戴冠式前
マルスは戴冠式会場の下見をしている
『マルス様、ここだと、この上から監視した方が良いですね』
ケニスが微笑むと、通路を通り、上に上がると全体が見える位置に行く
『本当だ!ここなら全部見えるね』
『襲撃者もこう言う場所を選ぶ筈です』
ケニスが微笑みながら言う
『戴冠式最中は騎士がここを守るのかな?』
『その通りです』
ケニスが微笑んでいる
『見易いけどここからだと下で何か有ったら、騎士達に任せれば良いか』
マルスが微笑んでいると、後ろの騎士が苦笑いしている
『宮廷騎士にこの場所で戴冠式を見学すると伝えておきます』
ロイドが笑顔で言う
『ロイド、不審者の出入りは監視出来ているのかな?』
『警備はしていますが、貴族相手ですので、武器を持ち込まれたり、どこかに隠している可能性が有ります』
『面倒だね』
マルスが苦笑いする
『ここの会場の下はどうなっているのかな?』
『え!下ですか?何も無いと聞いています。』
ロイドが苦笑いしている
『そうなんだね。ちょっと調べてみようかな?』
マルスが微笑みながら会場に降りて歩いていく
『アースサーチ』
床に魔法を使うながら確認していく
『ロイド空洞が有るね』
マルスが苦笑いしながら言う
『は?空洞ですか?何故!!』
ロイドが驚いていると、マルスは空洞の先を調べ始める
『ロイド、あの小屋は?』
『納屋ですね・・・』
『あそこは使われているのかな?』
『聞いてきます』
ロイドが言うと走って行く
『マルス師匠、どう言うことですか?』
『エミール、穴は玉座の下だから崩したらどうなるかな?』
『え!!まさか!!』
『確実に王族殺しですね・・・・騎士団は何をやっているのでしょう』
ケニスが苦笑いしている
『マルス殿、良く来てくれました!』
ヘルトが笑顔で来る
『来てなかったら大変な事になりそうですね』
マルスが笑顔で言う
『え?何か有ったのですか?』
ヘルトが苦笑いしている
『騎士団長が来たら調べますね』
マルスが微笑んでいるとケニスが苦笑いしている
『マルス殿、本当ですか?』
騎士団長が慌てて走って来る
『調べてみようか』
マルスが笑顔で言うと、ケニスが先頭になって小屋に向かう。マルスが中の魔力探知を行う
『3人だね』
マルスがケニスに言うと、頷いて扉を剣で斬り裂くと男達が驚いている
『何をしているのかな?』
マルスが微笑むと男達は剣を抜いて構える
『スリープミスト』
マルスが魔法を使い、男達が倒れると、騎士団長が苦笑いしている
『騎士団長、下を調べてきてね』
マルスが笑顔で言うと、騎士団長が青ざめながら地下を確認して、騎士達が横穴を調べるために入っていくと、騎士達が青ざめて戻ってくる。騎士団長に報告していると、騎士団長は青ざめていく
『ヘルト様!マルス殿・・・・申し訳ない!!』
騎士団長が震えながら言うと説明をしている
『警備はしっかりしてね。後、黒幕も調べておいてね』
マルスが笑顔で言う
『解りました・・・・事前に解らなかったらどうなっていましたか?』
ヘルトが苦笑いしながら言う
『床が崩落して玉座が地下に落ちるぐらいだね』
マルスが微笑みながら言うと、騎士団長が肯定している
『・・・・・国王陛下に報告しますので、御一緒してください』
ヘルトは真剣な顔付きになると歩いていく
部屋に入ると国王陛下と王太子夫妻が笑顔で話している
『マルス殿!良く来てくれた・・・どうしたのだ?』
国王はヘルトの様子を見て顔色を変える
『玉座の下に穴を掘られてしまい暗殺を仕組んだ者がいます。穴は発見しましたが・・・』
ヘルトが言うと続けて
『国王陛下、申し訳ありません!!地下に穴を掘られるなど考えもしていませんでした』
騎士団長が頭を下げながら青ざめている
