リリシャとマルスの杖
この数ヵ月、王城へのライトの魔道具と風呂の魔道具の納品も終わり、リーベルの修行も順調に終わろうとしている
『マルス、ギレリムが納品に来たよ』
リリシャが笑顔で言うと、マルスが外にでる
『頼まれた杖も完成したぞ!彫刻師が凄い気合いをいれて作ったから最高の出来だ!!』
ギレリムが言うと2つの箱に入った杖を持ってくる
『凄い!こんなに精巧に彫刻してくれるなんて』
『当たり前だ!ミスリル純正の杖なんて、一生に一度の仕事だ!それも目にヒヒロイカネを使い、ブルーミスリルで色合いを変えるなんて、もう2度と出来ない杖だ!それも女神とドラゴンのモチーフなんて気合い入る筈だ!!』
ギレリムが笑顔で言うと、マルスはじっくり見ている。女神のモチーフは女性が魔石を抱え、背中の翼で魔石を覆っている。ドラゴンは口に魔石を咥えている
『じゃあ気合い入れて付与魔法するね』
マルスが笑顔で言うと魔力制御で魔力の通りを確認していく
『全くムラが無く魔力が流れる。すぐに付与魔法するね』
マルスが言うと、ミリアとメトリシアが一緒に付与魔法する為に持っていく。ギレリムが笑顔でついてくる
マルスは魔方陣を起動すると魔石に魔方陣を書き込んでいき、2本とも終わらせる
『ミリア、メトリシア、魔方陣を確認して』
マルスが笑顔で言うと、ミリアとメトリシアは杖を受け取り魔方陣を見ている
『凄い魔方陣です!!完璧です』
ミリアが笑顔で言う
『魔道具化して』
マルスが微笑みながら言うと、ミリアとメトリシアは魔力を流す。杖が輝き始めると急激に魔力が増大していく
『え!』
目が眩む輝きに視界を奪われると徐々に輝きが収まっていく
『まさか神様のイタズラ!!』
メトリシアが言うとマルスは鑑定して苦笑いする
『間違いないね・・・凄いことになったね』
『え!マルス師匠、どうしましょう』
ミリアが苦笑いしている
『何が起きたのだ?こんなに光る物なのか?』
ギレリムが苦笑いしていると、下からフローネ達がやってくる
『まさか又神様のイタズラですか?』
『そうです。凄い杖になりました』
マルスが苦笑いしていると、フローネは杖を見て鑑定する
『構造強化、魔力増幅、魔力貯蔵、魔力制御、体力回復、生命力回復、体力強化、生命力強化、浮遊、魔法壁、魔法反射、結界陣、精神力強化、身体能力強化、聖属性、光属性、火属性、風属性、土属性、水属性・・・20個になっています・・・5属性の杖なんてあり得ませんね』
フローネが諦めて言う
『本当に神様のイタズラですね。リリシャの杖だよ!』
マルスが女神の杖を渡す
『え!私の杖!!ありがとう』
リリシャが笑顔で言うと杖を持つ。杖が輝き出す
『凄い!!どんな魔法でも使えるかも知れないぐらい凄い杖だね』
リリシャが笑顔で言う
『このドラゴンがマルスの杖ですか?まさか2本とも神様のイタズラとは本当にあり得ませんね』
フローネが言うと、メトリシアがマルスに杖を渡す。杖が輝き魔石が七色に輝いている
『凄い!!力が沸いてくるね』
マルスが笑顔で言う
『魔法放ってみたいね』
リリシャが笑顔で言う
『試し撃ちしたいね』
マルスも言う
『岩場で魔法撃つ?』
キリシアが笑顔で言うと、みんな笑顔で頷いている
みんなで岩場に向かうとみんなで魔法を放ち始める
『まさか全員で魔法を放つと地形が・・・』
リーベルが苦笑いしている
『リーベル、慣れたでしょ。最大威力で放っていないだけ良いと思いなさい』
フローネが微笑みながら言うとフローネも魔法を放ち始める
『そろそろ自分達も使ってみる?』
マルスがリリシャに微笑みながら言うと、リリシャも笑顔で頷いている
『ファイヤーキャノン!!』
リリシャが魔法を放つと巨大な火の玉が地面に当たり、大爆発を起こす
『キャーーー!』
爆風が自分達のも巻き込まれそうになる
『バリアフィールド』
マルスが結界を張る
『リリシャ!少しは手加減しなさい!怪我人が出ます!』
フローネが苦笑いしながら言う
『まさかここまで威力が上がるとは思いませんでした。ごめんなさい』
リリシャが慌てている
『次はマルス師匠の番ですね』
