33話 17層
迷宮を下に向かっている
『今日は17層まで一気に降りるよ』
リリシャも頷く
17層に降りて周辺を捜索すると
木が動いてくる
『パペットウッド?』
キリシアは突撃して槍で突く。枝がキリシアに向かって動き、キリシアを攻撃するが、キリシアは避けて、枝を槍で突くと別の枝が振り下ろされる。かわしながら枝の根本を槍で貫く
次々と枝の動きを見ながら起点を貫き、本体を槍で突き、そして払う
『バキッ』胴体部が割れて崩れ、黒い煙に飲み込まれて結晶が残る
『結構、面倒だね』
キリシアが苦笑いする
次に3匹のパペットウッドに遭遇する
リリシャは、ファイヤーストームで焼き払う
『木だけに火に弱いですね』
リリシャは微笑む
次は2匹のパペットウッドと遭遇するが、マルスがファイヤーアローを連射して燃やし、黒い煙になり結晶が残る
『このまま火だけで倒して進む?』
リリシャが言うとキリシアが同意する
パペットウッドが現れると直ぐにファイヤーアローで燃やされて倒されて行く
『18層の階段だね』
『降りてみようか?』
リリシャが頷く
18層は小部屋にパペットウッドが集まっている
『ファイヤーストーム』
一気に焼き払う。残った魔石を拾う
『大量殲滅だね』
キリシアとリリシャが笑う
次々と小部屋の中のパペットウッドを倒していく。そして、大きな部屋に多くのパペットウッドがいた。ファイヤーストームを放ち、殲滅してしまい、部屋の中には黒い霧が立ち込めている。しばらくして霧が晴れるのを待って中に入り、魔石を拾う
『魔石が一杯で重たい』
『そろそろ帰りましょう』
『そうだね』
キリシアとリリシャはマルスを見て微笑み、歩きだす。
迷宮を出てギルドに向かう
『ヘザーネがいないね』
キリシアは残念そうに他のカウンターの列に並ぶ
『買い取りお願いします』
魔石の袋をカウンターにボンボン置いていく
『キリシアさん、リリシャさん、マルス君ですね。少々お待ちください』
職員が奥に行く
『どうしたのかな?』
キリシアは首を傾げてリリシャを見る
しばらくしてゼタルが出てきた
『トラブルでギルドマスターも呼び出されて、ヘザーネも一緒に行っているんだ』
『ヘザーネ、だからいないんだね』
職員は魔石を持って固まっている
『ん?どうしたの?』
『えー・・・』
『どうしたんだ?』
『魔石の大きさが・・・これは買い取り出来ましたか?』
『預りになっていたよ』
キリシアが言うと
『今度は何層だ?これは?』
『18層まで行ってきたよ』
『18層?ちょっと待て、これ全部か?』
『パペットウッド焼き尽くしてきただけだから』
『そうか・・・焼き尽くしただけか・・・・』
『どうしたの?ゼタル』
『15層層と18層どっちが楽だった?』
『リリシャは18層が楽そうだったよね』
リリシャは頷く
『キリシアは18層辛そうだったよね』
『攻撃かわすのがちょっとね。だけどボムも面倒だった』
リリシャの言葉にキリシアは苦笑いしている
『相変わらず桁違いだな!他の冒険者も頑張ってほしいものだな』
ゼタルが笑う
職員は魔石をランプにかざして見比べている
『どうしたの?』
『えー・・・すいません魔石の色が判定しにくくて・・・ヘザーネは大分慣れていたから、簡単にわけていたみたいですが・・・』
『明るい方が良いのかな?』
『そうですね・・』
リリシャはランプを取り出し
『点灯』
ランプが光だす
『これでどうですか?』
『魔法のランプ・・・・』
職員は固まる
『フローネの魔法のランプか。やはり明るいな』
『先生に教えて貰い、作りました』
『作った?魔道具作成もか・・・もうお前達に常識で話はしない方が良いな!』
ゼタルが苦笑いする
ヘザーネが帰ってきて
『ヘザーネ、お帰り』
『キリシアさん、リリシャさん、マルス君、いたのですね』
職員はヘザーネに話をして、ヘザーネが分別を始めようとするが、
『見たことの無い色合いですね。何層ですか?』
『18層だよ』
『とうとうそこまで』
ヘザーネは考えはじめて
『奥の部屋でゆっくり見たいのですが、奥に来て頂いてもよろしいですか?』
『良いよ』
キリシアは即答で奥の部屋に向かう。リリシャは魔法のランプを持って移動する
周りの冒険者はボソボソ噂話をしている
カウンターの職員はほっとした表情をしている
応接室でヘザーネは魔石を並べて、大きさと色を見ている。リリシャは再びランプを点灯してランプを置く
『もしかしたら17層と18層で、色合いが変わるのかな?』
ヘザーネはまだ考えている
『18層の方が圧倒的に多いよ』
キリシアが答えると
『そうするとこっちが17層でこっちが18層ですね』
ヘザーネは魔石の大きさを計り始める
『いつもより丁寧に測るんだね』
『実は鑑定に出した魔石の事で価格がまだ決められないんです。種類毎にきちんと整理しないといけなくなったんです』
ヘザーネが説明する
『そうなんだ』
『16層の魔石は、間違いなく評価が高くなります。鉱石もかなりの価値になりそうです』
『鉱石は魔力の通りが良いから、魔道具作成に適しているからね』
リリシャが言うとヘザーネは驚きの表情になる
『そうなんですか?本当なら糸以上の価値ですね』
『並べてみると魔石の違いがわかるね』
『階層毎に別ける必要が出てきます』
『階層毎の見本を置いておく必要があるね』
『そうですね。見比べる事が出来れば、楽になります』
ヘザーネは頷く
『よろしいかな?』
バイルが入ってきた
『魔石の判定がなかなか出来なくて申し訳ない』
バイルは魔石を見ながらため息を吐く
『この質の魔石が1日でくると、流石に鑑定も難しくなります』
バイルが言うとヘザーネが
『階層毎の見本を置いておいて見比べたいのですが、どうでしょう?』
『確かに見本は必要になります』
『それにより価値設定をしやすくなります』
『王都で分別する必要も無くなり、魔石の質を安定出来る』
バイルはヘザーネに
『ヘザーネ、あなたに任せます。あなた以外に見分けが出来ません』
バイルは話しながら苦笑いを始める
『私達のせいですか?』
キリシアが聞くと
『ギルドとしては嬉しい事ですが、勉強不足で逆に迷惑をかけて申し訳ない』
『ヘザーネがいるから大丈夫』
『ありがとうございます』
『そのランプはフローネ殿のランプですか?明るくて良い魔法のランプですね』
『先生と一緒に作りました』
『売りに出すならば言ってください。是非買いたい。昔買った物は壊れてしまいましたから』
『見せて貰えますか。先生の作成品であれば魔石の交換をすれば治りますから』
『今度はお持ちします』
『ヘザーネは持っているの?』
『フローネ様が作らなくなってからは高価でしたので持っていません』
『魔石の鑑定に必要だから、このランプ預けて置くね』
『助かりますが、よろしいのですか?』
『魔力の補充が必要なので、時々魔力を補充します』
『ありがとうございます』
『話がそれましたが、これで失礼します』
バイルが出ていく
『17層魔石が85個で、18層の魔石が212個になります。預り証にサインをお願いします』
『わかった』
『この数はとんでもない金額になります』
『そうだね、馴れたー』
『キリシアさんリリシャさんマルス君気を付けて帰ってください』
『ヘザーネまたね』