食事会後編
バイルとオイゲルがやってくる
『マルス殿、屋敷とは聞いていたが、凄い豪邸ですね』
バイルが笑顔で言う
『自分で作ったから、結構楽しかったよ』
『魔法建築ですか?』
バイルが笑顔で言うとオイゲルが驚いている
『内緒だよ。面倒な人が多いからね』
マルスが微笑みながら言う
『確かに面倒な貴族は多いですね』
バイルが笑顔で言う
『後はミドルが帰ってくれば揃うけど、無理かな?』
マルスが呟く
『ミドル、どこかに行ったのですか?』
『ヘルトが来たから、メトリシアとアリシアに連行されてヘルトに突き出されたよ』
マルスが笑いながら言う
『泣いていますね。早く帰ってくる事を祈りましょう』
バイルが笑いながら言うと、オイゲルが招待されている人を見て苦笑いしている
『どうしたの?』
『グラベルに仕立屋に道具屋、全員王都でも有名な店ばかりです』
オイゲルが苦笑いして言う
『糸屋に紹介して貰っただけだね』
『あのジジイに?』
オイゲルが呟く
『オイゲル!!ちょっと来い!!ジジイとは誰の事だ!!』
『え!すいません・・・』
オイゲルは苦笑いしながら糸屋の方にいくと、料理をアニーとクレシアが運んでくる。みんな席に着いて食事会を始める
『え!この鍋まで魔道具なのか!!』
グラベルが驚いて声を上げる
『その内作って貰うから覚悟してね。グラベル』
マルスが微笑みながら言う
『は?・・・ギレリムの作ったものか?』
『ギレリムが作ったものも有るよ』
『わかった!!負けていられない!!作ってやる!!』
グラベルが大声で言う
『ギレリムの知り合い?』
キリシアが笑顔で聞く
『あいつは弟弟子だ!!リベリアで沢山魔道具を作りやがって!!羨ましいんだ!!』
『へぇーーじゃあ腕も良いの?』
『はぁーー俺の方が上だ!!』
『証明してみせて!!』
キリシアが笑顔で言う
『何を作れば良い!!』
『そうだね・・・必要な物が無いね』
キリシアが笑顔で言う
『は?必要な物が無い!!』
『武器も防具も全部揃っているから今は無い』
『・・・・そんな!!・・・マルス!!』
グラベルがマルスを見て呟く
『次に必要なのは・・・ケニスのブーツとエレーヌのローブとブーツ・・・その次はヒストリアの分かな?グラベルに作って貰うものが無いか!この間の杖が武器の最後かも』
『え!そんなーー頼む作らせてくれ』
『考えておくね。だけど武器以外の魔道具になるかな?』
マルスが笑いながら言うと、みんな笑い出す
『マルス・・・』
ミドルが涙目で帰ってくる
『ミドル、お帰り。どうした?』
『あの金庫!!なんだ!!あんなのいくらにすれば良いのか解らない!!』
『金庫なら良いかと言ってなかった?』
『あり得なさすぎる!!紋様魔法に紋章魔法に魔道具化しているなんて聞いてない!!価値が解らない!!』
ミドルが大声で言う
『あーーー!ミドル、言って良いのかな?』
キリシアが微笑みながら言う
『え!あー!!!聞かなかった事にしてください!!』
ミドルが慌てて言う
『クスクス・・・楽しそうですね。私の席は有りますか?』
王妃が笑いながら来る
『あ!お母様、どうしたのですか?』
『メトリシアが楽しそうな食事会をしているとヘルトが言うから、ミドルを送りついでに遊びに来ましたよ』
『お母様、美味しい料理に魔道具の数々を見れますわ』
アリシアが笑顔で言うと2人の間に座る
『え!・・・・・まさか王妃殿下!!!!!』
グラベル達は慌てて片膝を付き、頭を下げる
『楽しい食事会ですので、堅苦しい事は無しにしてください』
王妃が笑顔で言うと、バイルが苦笑いしながら全員に席に座るように言う
『バイルはなれていますね』
『以前はウイントレスが食事会に乗り込んで来たことが有りました』
『それはそれは面白いですね。今度は夫も連れてきますね』
『お母様、そこまでしたら、マルス様に迷惑ですわ』
アリシアが笑いながら言う
『残念ですね』
王妃が笑い始める
『バイル、もしかして、アリシア王女様ですか?』
『そうです。後、メトリシア王女様もいます』
バイルが呟くとオイゲルと、グラベル達は王女様を見て青ざめている
『こちらをどうぞ。熱い内に飲んでくださいね』
クレシアが微笑みながらスープを置く
『あ!本当に美味しい!宮廷料理人より美味しいです』
『アニーは料理の天才ですわ』
アリシアが笑顔で言う
『アニーさん!宮廷料理人になりませんか?』
『お断りいたします。リリシャ様の弟子ですので』
アニーが笑顔で言う
『そうですか・・・ではお隣の・・・どこかでお会いしたような・・・』
王妃が考えている
『料理好きな居候です』
クレシアが満面の笑顔で言う
『そうですか・・・』
『こちらが肉の煮込みです』
クレシアが料理を出す
『これは柔らかくて美味しいですね』
『低温で時間をかけてワインで煮込まれています。次は表面を焼いてから保温庫でじっくり火を通した肉です』
クレシアが笑顔で言うと、アニーと楽しそうに料理をしているのを王妃は微笑みながら見ている
