書庫の建築と誘拐 ☆挿絵あり☆
魔法学院の入学式までの間に屋敷の改築を始めるとマルスは倉庫兼書庫の建物を作り始める。マルスはモデリングを使用して次々と資材を積み上げていく
『マルス師匠、資材足りますか?』
ミリアが心配そうに言う
『足りなくなったら迷宮で稼いで資材を集めれば良いよね』
マルスが微笑むとミリアが嬉しそうに笑う
『じゃあ地下室から作るよ』
マルスが言うとアースコントロールで地面を掘り下げて、セパレーションで物質を別けてみる
『結構上手く別けれるね』
マルスが笑顔で言うとミリアが別けられた物を見ている
『金属以外は石と土ですね』
『石を使って床と壁を作るよ』
マルスが笑顔で言うと石をモデリングで細い棒を作る。石の棒を立ててから、ウエイトを使い地面に埋め込んでいくと基礎の上の地面自体もウエイトを使い固めていく。石にモデリングで床と壁を作ると天井も完成させる
『ミリア、砕いた魔石の用意しておいて』
マルスが言うと、ミリアが魔石とポーションを持ってくる
『紋様魔法を書き込もうか?』
マルスが微笑みながら言うと次々と紋様を書き込み始める。モデリングで紋様を隠してから、もう一度書き込みをする
『師匠どうして、2重にしたのですか?』
『破られない様にね。壊そうとしても頑丈でしょ?』
『外側にも書き込みをするのですか?』
『そうするよ。床は3重にして固めるけどね』
マルスは笑顔で言うとどんどん書き込みをしていく。ミリアがレビテーションで木材を持ってくると、マルスは扉にしてから取り付けると夕方になっている
『マルス師匠、凄いです1日で地下室完成するなんて』
『明日からは地上部分だから気合いを入れるよ』
マルスが笑顔で言う
数日後、倉庫兼書庫が完成する
『マルス師匠!私が手伝えない間に完成させるなんて!酷いです!』
メトリシアが涙目になる
『ミリアが頑張ってくれたから結構楽しく建築できたよ。メトリシアが廃材を集めてくれたお陰だね』
マルスが笑顔で言うと、ミリアが嬉しそうに笑っている。メトリシアは中を確認していく
『何故1階と2階に入口を別けたのですか?』
『1階と地下は資材と宝物庫だから、出入りを少なくする為だね。2階3階は書庫と魔導書の写しをする所だから快適に過ごしたいでしょ』
マルスが笑顔で言う
『あ!そうですね!』
メトリシアが笑顔になる
『明日から工房の改造かな?』
『はい!明日から手伝うようにします』
メトリシアが笑顔になると、ミリアが微笑んでいる
王宮から使いが来る
『王宮から呼び出しが有りましたので、出掛けてきます』
ケニスはそう言うと足早に王宮に出掛けていく
『ケニスが呼び出されるのは珍しいね』
マルスが呟く
『いつもなら無いのですが、どうしたのだろう?』
メトリシアが呟くとミリアも頷いている
『メトリシア~遊びに来ましたの?』
アリシアが笑顔で入ってくる
『アリシアお姉さま、どうかしましたか?』
『今日はこちらに泊まりますわ』
アリシアはご機嫌でメトリシアと話し始める
マルスは魔力補充しながら家の中を見て回ってからミリアと工房に向かい、付与魔法陣の作成をしている
『あれ?侍女が出掛けている?』
マルスが呟くと侍女に何が有ったのか確認する
『ミリア、変だよね』
『マルス師匠、どうかしましたか?』
『王女が2人もいるのに、信用出来る侍女をほとんど王城に出掛けさせるなんて、それもケニスまで』
『あ!そうですね・・・』
『大事な物は書庫に持って行こうか?』
マルスが微笑みながら言うと、ミリアと頷いて書庫に移動させる
『アリシアさん、護衛の2人は王城から呼び出しかな?』
マルスが聞く
『そうですわ。珍しい事です』
『ケニスも侍女もね』
マルスが言う
『え!顔を知らない侍女しかいません』
メトリシアが気が付く
『じゃあ何が起きるかな?大事な物は書庫に移動させようか?』
マルスが微笑みながら言うと、メトリシアも書庫に研究資料と身に付けれない大切な物を持っていく。書庫の中で日が暮れるまでゆっくりする事にする
『食事の用意が出来ました』
侍女が呼びに来ると、マルス達は家に戻る。マルスは厨房を覗くと侍女の食事が無いことを確認する
『メトリシア、美味しそうですわ』
アリシアが笑顔で言うと席に座る。メトリシアも席に座り食事を食べ始める
『何だか眠く・・・』
「ガシャ!」
アリシアが気を失うと、マルスとミリアとメトリシアも倒れる
『完全に寝た?』
『合図を。中々戻ってこないからヒヤヒヤしたが、護衛が帰ってくる前に運ばなくては』
侍女がそう言い、ランプで合図を送っていると、馬車が入ってくる。眠ったマルス達を馬車に乗せ、馬車が急いで出ていくと家から火の手が上がる
暫くすると大きな屋敷に入る
『地下牢に閉じ込めておけ』
男が言うと地下牢に連れて入れられる
『え!火の手!!』
ケニスは火の手の上がる屋敷を見て慌てて走ると侍女が乗った馬車に出会う
『ケニス様、何故こちらに?』
『え!王城に呼び出されて・・・』
ケニスは気が付き、慌てて走り出すと屋敷が焼け落ちる
『メトリシアさま!!!!』
ケニスが叫ぶが返事が無いと侍女達も周囲を探し始めるが見つからず、騎士達も駆け付けて来て探し回る
『アリシア様は知りませんか?』
アリシアの護衛が屋敷を見て慌てて侍女に聞く
『え!アリシア様もいないのですか?』
『王城から呼び出されてメトリシア様の家にいる筈だったのですが!!』
『まさか!!』
侍女達は青ざめ始める