戴冠式前編
戴冠式の準備が整い、貴族や来賓が次々と会場に入るとマルス達は上から全体を見ている
『あ!国王陛下が入ってきました』
エミールが笑顔で言うと、国王と王太子夫妻が入ってくる。戴冠式が進んでいく
『本日退位する事とする!皆も知っていると思うが、ゴブリンの襲撃に始まり、リザード襲来の被害は甚大で有ったが、我が弟は人民を守る立場で有るにも関わらず、反乱を起こす寸前まで計画して一部実行に移し、王都に魔獣を放つ計画を実行した!全ては鎮圧したが、我がクライドルド王国は危機に瀕していると言って過言ではない!!我が息子に王位を譲り王国の再建を推し進める事にする!!』
国王が宣言をすると自ら王冠を王太子の頭に乗せる
『クライドルド王国は危機に瀕しているが希望も有る!皆も知っていると思う。リベリアの英雄達は王国の危機を救ってくれた!名誉も名声も地位も権力も領地も称えられる事も辞退してしまうが、本物の英雄である!我は王位即位後、最初にやることは、リベリアの英雄達を称えたい!偉大なるリベリアの英雄達に感謝を!!!そして我が王国に永代に語り継がせよう、英雄達の足跡を!!リベリアの英雄に感謝を!!!』
新国王が宣言をする
『リベリアの英雄達に感謝を!!!』
会場の人達が次々と叫んでいる
『キリシア師匠とリリシャ師匠がいたら何て言いますか?』
エミールが苦笑いしている
『恥ずかしいって一言だね』
『あ!そうです!その通りです』
エミールは笑顔で言うと会場を見ている
『ケニス、4人だね』
マルスが言うとケニスが会場を見ている
『4人?どこですか?』
『今、叫んでいないのは』
マルスが笑顔で言うと、ケニスが見付ける
『ロイド、入り口側に行った2人は出口封鎖かな?』
『すぐに取り押さえる準備をします』
ロイドが苦笑いしながら言うと急いで降りていくと護衛騎士も確認して青ざめている
『どうかしましたか?』
『まさか!!隊長・・・何故ここに!!エリゼトスに出向している筈』
『あ!間違いないですね・・・見た事が有ります』
ケニスが苦笑いしている
『もう1人は魔法研究院の前の院長です・・・』
護衛騎士が睨みながら言う
『騎士団長、警戒怠らなければ良いけど』
マルスが呟くと他の不審者を探す
護衛騎士隊長は最前列付近まで来ると一気に飛び出して前国王に斬りかかると護衛騎士が慌てて前に飛び出して身を挺して剣を受け止める
『どけーー!レドモント!死ね!!』
護衛騎士隊長が大声で言うと騎士団長と副団長は国王の前に飛び出して剣に手をかけている
『どうしてだ!!何故お前が!!』
騎士団長が睨みながら言う
『俺を左遷して言う事か!!』
『何を!!お前が適任だからだろ!!お前しかあの地を治められる人がいないからだろ!!違うか?』
『ふざけるな!!何とか言え!!』
『信用出来る領主候補がお前と団長しかいないからだ・・・何でこんな事をする前に言わなかったのだ・・・』
前国王が悲しそうな目で言う
『え・・・・何故どうして!取り次ぎもしなかったのを・・・』
『は?あ!まさか重臣共か?反逆者共に取り次ぎを頼んだのか?』
『反逆者・・・・』
護衛騎士隊長は周囲を見て前国王を見ると魔法研究院前院長を見る
『くっ!これならどうだ!!やれ!!!』
魔法研究院前院長が合図をする
『ん?何故だ何故落ちない!!』
『天井の奴らは捕らえたぞ』
副団長が言うと睨んでいる
『本当に左遷だよな!!何とか言え!』
護衛騎士隊長が叫ぶ
『無い頭で考えろ!!もう後に引けないぞ!!』
魔法研究院前院長が怒鳴ると護衛騎士隊長は唖然とすると魔法研究院前院長は床を足で何回か合図を送っている
『玉座の下の穴の3人も捕らえたぞ』
騎士団長が言う
『まさか、全てバレたのか!!こうなったら!!』
魔法研究院前院長が手をあげると1人の男が近くの女性を突き刺す
『きゃーーー!』
女性が血を流しながら叫ぶと周囲の人達が身の危険を察知して入り口に向かって逃げ始める
『やれ!!』
魔法研究院前院長が叫ぶと男は赤い珠を血に落とす
混乱が始まると会場の入り口では2人の男が扉の前まで来る
『どうするかな?武器を捨てて投降するか?』
ロイドが言うと護衛騎士達が取り囲んでいく
『は?何の用だ!』
『隠している武器を出して貰おうか?』
ロイドが言うと護衛騎士が両脇から取り押さえようとする
『クソーー!死ね』
男達が剣を抜くと、ロイドは闘気を込めた一撃を腹に入れる。もう1人を蹴飛ばすと護衛騎士が急いで取り押さえると、会場から外に出す
『ロイドは手際が良いね・・・騎士団長は早く取り押さえないと反撃を食らうよ』
マルスが呟く