魔導書写しの打ち合わせ
屋敷のリビングで寛ぎながら
『明日は研究会で、明後日迷宮で良いかな?』
マルスがみんなに言う
『はい!マルス師匠!!楽しみです』
ミリアが笑顔で言うと、メトリシアとケニスが微笑んでいる
『ヒストリアさんはまだ迷宮は無理だから、夕方カミラさんと馬車で迎えに来て貰っても良いかな?』
『え!護衛なので一緒に行きたいです。』
ヒストリアが真剣に言う
『まだまだ無理だよ。闘気鍛練してケニスクラスにならないと、ついてこれないよ』
『え!!ケニス様クラス!!不可能です!!』
ヒストリアが涙目になる
『慌てなくても一緒に迷宮に潜れる日が来るよ。今無理しても不治の病になるだけだからね』
『え!!!不治の病!!!それは・・・・』
ヒストリアが驚きながら言う
『マルス師匠の言う事は絶対です!!それに迷宮内よりも町中の方が危ないから迎えに来て貰えたら嬉しいです。』
メトリシアが微笑みながら言う
『そうだね・・・ヒストリアだけだと危険かな?この前の事も有るから』
マルスが考えながら言う
『あ!そうですね・・・デストラが言っていましたから、迷宮周辺は危険ですね』
メトリシアが言う
『ケニス、明日デストラが来たら、明後日のヒストリアの護衛頼んでおいてね』
マルスが笑いながら言う
『はい!デストラに大掃除されたくなければ、来るように言っておきます』
ケニスが笑い始めると、みんな笑い始める
『デストラ様にですか?恐れ多いです』
ヒストリアが不安そうに言う
『デストラ、昼間来ているの?』
『はい!2日に一回はボコボコにしています。マルス様が帰られる前に帰りますが・・・』
ケニスが笑いながら言う
『デストラ、努力しているね』
マルスが笑顔で言うと、ヒストリアが苦笑いしている
(ケニス様、簡単に騎士をボコボコにしていると言って良いのかしら?)
翌日、魔法学院に行くと、大賢者研究会の建物の前に人集りが出来ている
『何の用ですか?』
マルスが聞く
『あ!!キタキタ!大賢者研究会に入れてくれ!頼む!!』
次々と生徒が言う
『今はお断りします。』
マルスが言うと、生徒達は詰め寄りながら諦めずに言い寄ってくる
『何しているのですか!!授業の時間です!!』
リーベルが苦笑いしながら言うと、生徒達は教室に戻っていく
『リーベル様、ありがとうございます』
『この建物を見た人が入りたくなるのは解りますが、入会基準を決めた方が良いですね』
リーベルが溜め息混じりに言う
『魔力制御がエレーヌ以上なら入れても良いかな?後はミリアとメトリシアとルキアが気に入ればね』
マルスが微笑みながら言う
『ほぼ入れないですね・・・エレーヌさんは実質あなたの弟子ですから、それ以上はこの王国にいません。ミリアさんとルキアさんとメトリシアさんに近付く事が不可能ですね』
リーベルが笑い始める
『誰が入れるか楽しみですね』
マルスが微笑みながら言うと、ミリアとメトリシアが笑い始める
『魔導書の写しの件ですが、昔、前例が有りましたので、魔法学院の事務局に依頼を出せば、仲介してくれます。学生達も小遣い稼ぎと勉強が出来るので良いと思います。』
『解りました。依頼は相手を選んでも良いのですか?』
『勿論大丈夫ですが、古代文字は不可能と思ってください』
リーベルが微笑みながら言う
『一度行って依頼してみようかな?』
マルスが笑顔で言う
『そう言うと思ってましたよ。行きましょう』
リーベルが笑顔で言うと、事務局に向かう
『お待たせしました。魔導書の写しの依頼は1冊金貨2枚となります。手数料は研究会からの依頼なら掛かりません。』
事務局職員が笑顔で言う
『魔導書は学院の書庫から選んでも良いのですか?』
『勿論です。この30年、依頼を出す研究会が無かったので、学生からしたら良い勉強と小遣いになります。』
『ありがとうございます。すぐに依頼を出したいのですが、依頼する学生を選んでもよろしいですか?』
『文字が下手だとダメですので、勿論選んでください』
『解りました。よろしくお願いします。』
マルスが笑顔で言う
『大賢者研究会の建屋は・・・外観から素晴らしいですが、中を見学してみたいです。』
事務局職員が真剣な目付きで言う
『見せびらかす程の設備では無いですよ?』
マルスが微笑みながら言う
『マルス・・・あれのどこが・・・・もうとんでもない設備を』
リーベルが苦笑いしながら言う
『改善する所がまだまだ有ります。使ってみて解りました!』
マルスが笑顔で言う
『・・・・もう作らないでください・・・』
リーベルが青ざめている
『そうですけど、まだ完成はしてないですよ。トイレを作った辺りに昼を食べるスペースを作りたいですから』
『は?・・・』
リーベルが苦笑いしている
『絶対必要です!!早く作りましょう!!』
メトリシアが笑顔で言う
『準備するものが有るからもう少し待ってね、窯や鍋をどのぐらいの大きさにするか考えないといけないからね』
マルスが笑顔で言うと、ミリアが微笑んでいる
『良く解りませんが、完成したら中をみたいですね』
事務局職員が笑顔で言うとマルス達は研究室に戻って調べものを始める
午後になりルキアが来る
『マルス様、今日は攻撃魔法を教えてください』
ルキアが笑顔で言うと練習場で魔法を撃ちながら魔法の練習を始める
『今日はエレーヌさんはいないのですか?』
『エレーヌはエミールと付与魔法の魔方陣の練習をしているよ』
『え!見てみたいです』
ルキアが笑顔で言うと2階に向かい、エレーヌの勉強姿を見学する
『凄いです・・・何回も同じ魔方陣を書いて練習しているのですね・・・それも紋様を1つずつ書き直して・・・』
『書き込み方が解っても、書き慣れてないと上手く書けないからね』
マルスが笑顔で言う
『他の研究会を見ましたが、付与魔法の練習、少し違いますよね』
『紋様をしっかり書けなければ意味が無いからね』
『やっぱりマルス様達は違いすぎます』
ルキアはそう言うと、エレーヌの練習を注意深く見ている
『ルキア、明日と明後日は自分達は迷宮に行くからいないからね』
『迷宮にですか?許可下りないと聞いてましたが・・・あ!マルス様達は冒険者だったから可能なのですね』
『冒険者ギルドも問題無く許可を出してくれているからね。それに前衛がいるから問題ないからね』
マルスが笑顔で言う
『やっぱりマルス様は凄いのですね』
ルキアは笑顔で言う
『他の人には内緒にしておいてね』
マルスが笑顔で言うとルキアは頷いている