30話 ボム狩り
『明日は食料と水を多く持っていこう』
キリシアがそう言ってリリシャが頷く
『簡易結界ですね』
マルスが言うとキリシアも頷く
多くの荷物を持って迷宮を降りていく。そして最短距離で15層まで降りていく
ボムに遭遇したら氷らせて確実に倒し、続けて進む
そして16層の階段を見つける
『降りてみる?』
キリシアはいつも通り聞いてきた。リリシャは頷く
16層に降りる。周りを探索してボムを捜す
『いないね16層は少ないのかな?』
キリシアが呟く
『少ないか、何処かに大量に固まっているかかな?』
『それは嫌だね』
リリシャはマルスを見て苦笑いする
そして小部屋を覗くとボムがいた。大量に
『スノーブリザード』
強力な吹雪に、ボムが氷の中にとじ込められていく
『どうやって砕こうかな?』
マルスは呟く
『リリシャさん、ストーンハンマー使える?』
リリシャは頷き
『ストーンハンマー!』
連打して氷ごとボムを砕く
『黒い煙出ないと言うことは、まだ倒せていないのか?』
リリシャが頷く
『トルネード』
竜巻が巻き起こり、残骸を巻き上げてぶつかり合わせ続ける。そして風が収まり、黒い霧が晴れていく。そして結晶と鉱石が残る。周りを確認しながら、鉱石と魔石を拾い集める
『うまく行ったね』
リリシャが頷く
『また集まっている』
『フリーズストーム』まとめて氷りつかせる。そしてキリシアが槍でボムの中心を貫く。マルスは確実に魔力視でボムの中心に剣を突き刺して倒していく。全て倒してから魔石と鉱石を拾い集める
『げっ!』
部屋の中に所狭しとボムがいる
『全部倒すの大変そう』
キリシアが呟く
『スノーブリザード!!』
氷にボムを閉じ込める
ストーンハンマーで片っ端から砕いていく。マルスは魔力視でボムを見ながら剣で片付けていく。リリシャも風天の短剣で同じように倒していく・・・
『やっと倒し終わった』
リリシャが言うと
『お疲れ様』
キリシアが言う
黒い霧が晴れて結晶と鉱石が残る。キリシアとマルスが拾い始め、終わると次を探して歩きだす
『階段見つけた。降りる?』
『今日は難しいかも』
リリシャはそう言うとキリシアを見る
『少し休もうか?』
マルスの提案にリリシャが頷く
『簡易結界陣作りますね』
魔道具をセットして簡易結界陣をはる
『出来たね』
キリシアが座りながら言うとリリシャも座る
そして食事をとり、少し寝る
目を覚まし、結界の周りを確認する。結界に異常は無い。モンスターも周りにいない
『マルスも目を覚ましたんだね』
キリシアがそう言って
『キリシア、少し休めた?』
『迷宮の中なのに休めた』
『魔石の整理しているの?』
『時間があるからね』
『キリシア、マルス』
『リリシャも休めた?』
『体力回復したよ』
リリシャは目をつむり、魔力の循環をはじめてる。それを見たマルスも魔力の循環を始める。キリシアも魔石を仕舞い、闘気を体の中で練り始める
結界を解除して周りを探索する
まだ行っていない方に行き、ボムを見つける
『フリーズストーム』
リリシャが魔法を放ち、氷らせてからキリシアとマルスは1匹ずつ片付けてく。
『17層への最短距離の通路に印付ける?』
キリシアが言うとリリシャが頷き、何度か階段間を歩き、確認する
『これで次は最短距離が解るね』
15層にあがり、ボムを片っ端から片付けてから地上に向かって歩きだす
迷宮を出ると日は真上ぐらいにある、そしてギルドに向かう
『ヘザーネ、買い取りお願い』
『キリシアさん、リリシャさん、マルス君、いらっしゃいませ。今日は早いですね』
『迷宮の中で寝ていたから。さっき出てきた』
『迷宮で寝たのですか?』
ヘザーネは驚きながらも魔石を数える。そして次の魔石の袋を空けて数え始める
『ん?』
魔石を見比べながら首を降ると
『15層ですよね?』
『半分以上は16層だよ』
キリシアが言うと
『ちょっと確認してきます』
ヘザーネは魔石を持って奥に行く
『魔石の大きさが変わったからかな?』
『多分、ヘザーネだから解ったんだね』
キリシアとリリシャはそう言って微笑んでいる
周りの冒険者は遠目から見ていてボソボソ話をしている
『お待たせしました』
ヘザーネが戻ってきて紙を持っている
『言いにくいのですが、こちらの魔石は王都に送って確認する必要がありますのでお預かりさせて頂きたいのですが、よろしいですか?』
『良いけど大きさが違うから?』
『そうです。金額をどうするか確認しないと、買い取り価格を決められないです』
『ヘザーネじゃないと気がつかないよね』
『ありがとうございます』
ヘザーネは数を数え終える
『中魔石が62個で金貨12枚と銀貨4枚です。お預かりする魔石は125個です。鉱石が40個です。こちらにサインをお願いします』
『ありがとう』
出口に歩きだすキリシアにリリシャが
『時間あるから掲示板見ていく?』
『あ!そうだね』
掲示板へ向きを変えて行く。掲示板近くの冒険者は道を空ける。掲示板の依頼を見ていく
『糸の依頼あるね』
『糸を10本、金貨5枚だね』
『こっちは中魔石銀貨3枚だね』
『あ!警備隊隊員、槍術訓練相手銀貨5枚』
『これはキリシア宛かな?』
『今度、隊長の所に行ってみる?』
『そうだね』
外から喧嘩の声が聞こえてくる
『外で喧嘩しているね』
入り口から外を見てみると見慣れない人達が殴り合いの喧嘩をしている
『この程度かテメエら』
相手を殴り倒した奴が周りに言っている。そして、キリシアを見て、カモを見るような目で笑みを浮かべ
『小娘、なんか文句あるのかぁーー』
いきなり走りながら殴りかかってくる
面倒臭そうに槍で受ける
『いてー』
『喧嘩売っているの?』
『小娘ーー』
と言いながら殴り掛かるが、キリシアはかわし続けると
『捕まえろ。ひんむいてやれ』
男は我を忘れているみたいだった
『槍と荷物をお願い』
槍をリリシャに渡し男の腕をつかみ投げ飛ばす
『ぎゃ!』
地面に倒れた男は立ち上がり、殴りかかってくる。キリシアは足を蹴って転ばせる。周りの男達も向かってくるが、避けながら一人に蹴りをいれると『バキッ』骨の折れる音がする。殴った相手は鼻血を出しながら転がる
『この小娘!!』
殴りかかる男の腕をつかみ、壁に投げ飛ばす。もう一人は殴り、白目を剥かせる。そして、最初に殴り掛かってきた男はナイフを抜いて刺しに来るが、かわすと、ナイフを持つ腕を蹴り飛ばし、ナイフを飛ばす
そして殴り、股間を蹴り上げてうずくまる男に
『いきなり殴り掛かってきたのはお前だからね。今回はこの程度だけど次は無いよ。この弱虫、視界に二度と入るなよ!!』
最初に喧嘩していた冒険者をみて
『なんで喧嘩してたんだ!
喧嘩する前にもっと強くなれ!』
冒険者達は立ち上がり頭を下げて
『すいません。強くなるように精進します』
大声でそう言う。キリシアはこっちを見てから歩きだす