レセナ王女
レグロイスは詳細な地図を持ってくると、キリシア達に説明を始める。砦の責任者と副団長は現在の状況を確認する
『ちょっと待て!もうそこまで迫っているのか!』
レグロイスが慌て出す
『既に王都からの使者も到着出来なくなりました。今迂回して連絡を取ろうとしていますが、険しい道なので中々難しいです』
砦責任者が真剣に言う
『こうなると、我が国はここで撃退出来たのが奇跡か・・・』
副団長が呟く
『そうですわ。1日遅れれば被害が拡大してますわ』
アリシアが真剣に言う
『マルスどうする?』
キリシアが真剣に聞く
『クレスタが可哀想だから、少し殲滅してから向かおうか?』
『包囲されたら可哀想だよね』
キリシアが微笑んでいる
『は?殲滅してから向かう?時間的な余裕は無いが良いのか?』
『森を焼き尽くすか、氷付けにすれば早いからね』
『解りました!氷付けにしますね』
リリシャが笑顔で言うと、レグロイスが意味が解らず苦笑いしている
『副団長、後は任せた!!』
キリシアが笑顔で言うと出て行こうとする
『レグロイス王子、行きますわ!』
アリシアが笑顔で言うと、みんな出ていく
『本当に大丈夫でしょうか?』
砦の責任者が苦笑いしている
『リベリアの英雄殿だから不可能は無い・・・一万のゴブリンを殆んど全部、6人で殲滅したぐらいだからな・・・あ!!今のは聞かなかった事にしてくれ!!殺される!!頼む!!国家機密だ!頼む!』
副団長が青ざめて慌てている
『じゃあ噂のリベリアの英雄・・・』
責任者が苦笑いしている
『それで、援軍の条件に秘密にしろ、ですか・・・』
外交担当が言うと、全員に約束させる
『助かった・・・』
副団長が呟くと、みんな苦笑いしている
気空挺が飛び立つと、周囲のスパイダーを探しながら進む
『いた!もうここまで来ていたんだね』
マルスが言うと感知した方向を指差す。みんな真剣に探している
『あ!いました!え!どんどん増えています』
『これだと数日で砦まで到達するかな?』
マルスが考えながら言うと、レグロイスに確認して貰う
『馬鹿な!!既にここまで!不味い!このままだとこの先の村が!』
レグロイスが慌て出す
『マルス師匠、殲滅しますか?』
メトリシアが笑顔で言う
『リリシャ、どうする?』
『勿論氷付けにします』
リリシャが微笑みながら言うと、みんなで外に向かう
『あ!逃げている人が!』
エビリアが見付けて言うと馬車にスパイダーが接近し、騎馬の兵士が戦いながら逃げている
『リリシャはあそこからで、エミールとミリアはあっち側お願いね』
マルスが笑顔で言う
『トルネード!!!!』
マルスとリリシャとエミールとミリアが魔法を放つと4つの竜巻が現れ、スパイダーを次々と巻き上げ始め、次第に1つになると炎で焼き払う
『後は大物だね』
マルスが笑顔で言うと次々と魔法で殲滅していく
『マルス!私の分が無い!!』
キリシアがマルスに怒鳴ると、みんな笑い始める
『遺跡に着いてからかな?』
マルスが笑顔で言うとレグロイスが慌ててやってくる
『気空挺着陸出来ないか!あの馬車は王家の馬車だ!』
『じゃあ見た内容を口止めしてくださいね』
マルスが笑顔で言うと、レグロイスは同意する
気空挺が着陸すると騎馬がやってくる
『え!レグロイス王子様!』
兵士が驚き叫ぶ
『誰の馬車だ!』
『レセナ王女様です、クライドルド王国に亡命する為に向かっています』
『何故だ!』
『国王陛下は撃退不可能と判断をしました!』
『長話するなら置いていくよ!』
キリシアが怒鳴る
『え!すまん・・・』
レグロイスが苦笑いして言うと馬車がやってくる
『レセナ!』
レグロイスが大声で呼ぶ
『え!レグロイスお兄様!』
髪の長い少女が馬車から降りてきて叫ぶと走ってくる
『何故亡命を!』
『お父様の判断です!既に全員各方面に逃れています・・・騎士団では対応不可能で・・・何とかここまで来れましたが・・・』