ミリアが笑顔で言うと、マルスは魔力を集めて火の玉を作り始め、圧縮していくと勢い良く放つ。地面に当たると急激に膨れ上がり大爆発を起こすと爆風と熱気が周囲を包み込む
『バリアフィールド!!』
リリシャが魔法を使うが、バリアフィールドが破られそうになる
『バリアフィールド!!』
マルスも魔法を使うと、ケニスも結界の魔道具を使う
『マルスも本気は禁止ですね・・・町でも吹き飛ばせますね』
フローネが苦笑いしていると、リーベルが尻餅ついて涙目になっている
『これなら魔族相手でも戦えるかな?』
マルスが笑顔で言う
『そうだね!凄い杖になったね』
リリシャが笑顔で言う
『マルスの初めての杖とリリシャ専用の初めての杖だね』
キリシアが笑顔で言う
『あ!そうだね。リリシャの杖は初めて3個付与した杖だったからね』
『長く愛用した凄い杖です』
リリシャが笑顔で言うと、みんな微笑んでいる
『リーベル、いつまで座っているのですか?』
『師匠・・・自信無くしました・・・こんな魔法有るのですね』
『杖の効果も有りますが、マルスは別格です。まだ本気で放っていませんよ』
フローネが微笑みながら言う
『はぁーーーー!まだ本気になっていない!!』
『試し撃ちなので、まだ半分ぐらいです』
『あり得ない・・・本気で放ったらどうなるのですか?』
『杖が耐えられないで壊れるかも知れないです』
マルスが笑顔で言う
『常識外れもここまでくると、もうついていけません』
リーベルが泣き始める
『リーベル、しっかりしなさい!!あなたはマルスとミリアとメトリシアの監視役でしょ!!この程度の事は日常です!』
フローネが真剣に言うと、みんな笑い始める
『何が有った!!』
ガシリオが馬に乗って数人とやってくる
『あ!ちょっとマルスとリリシャが杖で試し撃ちしただけですよ』
キリシアが笑顔で言うと穴を見て苦笑いしている
『これで少し練習と言うことか!仕方無いな!マルスだからな!!』
ガシリオが笑い出すと、隊員が笑っている
『町中で使わない様にしますね』
リリシャが微笑みながら言う
『騎士団長にリリシャ殿を怒らせたら町1つ笑顔で吹き飛ばすと伝えておく』
ガシリオが笑いながら言う
『ガシリオ、恥ずかしいから言わないでね』
リリシャが微笑みながらガシリオに言うと、ガシリオがそっぽを向く
『良い土産話が出来ました!マルス師匠が本気出したら村1つ分の穴を一瞬で作れると伝えておきます』
メトリシアが笑顔で言うと、マルスも笑い出す
帰ろうとするとレディナが裾を掴み見つめている
『あ!レディナも魔法放ちたいの?』
『うん!使いたい!!』
レディナが笑顔で言う
『そうですね。そろそろレディナちゃんの魔法も確認しておきましょう』
フローネが微笑みながら言うとレディナとイリアが杖を持って
『・・・・・ファイヤーボール!!』
穴の底で爆発すると爆風が起きる
『リリシャ!!子供にどんな威力の魔法を使わせるのですか!!』
フローネが驚いて言う
『凄いですよね。魔力制御も凄く上手くなりましたからこのぐらいは当たり前ですね』
リリシャが嬉しそうに言う
『師匠!!私よりも実力が有るのでは!!』
リーベルが苦笑いしている
『レディナ、イリア、使える魔法を次々と撃ってみようね』
マルスが笑顔で言うと次々と魔法を放っていく
『これは手遅れですね』
フローネが呟く
『安心して魔法学院に行けます』
マルスが言う
『マルス、余り鍛え過ぎないでください。リーベルがいたから油断しました』
フローネが苦笑いしている
『回復魔法は使えるのか?』
ガシリオが笑顔で言う
『使えます!お兄ちゃんに習いました!』
『・・・・・ヒール』
レディナが魔法を使うと淡い光がレディナの手から出ている
『今度訓練の時に回復魔法を使いに来ないか?』
ガシリオが笑顔で言う
『迷宮に行っている間、練習になりますね』
リリシャが笑顔で言う
『そうですね・・・多くの人と話すのも良いことですね』
フローネが微笑んで言う
『これで怪我を気にしないで訓練出来るぞ!』
ガシリオが笑顔で言うと、隊員達が喜んでいる