれたら良かったのにね、もっと強化する事を考えたのに』
マルスが笑顔で言う
『これ以上とんでもない建物を作らないでください!!何て説明をすれば良いのですか?』
『え?まだ作りますよ!クレシア様とヘルトの家を作らないといけないからね』
マルスが笑顔で言う
『私達の部屋を忘れない様にしてくださいね』
王妃が笑顔で言うと前国王が笑っている
『師匠、やっぱり無理です・・・マルスを自重させるなんて!』
リーベルが呟くと、全員笑い始める
『この国に魔道車が有るなんて知らなかったな』
マルスが笑顔で言う
『はい!私も知りませんでした!』
メトリシアが笑顔で言う
『調べるのが楽しみだね』
マルスが笑顔で言うとみんな笑い始める
翌日からマルスは魔道車を調べ始めると、メトリシアに、王宮から魔道車に関する魔導書や古文書を持ってきて貰い、研究を始める