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23話 付与魔法の失敗から

今日は、武器に付与魔法を付加する日だ。フローネの家にギレリムもやってきている。


『まずは、巻いてある布をはずしましょう』

リリシャは頷き、丁寧に布を外す

『魔力視で、全体に魔力が行き渡っているか確認しましょう』

フローネの言葉にリリシャとマルスは魔力視で魔力を確認する。全体的に淡い光に包まれていて、魔力が全体に行き渡っているのを確認する

『付加する内容はどうしますか?』

『私は構造強化が良いです』

キリシアはそう言ってリリシャを見る

『また槍が折れたら大変じゃからな』

ギレリムはそう言ってフローネを見る

『リリシャさん、構造強化は種類がありますが、最初ですのでこれでどうですか?』

フローネは本を見せながら説明する

『これで良いです』

キリシアはそう言って頷く

『わかりました』

リリシャはそう言って本をじっくり見ながらフローネと細部の確認をしている


『リリシャ、準備出来たら始めましょう』

リリシャは槍を魔方陣に置き、ゆっくり目を閉じて集中し、深呼吸をしてから魔方陣を発動する。そして、慎重に付与魔法で魔方陣の書き込みをする

書き込みを終わり、フローネを見て

『終わりました』

『槍に魔力を通して効果を確認しましょう』

フローネはリリシャにそう伝え、リリシャは慎重に魔力を魔石に送る

槍全体に淡い光が輝きだす

『綺麗』

キリシアがそう言う

『バキッ・・バキバキ』

槍に亀裂がはいり次々と亀裂が広がっていく

『え!そんな・・・』

リリシャは目を見開きながら

『パキッ』槍が割れて粉々に砕ける

『失敗か・・・』

リリシャは肩を落としうつむく

『こんなこともあります』

フローネはそう言ってリリシャの肩に手を置く

『私でも成功しない時は全然しませんから、次の付加をしましょう』

微笑みながらリリシャに語り掛ける

『はい・・先生、次の準備をします』


次の槍を準備して、付与魔法で魔方陣を書き込み、魔力を槍に送るが、再び失敗する

最後の槍も同じように失敗する

『う・・・ごめんなさい』

リリシャは、涙を流しながらフローネを見る

『仕方ないです。失敗する事の方が多いですから、気にしないでくださいね』

『そうだぞ。10本に1本成功すれば良い方じゃ』

ギレリムはそう言ってリリシャを見る

『すいません』

『休憩して、次は剣です』

フローネはそう言って台所に向かうリリシャは涙が止まらないで泣き続けている

『ギレリムの槍が有るから気にしないで大丈夫』

キリシアがそう言ってリリシャを見る

『何十本でも作ってやる』

ギレリムもそう言って笑う


マルスはフローネの所に行って

『先生、質問があるのですが』

『マルスどうしました?』

『槍にヒビがはいる前に、槍の魔力が所々強く光って、そこからヒビが入り始めたように見えたのですが、どうしてでしょう?』

『見えていたのですね』

『うん』

『原因はわかりません。そうならない様に色々試行錯誤しているのですが、成功確率が上がりません。だから難しいのですよ』

『今日付与魔法の本借りて帰っても良いですか?色々調べてみたいです』

『わかりました。良いですよ』

フローネはニッコリ笑う


『リリシャ、今日は無理そうであれば、明日にしますか?』

『すいません・・・明日までに気持ちの整理をします』

キリシアも頷く、自分が本を持って帰るのを見たリリシャは私も読みたいとフローネから借りる


『サイトンさん、ただいま』

『今日は早いな』

部屋に帰る

そして本をじっくり読んでいく・・・


・・・目の前が白くなり、暗闇に落ちていく・・・

杖が見えて全体に魔力が満ちている。『やっと魔力が正常に流れるようになったか。』魔力の輝きが消えていく。『今回は、これでいくか・・・』手の上に魔方陣がいくつも展開されていく。そして魔方陣が圧縮され、それを杖に合わせると、杖が輝きだして輝きが終わる。『完了したか?良いできだな・・・・。』


