27話 杖と短剣
翌日、フローネとリリシャはポーションを作成している
キリシアはランプの魔石の準備をしている、マルスはリリシャの杖の準備している
『先生杖なんですけど、複数の付加してみたいのですが』
『結構な難度です。立体的な魔方陣に変える必要があります。組み立てが複雑ですが、やってみなさい』
『はい!』
リリシャとキリシアは顔を見合せ微笑んでいる
これが魔力強化で、これが軽量化で、これが精神強化で、これが生命力強化・・・・どれを組み合わせるかな?どうせだから・・・
魔方陣を一度書き込んでみよう
中魔石に魔力強化を、ベースに構造強化と魔力制御を三角形をイメージして書き込む・・・出来上がった
『先生、みてください』
マルスは魔石を渡す
『魔力を通して確認する・・・まさか本当に複数の魔方陣を書き込めるなんて・・・』
フローネの言葉にリリシャは魔石を覗き込む
『杖に書き込んで見ます』
マルスは杖を持って付与魔法を始める。そして、完成する
『リリシャさん、これを使ってみてください』
リリシャに渡し、リリシャは魔力を込める
杖は輝き、魔力が高まる
『リリシャ、岩場で魔法を打ってみますか?』
フローネの言葉にリリシャは頷く
リリシャは、魔力を込めて魔法を発動する
『ファイヤーボール』
大きな火の玉が形成されて岩に当たり爆発する
『凄い・・・魔力が制御しやすい・・・熱量も上がっている』
リリシャの言葉にフローネは微笑む
『私も使っても良いかしら?』
『はい!先生』
フローネは魔力を込めて詠唱する
『アクアアロー』
岩に当たり岩が砕ける
『とんでもない杖ですね・・・国宝級の杖になっています』
『えーーー!!』
キリシアが驚きの余り、声をだす
『国宝級ですか?それは・・・』
リリシャも声を失う
『魔力が増幅されて、制御出来る。そして構造強化されている・・・全部発動される。完璧です』
フローネはそう言ってリリシャに杖を返す
『杖に名前をつけた方が良いと思います』
『名前ですか?』
『良い魔道具には名前があるものです』
『魔導の天杖ってのはどうですか?』
マルスが言うと
『魔導の天杖ですか。良い名前です』
フローネは微笑み
『リリシャ、よろしいですか?』
『あっはい!しかし、私が使って良いのですか?』
『あなたの杖ですよ。それに、マルスの杖は、もっと凄いのを作るでしょうから、気にする必要は無いでしょう』
フローネが言うとキリシアが笑う
『マルスなら、どんどん凄いのを作りそう』
リリシャも頷く
翌日もフローネの家で続きをする
マルスは短剣を魔力制御しながら魔力の通りを良くしていく
『3本共出来た』
マルスは呟く。そして魔力や闘気を通して確認をする
後はどうしようかな?属性を付加してみようかな?
魔方陣を発動して、一本目に付与魔法で魔方陣を書き込む。そして完成した。構造強化と火属性と体力回復と生命力強化の4つの付加に成功した。
二本目は、構造強化と風属性と体力回復と生命力強化
三本目は、硬化構造強化と光属性と体力回復と生命力強化
完成した短剣を持って、ポーションを作っているフローネ達の所へ行く
『先生、完成しました』
『確認しますね・・・え?まさかこんなこと・・・』
フローネの様子を見てリリシャも驚く
『マルスもしかして4つの魔方陣を書き込みましたね』
『はい!やってみたら出来ちゃいました』
マルスが軽く言うので
『軽く言うのですね・・・もう国宝級処の問題では無いでしょう・・・古代魔道具を復活させたと言うことになりますから』
フローネがそう言うと3人を見る
『それは、いろんな魔道具が作れるって事ですか?』
キリシアが言うとフローネ
『王国一の付与魔法師と言っても良いと思いますよ。どんな魔道具を作るか楽しみですよ』
フローネは微笑む
火天の短剣はリリシャ、風天の短剣はキリシア、光天の短剣はマルスが持つことにした