32話 緊急依頼
鉱石を持ってギレリムの所に向かう
鍛冶屋に入って
『ギレリム、いる?』
奥からギレリムが出てくる
『これ鉱石、預けるね』
『鉱石取りに行っていたのか?』
『そうだよ』
『鉱石が沢山あれば色々作れるぞ』
『魔道具作るときに使ってね』
ギレリムはニッコリ笑う
宿屋に戻り一度休んで
『(コンコン)マルス、起きたかな?』
ドアを開けると
『キリシア、リリシャ、おはよう』
『準備出来たら下に来てね』
『わかった』
ギルドに向かうと
『ゼタル、どうしたの?』
ゼタルがギルドの前にいる
『来たか!待っていたぞ』
『待っていた?』
『緊急依頼、受けてくれるんだろ』
『そうだよ』
ゼタルは中に入っていく。そして職員に伝えていると、職員は紙を持ってくる
『依頼書だ』
『わかった』
依頼書を読んで確認する
『じゃあ行ってくる』
『ちょっと待て。俺も付いていく』
『ゼタル、邪魔しない?』
『後ろにいるだけだ』
『魔石拾いしてね』
キリシアが笑う
『わ、わかった』
迷宮入り口に行くと入り口は封鎖されている
『中に入りたいのだけど良いですか?』
『立ち入り禁止だ』
『これがギルドからの依頼書です』
『わかりました。ちょっと確認してきます』
警備兵が戻ってくる
『確認しました。どうぞ』
入り口の門が開き、中に入る
『気を付けてください』
『わかりました』
『取り敢えず一層を殲滅しよ』
『見つけた』
カークロッチを見るなりキリシアが切り刻む
そして、次々とカークロッチを倒しながら進む
『やっぱりこの階にはいないのかな?』
『そうだね』
リリシャは同意する
『2層に行く?』
リリシャは頷く
2層に降りて行くと、カークロッチが大群で向かってくる
『ファイヤーストリーム』
リリシャは魔法でカークロッチを一掃する
『カークロッチが相手になっていない』
ゼタルは呟く
『ゼタル、早く拾って』
キリシアは笑いながらいう
『わかった』
ゼダルが魔石を拾っている間、キリシアとマルスは通路から現れるカークロッチを次々倒している
そして、一時間ぐらいでカークロッチが現れなくなる
『大部屋の方に向かう?』
『そうだね』
リリシャが同意する
大部屋に向かうと、多くのカークロッチが現れるが、キリシアが殲滅しながら進み、討ち漏らしたのはマルスがことごとく倒して進む
『いた。大きいね』
『前のと同じぐらいかな?』
『そうですね』
『ファイヤーストーム!!』
リリシャとマルスの魔法がカークロッチを飲み込んでいく。大きなカークロッチは火の柱を避けながら向かってくるが、キリシアの槍に阻まれ、軌道を変えていく
『少し速い』
キリシアは飛び出すのを我慢しながら、火の柱が無くなるのを待っている。大きなカークロッチが突撃してくるがキリシアは迎撃する。槍で突きをすると、大きなカークロッチは避けながら、キリシアに体当たりしようとするが、キリシアはかわし、槍で払う。大きなカークロッチは旋回して直ぐに迫るが、キリシアは槍を突き、払い、近づかせない。火の柱が消え、部屋の中のカークロッチがいなくなったのを確認して
『キリシア、大丈夫』
キリシアは一気に突撃する
『ぎゃーギーー』
怪奇な音をあげる。黒い煙をあげながら向かってくるが、キリシアはかわしながら槍を突く。そして、追撃をする。大きなカークロッチの動きが鈍ってきた時、キリシアは闘気を槍に伝えて一閃。頭から串刺しにする。そして払い、吹き飛ばす
『ドン』
壁に当たり動かなくなり、黒い煙に包まれ結晶が残る
『終わったー』
キリシアは警戒しながら言うと
『お疲れ様』
リリシャが笑顔で返す
マルスは周りを見渡して入り口で警戒している
『また強くなったな・・・』
ゼタルがそう言うと笑う
『ゼタル、魔石拾って』
キリシアが笑いながら言うとゼタルは魔石を拾いだす
地上へ戻る前に3層に向かう
『まだ冒険者達、いるかな?』
『いたら、一緒に連れて上がろう』
ゼタルは頷いている
冒険者は、キリシア達を見て
『助けに来てくれたのか?』
『大きなカークロッチを倒してきた』
『え?本当か?』
魔石を見せる
『地上へ戻るけど、付いてくる?』
『わかった。ちょっと待っていてくれ』
冒険者は直ぐに下に降り、ぞろぞろと冒険者が上がってくる
『帰るよ』
キリシアは笑顔で言うと歩きだす
地上の門まで来て
『(コンコン)帰ってきたから開けて』
『わかった。ちょっと待っていてくれ』
門が開きながら警戒している
『大きなカークロッチは倒したから、もう大丈夫』
キリシアが言うと
『倒した?本当か?』
『本当に倒した』
『俺が確認したから間違いない』
ゼタルがそう言う
『わかりました』
ギルドに戻ると
『キリシアさん、リリシャさん、マルス君、おかえりなさい』
『ヘザーネ、ただいま』
『大きなカークロッチは倒したよ。ゼタルに確認してね』
『わかりました』
『この魔石はもらって良いのかな?』
『魔道具を作るのであれば、持って帰ってください』
『先生にもあげよう』
リリシャが微笑む
『緊急依頼の完了を確認しました、また今回の依頼でブロンズの上に上がりました。』
掲示板を見て
警備隊隊長の訓練依頼書を剥がし
『ヘザーネ、これ受けて良いかな?』
『警備隊の槍鍛練の相手ですね。確認します。お待ちください・・・問題ありません。警備隊の訓練所に行って、隊長に確認してください』
『わかった!行ってくるね』
警備隊詰所に向かい
『冒険者ギルドから依頼で来ました』
依頼書を見せると訓練所に通される
『隊長さん久しぶり。依頼できたよ』
キリシアが、言うと隊長は喜びの笑みを浮かべる
『早速始める?』
『頼みます』
『集合。冒険者が訓練の相手になってくれる。全身全霊で戦うように』
キリシアは練習用の槍を持つと
『誰から掛かってくる?』
『私からお願いします』
『始め』
兵士は槍で次々突きを出すが、すべて避けて槍の払いで弾き跳ばす
兵士は驚きと悔しさの表情を浮かべる
次々倒して、全員を倒す
『次は誰がくるかな?』
最初に相手した兵士が立ち上がり向かってくるが、かわし槍で足を払う。次々倒して行く。一人もキリシアに攻撃を与えられなかった
『今日は、ありがとうございました』
隊長はそう言ってキリシアに挨拶をすると
『出来れば、また来てください』
隊長はそう言って見送ってくれた
ギルドに戻り
『依頼完了ね』
『ご苦労様です。警備隊の訓練はどうでしたか?』
『全員ぶちのめしてあげた』
キリシアの言葉に
『警備隊を全員ぶちのめしたのですね』
ヘザーネは苦笑いする
『依頼完了の確認しました。また依頼受けてくださいね』
『そのつもりだよ』