目を空けると・・夢か・・・あんな風に付与出来たら良いな・・・そう思いながら本を読み出す


翌朝、再びフローネの家に集まる

『今日は剣だな』

ギレリムがそう言ってリリシャを見る

『始めます』

魔方陣を発動し、付与魔法で魔方陣を書き込み始める。マルスは魔力視で集中して剣の魔力を見ている。リリシャは書き込みが終り、フローネを見た。フローネは頷く、魔力を魔石に送る

そして、剣にヒビが入り、砕ける

『え・・・そんな』

リリシャは肩を落とす

『気にしないで次をやりましょう』

フローネが次を促す

マルスは剣を手に持って魔力を剣に直接流し込む。剣はいくつかの所で輝きが増し、ヒビが入り砕ける

『何だと!』

ギレリムは何が起きたのか、目を疑う

『マルス、魔力を流したのですか?』

『はい』

考え込むフローネに

『多分、魔力に剣が耐えられなかったのだと思います』

マルスが言うと

『フローネ、剣の材質か・・・それとも俺の腕か・・』

ギレリムが考え込む

『何が起きたの?どうして付与してないのに・・・』

リリシャも起きた事に思考が停止している

マルスは最後の剣をテーブルに置き、少しづつ魔力を流しはじめ、光が強くなる所で止める。そしてゆっくり魔力を動かす

『流れが悪いのかな?』

『え?』

リリシャは魔力視でじっくり見る

『魔力の流れが悪い?』

フローネも剣の魔力の流れを見つめる

マルスは両手で剣の魔力を試行錯誤しながら魔力を動かしたり止めたり、逆方向に動かしたりしている

『確かに、一部分で魔力が流れが妨げられているみたいに見えますね』

フローネはそう言って見つめ続けている

『何が起きているか俺にはわからん』

『私も』

ギレリムとキリシアそう言って三人を見守る


魔力を動かすのを止めて

『少し流れが良くなった?』

光が弱くなったのを見たフローネは

『とんでもない発見かも知れないですね』

フローネの発言にリリシャは首を傾げる

『付与魔法は成功しても、武器に魔力が綺麗に流れなければ、魔力が詰まり、魔力に耐えられなくなって砕ける事が原因かもしれないと言うことです』

『え?武器が魔力に耐えられないなんて・・・』

リリシャは驚き剣を見つめる

『んー・・・魔力の流れか・・・見れんからどうしようも無いな』

ギレリムは苦笑する

『魔力量と魔力制御と魔力視が揃わないと出来ないですね。私でも無理ですね』

フローネは考えを言ってマルスを見る

『私も出来るかな?』

リリシャはそう言ってフローネを見る

『体内の魔力を制御出来るリリシャならば出来るかもしれないですね』

フローネはリリシャを微笑みながら見る

『挑戦してみたいです』

リリシャは笑顔になる

『ちょっと待っていろ取ってくる』

ギレリムはそう言って家に帰る


マルスは魔力を動かし続けていく。流れが良くなったか確認するように流す量を制御し続ける

真剣な目でフローネは見続ける

『疲れた・・・』

マルスがそう言うとフローネは優しく微笑みながら

『ゆっくり休憩しましょう』

リリシャはギレリムが持ってきてくれた槍に魔力を流しながら試行錯誤している

『マルスには驚かされます。もしこれで付与魔法が成功したら間違いなく大発見です。しかしマルスとリリシャ以外に理解は不可能ですね』

フローネは真剣な目でマルスに言う

『フローネにそこまで言わすとは・・・やはりマルスはとんでもないな』

ギレリムは笑う


日が落ち暗くなり始めたため、作業を止めて明日続きをするようにする

リリシャは真剣な目で

『少しマルスの言う事が理解出来ました、魔力の流れにくい所にゆっくり流し続けると少しずつ流れが良くなるのがわかります』

と言うとフローネは微笑みながらリリシャを見る

『リリシャ、マルス、無理せず少しずつやりましょうね』

『わかりました、先生』


リリシャは笑顔で答える。マルスも同意する



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