ケニスの事情
翌日の朝、私服のケニスがやってくる
『あ!マルス様、実はこの武器と防具を返しに来ました』
ケニスが笑顔で言う
『え?持っていて貰ってもいいけど』
『実は王宮を辞めてきましたので実家に帰ろうと思っています』
ケニスが苦笑いして言う
『え!何故?』
『実はメトリシア様の護衛を外され、アホ面の重臣の護衛なんてしたくなかったので!昨日辞めてきました!!』
『そうなんだ・・・だったら一緒にここで暮らさない?侍女や護衛を仕切ってくれると助かるな~』
『え!宜しいのですか?』
ケニスが笑顔になる
『だけど、家を建て直すまで書庫暮らしだけど』
マルスが笑う
『よろしくお願いします!書庫の方が安全ですよね・・・普通の家より快適ですよ』
ケニスが笑顔で言うと、ミリアに説明にいくと、ミリアは大喜びする。
『これからもよろしくお願いします』
ケニスが笑顔で言うと、ミリアは抱きついて喜んでいる
『後はレイリアさんが来てくれたら安心だね』
『レイリアさんにも声をかけたのですか?』
『ロイドに聞いて貰える様に頼んだからね、何か有ればロイドが飛んでくるからね』
マルスが微笑むとミリアとケニスが笑い出す
『確かにそうですね』
『ただで巡回してくれるからお得だよ』
マルスが微笑んでいる
侍女達にケニスの事を説明すると侍女達は大喜びで安心している
『ケニスは必要な物有るかな?』
『迷宮に潜るなら革の鎧で良いので必要かも知れないです』
『そうだね・・・暫く使う用に必要だね、ラーケンに作って貰うまで怪我しない様に気を付けないと』
『はい!ありがとうございます』
『これからは本当のパーティーの一員だからね』
『え!はい!そうですね』
ケニスが嬉しそうに笑い、防具を探しに行き何軒か見て回り、鎧を買うと家に帰ってくる。
『マルス師匠!!ケニスがどこかに行ってしまったんです!!どうしよう!!!』
書庫に入るとメトリシアが言う
『どうしたの?』
『ケニスを取り返すために重臣を問い詰めに行ったら既に辞めて出ていったと聞きました!!私を見捨てるなんて!!』
メトリシアが泣きながら言う
『ケニス、メトリシアがこう言っているけどどうする?』
マルスが苦笑いして言う
『え!ケニス!!なんでここに!!』
『マルス様に武器と防具を返しに来ましたが、マルス様に侍女と警備の管理をする為にパーティーに誘われましたので、ここにいます』
『え!マルス師匠、本当ですか!!』
『ちょっと革の鎧を買いに行ってきたよ』
『本当に本当に!!』
メトリシアが嬉しそうにケニスに抱き付く。
『メトリシア様はしたないんだから』
ケニスは微笑みながらメトリシアを抱き締める
『明日、迷宮に潜って魔石を集めて来るつもりだけど良いかな?』
『はい!』
ミリアが嬉しそうに言う
『私も潜りたいけど・・・アリシアお姉さまがまだ寝込んでいるので明日はちょっと難しいです』
メトリシアが涙目になる
『無茶する必要は無いよ。ケニスさんは最後方でミリアの護衛をお願いします。ミリアは魔法を使って援護をして欲しい』
マルスが笑顔で言うとミリアとケニスが笑顔で頷く
『3人だから無茶せず様子見ながら潜るよ』
『はい!師匠』
メトリシアが馬車で帰ると、マルス達は一度冒険者ギルドに向かう
『ギルドマスターはいますか?リベリアから来たマルスです』
マルスが笑顔で職員に言うと、職員は奥に行くと応接室に案内してくれる
『お待たせしました、マルス様』
『実は明日、迷宮に少し潜ろうと思うのですが、今何層まで冒険者が潜っていますか?』
『11層まで潜って到達している冒険者がいますが、ほとんど中魔石は得られません』
『わかりました、多分自分達で使う用に明日はしますので出てからこちらに寄りませんが宜しいですか?』
『勿論構いません!その内少し買取りさせて貰えれば嬉しいです』
オイゲルが笑顔で言う
『わかりました、魔法学院に通い始めたら時々潜りますので宜しいですか?』
『マルス様なら即日許可を出します!前衛必要と言われても、剣聖以上の前衛はキリシア様しかいませんからね』
『マルス師匠の背中は守ります!ケニスさんもいるので大丈夫ですよね』
『こちらの女性ですか?』
『王国で4番目に強い剣士です』
マルスが笑顔で言うと、オイゲルが驚きながら見つめている
『そんなに見られると恥ずかしいですね』
ケニスが微笑みながら言うと、オイゲルは苦笑いしている。マルス達は帰ることにする
翌朝、準備して迷宮に向かうと最短距離で11層まで向かう。
『ビードル?』
マルスが呟くと軽く切り裂いて倒す
『ドロップアイテムは無いですね』
ミリアが魔石を拾いながら言う
『そうだね。手応え無いね』
マルスが呟くと、次はケニスが両断して倒す
『簡単すぎます・・・リベリアの迷宮で鍛えすぎましたね』
ケニスが笑顔で言う
『油断はしないように進もうか?』
マルスが笑顔で言うと11層を一周してから12層に向かう
『ミリア、小部屋は任せるね』
マルスが笑顔で言うと
『ファイヤーストーム』
小部屋のビードルを焼き払うと、全滅したのを確認してから魔石を拾い集める。次々焼き払っていくと大部屋に到着する
『デカイのはいないから、ミリア、一緒に焼き払うよ』
『ファイヤーストーム!!』
ミリアとマルスの魔法で大部屋のビードルを焼き払うと黒い霧が晴れてから魔石を拾い集める
『3人だとこのぐらいで帰った方が良いのかな?』
マルスが言うと、魔石の袋を見ながらミリアが頷いている。出口目指して歩き出す
家に着くとシュルトが待っている
『マルス様、お待ちしていました』
シュルトが笑顔で言う
『シュルト、どうかしたのですか?』
『ラーザの様に門番代わりの下男を貰わないですか?』
『うー・・・確かに必要かも知れないけど、今は家の再建が先なので建て替えが終わってからにした方が良いのかな?』
『そうですね。そういたしましょう』
シュルトが笑顔で言う
『本題は?』
『再建に必要な物は有りますか?』
『そうだね。マジックポーションが必要だから、材料と資材かな?だけど費用は、騎士団を通して伯爵家に請求しようかな?』
『なるほど、わかりました!騎士団にもそれとなく探りをいれておきます』
シュルトが笑顔で言うと帰っていく
『シュルトさん、商売上手ですよね』
『ミリア、あれは心配してくれているんだよ』
マルスが笑顔で言うと、後ろでケニスが微笑んでいる