『どう言うことだ!穴とは?』
国王が驚いて事情を聴いてくる。
『玉座の下まで穴を掘られていただけですね。床を崩したらどうなりますか?』
マルスが微笑みながら言う
『完璧な暗殺計画です・・・床の下など気が付きません』
ヘルトが苦笑いしながら言う
『そんな事に・・・誰がやったのだ?』
『納屋にいた実行犯は今、問いただしています・・・』
騎士団長が青ざめながら言う
『始まる前で良かったが・・・他にも仕掛けられている可能性も有るか・・・』
国王が溜め息混じりに言う
『床の下まで何故解ったのですか?』
王太子が不思議そうに言う
『アースサーチで地面を調べただけです。モグラを探した時の魔法が役に立ちました』
マルスが笑いながら言うと、ケニスが詳しく説明をしている
『マルス殿、他に何か無いか調べて欲しい』
『調べられる範囲で調べてみますね』
マルスが笑顔で言うと、ロイドと出ていく
会場に戻ると床の下と壁を調べていくと天井も確認していく
『あ!ロイド天井の上どうなっているのかな?』
マルスが苦笑いしながら言う
『天井ですか?確かこちらから上がれたと思います』
ロイドが言うと通路を通って階段に向かうと扉には鍵が掛っている
『入れませんね』
ロイドが苦笑いしながら言う
『そうなんだね。普段はここは使われているのかな?』
マルスが床を見ながら言う
『ここは滅多な事では使いません』
護衛騎士が笑顔で言う
『そうなんだね。だけど誰かここに来ているよね』
マルスが扉の下を指差して言う
『これは・・・』
ロイドが足跡を見て呟く
『ロイドの手も汚れてないかな?』
マルスが微笑みながら言うとロイドは手を見てから扉を見ると護衛騎士達は気が付き床を見ている
『すぐに鍵をもってこい!確認するぞ!!』
ロイドが言うと、護衛騎士は急いで鍵を取りに向かう。マルスは扉の金属部分を触っている
副団長と数人の騎士が走って来る
『マルス殿!鍵が無い!!誰かが持ち出している』
副団長が慌てて言う
『どうする?床の次は天井?』
マルスが苦笑いして言う
『今、予備の鍵を取りに走らせたからすぐに来る。もし無ければ、扉を壊して確認する』
副団長が真剣に言う
『ここは任せたよ。隅々まで調べてね。天井が落ちたら終わりだからね』
マルスが微笑みながら言うと戻っていく
『あ!マルス師匠!!』
メトリシアが笑顔で来る
『メトリシア、ドレス着ると王女様に見えるね』
マルスが微笑みながら言う
『マルス師匠、マント似合っています』
メトリシアが笑顔で言う
『あーこのマント、武器を隠すために渡されたよ』
『王国騎士と宮廷魔術師に見えます』
メトリシアがマルスとエミールを見ながら言う
『そう言う事か・・・嵌められたかな』
マルスが苦笑いしている
『そうですね。しかしマルス様が居なかったら暗殺されていますね』
ケニスが苦笑いしている
『お祖父様に聞きました!本当に警備がなっていません!もっとしっかりして欲しいです』
メトリシアが怒り気味に言う
『油断しているね』
マルスが微笑みながら言うと、天井を見ている
『マルス師匠、どうかしましたか?』
『天井にまだ5人居るから早く副団長が捕まえないかなと思っているよ』
マルスが微笑みながら言うとメトリシアが驚きながら天井を見る
『やっぱり解っていて副団長に任せたのですね』
ケニスが苦笑いしているとロイドも苦笑いしている
副団長が苦笑いしながらやってくる
『捕まえたのかな?』
マルスが笑顔で聞く
『何故それを!まさかいるのが解っていたのですか!!』
『何人捕まえた?』
『え!!5人です・・・』
副団長が苦笑いをしている
『手柄の報告しておいてね。副団長が捕らえたんだからね』
マルスが微笑みながら言うとロイドが苦笑いしている