レセナは泣き始める
『早くしないと包囲されますわ』
アリシアが言う
『すまん・・・レセナ、クライドルド王国から援軍が向かっているぞ!国境の砦がもしもの時は、亡命するように!』
レグロイスが言うと気空挺に乗り込もうとする
『こら!ちゃんと口止めを忘れている!!』
キリシアが怒り始める
『あ!ここで見た事は秘密にするように!解ったな!!』
レグロイスが苦笑いしながら言う
『マルス、面倒!』
キリシアが言うと、マルスが苦笑いしながら降りると、気空挺は上昇の準備を始める
『あなた達はこのまま全速力で砦に向かってください!レセナ姫は、面倒になるので、乗ってください』
マルスが言うとレセナ姫の手を取って気空挺に乗ると、気空挺は上昇を始める。レグロイスがレセナ姫に話そうとする
『話は後!』
キリシアが言うとアリシアがレグロイスに何か言う
『お前達はこのまま砦に向かえ!クライドルド王国の援軍と共にスパイダー討伐を命ずる!レセナはクライドルド王国に責任を持って届ける』
レグロイスが大声で言うと兵士達は返事をしてから道を走り出す
『あの・・・この船は?』
レセナ姫が恐る恐る聞く
『あ!リベリアの翼にようこそ、レセナ姫様』
メトリシアが笑顔で丁寧に挨拶をする
『こちらこそ、助けていただきありがとうございます』
レセナが驚きながら言う
『こちらの部屋でゆっくりしていてください。この船は、周辺のスパイダーをある程度殲滅してから、発生地点を強襲しますので、少し狭いですが、ゆっくりしてくださいね』
メトリシアが微笑みながら言う
『あの・・・どうしてあんなにお兄様を怒鳴っていたのですか?』
『あのまま長話されたら、時間が勿体無いのと、スパイダーが迫っているのにゆっくりしますか?』
『あ!!そうです・・・だから怒っているのですね』
レセナが真剣に言うとレグロイスを見る
『怒鳴られるとは思わなかった・・・』
レグロイスが苦笑いしながら言う
『キリシア師匠とマルス師匠とリリシャ師匠の言う事が絶対です!怒らせたら本当に外に放り捨てられます!例え国王陛下でも平気でお願いを断る人です!騎士団長ごとき、一言で文句言えなくしますから、気をつけてください』
メトリシアが微笑みながら言う
『アハハハ・・・』
レグロイスが苦笑いしている
『レセナ姫様、こちらでも飲んでゆっくりしてくださいね』
クレシアが笑顔で言うとレセナは飲んで目を輝かせる
『俺には無いのか?』
『無いですね』
クレシアが笑顔で言う
『お兄様に無礼だとは思いますが・・・』
レセナが真剣に言う
『隣国の王子など、どうでも良いですね』
クレシアが笑顔で言うと、メトリシアが笑い始める
『クレシア御姉様も嫌いなタイプには冷たいのですの』
アリシアが微笑みながら言う
『働かないで、威張る人が一番嫌いですからね』
クレシアが笑顔で言うと、アリシアが笑い始める
『そうですわ』
『あの・・・こちらの方はどなたですか?』
レセナが小声でメトリシアに聞く
『マルス師匠の家に居候している、料理好きな人と家に帰りたく無い居候の魔法学院講師です』
メトリシアが笑顔で言う
『は?アリシア第一王女様だ』
レグロイスが言うと、クレシアが睨む
『口が軽い人は嫌いですわ!約束も守れなそうに無さそうですわ』
『そうですね。外に放り出しましょうか?』
アリシアが言うと、クレシアが微笑みながら言う
『え!アリシア姫様!挨拶が遅れて申し訳ありません』
レセナが立ち上がり挨拶を始める
『可愛いですの』
アリシアが微笑みながら言う
『アリシア様、こちらのクレシア様を御姉様と呼んでいましたが、アリシア様が第一王女様ですが・・・』
レセナが真剣に言う
『話せませんわ!ここでは、居候の料理好きな人と思ってくださいですわ』
アリシアが笑顔で言うと、クレシアが微笑みながら頷いている
周囲を少し殲滅すると、一度砦に向かう