『アリシア、あの料理人について調べてくださいね』
王妃が微笑みながら言う
『何故ですの?』
『王宮で雇いたいと思います』
『え?不可能ですわ!!』
アリシアが驚いて言うとメトリシアが笑い出す
『え!不可能?まさかリリシャ様の弟子なのですか?』
『私と同じ、居候ですわ!料理するのが趣味ですから』
『どこかで見たような・・・』
王妃が考えている
『クエリス、あの人はどなたなのですか?』
王妃はクエリスに聞く
『それが・・・・クレシアさんと言う方ですが教えて貰えません』
クエリスが真剣に答える
『こちらがソースですが、どちらを付けますか?』
クレシアが微笑みながら言う
『クレシア・・・あ!!リベリアのクレシア第一公女!!』
王妃が驚きながら言う
『お久しぶりです。王妃様』
クレシアが微笑みながら言うと、ソースを差し出している。クエリスが青ざめている
『どうしてこちらに?』
『父が来れないので、キリシア様と遊びに来ました』
クレシアが笑顔で言う
『公爵の屋敷には行かないのですか?』
『え!こちらの方が自由で好きなことが出来ますので、居候です』
『この屋敷では仕方ないですね』
王妃も笑い始める
『クレシア様はウイントレスから嫁ぎ先を探してこいと言われたそうです』
メトリシアが笑いながら言う
『嫁ぎ先?許嫁は・・・伯爵家ですか・・・いなくなりましたね』
王妃は考えながら笑みを浮かべてクレシアを見る
『あ!お母様が何か企み始めた?』
メトリシアが呟く
『メトリシア、こう言う時は見ないふりですわ』
アリシアが言う
『クレシアさん、ヘルトはどう思いますか?』
『イタズラが過ぎます。女に苦労しますね』
クレシアが笑顔で言う
『そうですか・・・その通りですね。許嫁が亡くなりましたのでクレシアさん、嫁に来ませんか?』
王妃が微笑みながら言う
『面倒ですので・・・・』
クレシアが微笑みながら言う
『そうですか・・・本当に王家に魅力が無いのですね。騎士団長は断られる。宮廷魔術師長や魔法研究院長、魔法学院長就任は全部断られる・・・』
王妃がみんなを見ながら言うと、みんな笑い始める
『リーベル様、言われていますよ』
マルスが笑顔で言う
『え!私には無理です・・・マルスを制御するのは!それにエミールが卒業したらなって貰うのが1番です』
リーベルが慌てて言う
『え!私ですか!!私はリリシャ師匠とマルス師匠に卒業したら本格的に魔法を教わりますので無理です!!』
エミールが笑顔で言う
『マルスが魔法学院長に・・・・なったら終わりか・・・』
リーベルは涙目になって座る
『自爆ですね。リーベル様』
メトリシアが微笑みながら言う
『お願いだから、アーメルドでゆっくりさせて欲しい』
リーベルが涙目で言う
『リーベル様はアーメルドにいらしたのですね』
ルキアが笑顔で言う
『この子達が来なければ、ゆっくりポーション作りながら過ごせたのに・・・』
リーベルが溜め息吐きながら言う
『卒業したらアーメルドに嫁ぎますので、色々教えてください』
ルキアが笑顔で言う
『え!アーメルドに!!アルクオドール様に嫁がれるのですか?』
リーベルは驚きながら言う
『実家は貧乏ですので、アルクオドール様が心配して学費を出してくれました。マルス様とキリシア様とリリシャ様に本当に感謝しているので、仲良くして欲しいと言われています』
ルキアが微笑みながら言う
『ルキアさんがアーメルドに嫁がれたら、王国有数の魔導師を得るのですから安い投資ですね』
リーベルが呟く
『ルキアさんもかなりの実力者なのですか?』
王妃が真剣に聞く
『攻撃魔法はマルス様とリリシャ様から習い、魔法薬作成はミリアとメトリシアが細かい所まで教え込み、エミールとエレーヌが付与魔法の書き込みを教えてますわ!!羨まし過ぎますわ!!』
アリシアが笑顔で言う
『既に今の宮廷魔術師に近い実力を持っています』
リーベルが真剣に言う
『大賢者研究会ですか・・・既にマルス様が作られた学校ですね』
王妃が微笑みながら言う
『カミラもソリナも交代で通って魔法の特訓を受けていますわ』
『カミラとソリナも!もしかしてかなり実力を?』
『普通の魔法使いぐらいです。カミラさんは魔法剣士になる為の特訓中です』
マルスが笑顔で言う
『本当にずるいですわ!いつの間にかマルス様を師として崇めていますの!!』
アリシアが微笑みながら言う
『次々と凄い実力者を育てるのですね・・・早く宮廷魔術師長を育ててくださいね』
王妃が笑顔で言うとみんな微笑んでいる
『エリカが卒業したら就任してね』
マルスがエリカを見て言う
『そうですわね。4年後が楽しみですね』
王妃が微笑みながら言う
『努力します。マルス師匠の名に恥じない魔法使いになります・・・え!えーーーーー!宮廷魔術師長?!!』
思い出した様に慌て出す
『宮廷魔術師長が嫌なら魔法学院長の席でも良いよ』
マルスが笑顔で言う
『マルス師匠!無理です。私では無理です!!家を追い出された私なんかに!!』
エリカが泣き始める