25話 試し斬り
『7層でショウブグを倒す?』
リリシャとマルスも頷く
一気に7層まで最短距離で向かう。ショウブグが転がって来るのをキリシアが突くと、難なく貫通する
『凄い!』
マルスも一刀両断にする
『凄い切れ味』
リリシャは2人を見て喜ぶ
『どうする?12層?13層どっちにする?』
キリシアの言葉にリリシャが
『13層を覗いてみましょう』
キリシアも頷く
13層に着くとムカデが襲ってきた。キリシアはかわしながら、槍で突き顎を砕く。そして、槍に闘気を纏わせて払うと、ムカデは吹き飛び、黒い煙が結晶を残して消える
『戦えそう』
キリシアはリリシャにそう言って微笑みを浮かべている
ムカデ3匹に遭遇し、リリシャはファイヤーボールを放ち焼き払い、結晶になる
『魔法も大丈夫』
次に遭遇したムカデ2匹はマルスが斬り裂く。黒い煙を出しながら結晶に変わっていく
『切れ味凄い。固いはずなのに余裕で斬れる』
『このままムカデを狩ろう』
キリシアが言うとリリシャは頷く
次々ムカデを倒し魔石がいっぱいになったので帰ることにした
ギルドに着き
『ヘザーネ買い取りお願い』
『キリシアさん、リリシャさん、マルス君、お帰りなさい』
『中魔石ですね。糸は無いのですか?』
『13層に行ってきたよ』
『とうとう13層ですか』
ヘザーネは魔石の数を数える
『中魔石83個で金貨16枚と銀貨6枚です』
『ヘザーネ、また明日ね』
13層まで最短距離で進み、ムカデを次々倒していく。大きな部屋に到着すると、ムカデが大量にいる。リリシャとファイヤーストームで一掃しようとするが、炎の中からムカデが出てくる
『炎が効きにくいのかな?』
キリシアは突撃する。炎から出てきたムカデを突き貫く。リリシャはファイヤーアローで一匹ずつ確実に仕留めていく。接近したムカデはマルスが剣で斬り裂く。ムカデが飛びかかるが、マルスはそのまま真っ二つに斬る
『ファイヤーストームで倒せないとは思わなかった』
リリシャがそう言うとキリシアが頷く。魔石を拾って進むと14層への階段を発見する
『階段見つけたね。どうする?』
リリシャが言うとキリシアが
『降りてみよう』
と言う。リリシャは頷き階段をおりる
周りからムカデが現れる
『数が多い』
前側はキリシアが、後ろ側はマルスが受け持つ。キリシアは近付いたムカデから突き、頭をまず潰す。しかし、ムカデを越えてムカデが次々現れる
『突くだけじゃ』
飛びかかるムカデを薙ぎ払う。そこにリリシャがファイヤーボールを放つ。キリシアは、槍で横への振り払いを多くして、ムカデ叩きのめす
ムカデ達が固まって来れば、リリシャが魔法で倒す
後ろ側はマルスが近付いたムカデを次々斬り裂く。そして確実に倒す
『何とか殲滅出来た』
キリシアがそう言うと、リリシャとマルスは苦笑いする。そして魔石を拾い集める
その後も、何とか殲滅しながら魔石を集めて帰ることにした
『ヘザーネ、買い取りね』
『キリシアさん、リリシャさん、マルス君、待っていました』
『これね』
魔石の袋を置く。ヘザーネは数を数えて
『中魔石124個です。金貨24枚銀貨8枚です』
『ありがとう』
『糸の件ですが金額が決まりました。こちらが報酬です』
『かなり重いね』
キリシアが言うとヘザーネは微笑む
『ギレリムの所に寄らない?』
『良いよ』
『鎧がボロボロ』
キリシアは苦笑いする
『自分もくさり帷子では厳しいかも』
マルスも言う
『次は防具が必要だね』
鍛冶屋に入ると
カセテイが顔を出してギレリムを呼ぶ
『どうした?』
『防具どうにかならないかな?』
『鎧か…作れるが、重くなるからな・・・その傷…ムカデが相手だとそれなりの固さが必要だし、マルスとリリシャには鎧は難しそうだし』
『重くなるのはちょっとね』
『付加して鎧を軽くする?』
リリシャが言うと
『パーツが多いから難易度が高過ぎる』
ギレリムが苦笑いする
『一人で装着するのも大変だ』
『確かに、大変なのは嫌』
『魔力を通す革と布を集めれば・・・付与魔法もありか?』
ギレリムは考えながら
『フローネに相談してみるのが良いかもな』
『先生に明日会いに行こう』
キリシアの言葉にリリシャが笑顔で頷く
翌朝、フローネの家に行き、フローネに相談すると
『防具ですね。布はキャタピーの糸だけで編むことも不可能ではありませんが、ベタベタしますからお勧めはできません。ローブ用の布に使う糸に交ぜて編んで貰えば・・・丈夫で良い物が出来るでしょう』
フローネの話にリリシャが笑顔で頷く
『丈夫で魔力を通しやすい革は、この国では手に入らないので、港町での交易で手に入れる方が良いですね』
フローネの言葉にキリシアも頷く
『例えば、革に付与魔法で強化した金属の鱗を取り付けるのは可能ですか?』
マルスの問いにフローネは微笑みながら
『可能です。小魔石に構造強化をして、一部ミスリルを使って・・・高位の付与魔法で連動させれば大丈夫よ』
『かなりの難易度ですよね』
リリシャは考え込む
『小魔石に中魔石と同じ構造強化の魔方陣を書き込むか・・・』
『魔力を通す革は手に入れる必要もありますよね』
『革はどうにか出来るでしょうが、構造強化が問題ですね』
フローネは考えてマルスを見る
『マルス、一回やってみますか?いつもより細く細かく魔方陣を書く必要があります』
小魔石を魔方陣の中に置き魔方陣を発動して、魔方陣を書き込むが、砕けてしまう
『あ!』
次の魔石を置いて、今度は魔方陣を斜めに書き込む。書き込み終り
『フローネ先生どうですか?』
『斜めに書き込むなんて初めて見ました。綺麗に魔方陣が書かれていますね。ギレリムに1つ作ってもらって試してみましょう』
『わかりました』
リリシャは楽しそうに笑い、キリシアはニコニコしている
『ギレリムいる?』
ギレリムが出てきて
『フローネから何か妙案が出たか?』
『革に金属の鱗で強化してみたいのだけど』
『スケールメイルか、成る程・・・鱗の裏に中魔石か?』
『小魔石でやってみたいから、試作の鱗を作って。成功したらスケールメイルにしてね』
『小魔石でだと・・・不可能だろう・・・フローネが言うのだから可能なのか?面白い』
ギレリムがニヤリとして頷く